映画ナタリー Power Push - 「破門 ふたりのヤクビョーガミ」

佐々木蔵之介×横山裕インタビュー 狂犬×ぐーたら!凸凹コンビの格闘と自分ルール

格闘家を目指した時期があった(佐々木)

──佐々木さんは劇中では観ていて怖くなるくらいのキレキレなアクションを披露されていましたが……。

佐々木蔵之介

佐々木 僕は一瞬格闘家を目指した時期がありまして。

──本当ですか?

横山 嘘ですか?

佐々木 ほんまほんま。「この入学試験に失敗したら佐山聡さんのところでシューティング(総合格闘技の一種。現・修斗)をやろう」と思ったことがあって。木に向かってローリングソバットを繰り返していた時期もありますしね。ローキックやハイキックの稽古もしていたので、今回はその経験が生きたなと思いました。あと藤原喜明さんのサブミッションの本も買って勉強したんですけど、劇中では寝技がなかったのでそれは披露できなかったなあと思っております。

──次回はぜひ寝技を見てみたいです。特に印象的なシーンはありますか?

佐々木 やっぱり格闘シーンですね。クランクインした初日と2日目がいきなり山場のアクションシーンの撮影だったので、何が正解かわからないまま、自分の中で針を振り切るくらいやらなという思いで飛び蹴りをしていましたね。

横山 後半のスローになっていくアクションシーンは、観ていて「うわー!」って思いましたね。後輩の濵田(崇裕)もすごくがんばっていて、最後のシーンはカッコよくてうらやましかった! 彼は純朴というか一生懸命だし、スタッフにもかわいがられていましたよ。僕が運転をして濵田が乗り込むシーン、あれを一発で決めたときはみんな感心していました。

──観ているこちらも気分が高揚するような場面でした。

横山 みんながあの場面に向かって集中していっている感じがわかって、男くさい映画やなあ、この作品に参加できてよかったなあと思いましたね。

橋爪功さんは欲しがってる感じがした(佐々木)

──佐々木さんは狭い室内での格闘シーンもありましたが、見せ方や動きは事前にかなり相談されたのでしょうか?

佐々木蔵之介

佐々木 あのシーンは狭かったし怖かったですねえ。相手にけがさせたらあかんし。東宝スタジオの会議室みたいなところで練習したんですけど、指導してくださった殺陣師の二家本辰己さんが熱い人で。「これをガッ!ワッ!ギャッ!ってやるんだよ!」と言われてました。もうちょっと段取りや手順を教えてほしいなと思ったんですけど、でもやっぱり最終的には全部気持ちで行くみたいな(笑)。

──気合いの入った指導ですね(笑)。

佐々木 あと、港で揉み合うアクションシーンを同じく東宝の駐車場でリハーサルしました。「寒いしひざ痛いし、これ嫌やなあ」としか感じなかったですね(笑)。原作の桑原は、まず砂をバッとまいて、目潰しするとかいきなり金的するとか姑息な手を使うんですよ。その要素は映画にも取り込みたいなと思いました。あとは僕が橋爪(功)さんの太ももにボールペンを刺すアクションとか。あれはもう楽しんで芝居をさせていただきました。

──橋爪さん演じる小清水は劇中でかなり痛めつけられてましたが、あのシーンは手加減なしで演じられていたような気がします。

佐々木 橋爪さんは大好きで尊敬している大先輩なので、中途半端な芝居をしてはいけないと思いまして。本番はリハより少し強めにさせていただきました(笑)。「痛かったですか?」って聞いたら「痛いに決まってるやろ!」と怒ってはりました(笑)。

横山 カットの声がかかったら「むちゃくちゃするなあ、お前!」っておっしゃってましたよね。でも橋爪さん、うれしそうでしたよ。

佐々木 でしょ? 欲しがってる感じがしたよね? 「そんなに痛がるか? 笑かしにかかってるやろ」みたいな痛がり方で、こっちとしてはそれがまた腹立つからもっとやるんですよ(笑)。あれは楽しい芝居でしたねえ。

「破門 ふたりのヤクビョーガミ」より。

──小清水は悪党なのにどこかチャーミングな感じがして魅力的でした。先ほどもお話しいただいたように、アクションシーンなどの男っぽい描写が多い作品ですが、女性陣の演技も抜群の存在感を放ちますよね。

佐々木 この映画の中の女性はみんな強いんですよ。キムラ緑子さん演じる二宮のお母さんもそうですし、北川景子ちゃんの存在も“今”を生きているし。愛人は愛人の生き方がありますしね。

関西人のハートをつかむ作品(横山)

──完成した作品をご覧になっていかがでしたか?

横山 最初は自分の粗探しをしてしまって、あまり入り込めませんでしたね。3回目を観たときにようやく映画が自分に入ってきて。出演者でもある木下ほうかさんは「これ関西人にはたまらん映画やな」とおっしゃっていました。あと(笑福亭)鶴瓶さんが観てくださって「すごく面白かった」と言ってくださいましたね。

──テンポのいい掛け合いが関西人の方にはたまらないということでしょうか?

横山 そうですね。ネイティブな関西弁が飛び交うので、関西人のハートをつかむ作品というか。

──なるほど。では最後に公開を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。

横山 関西人ではない方が観たら「何言うてんねやろ?」と感じるセリフもあると思うんですけど……実際に、出ている僕でもそういう場面はありました(笑)。でも雰囲気ですごい面白いなあと思えるんじゃないかな。任侠ものなのかなと敬遠される方がいるかもしれませんが、笑えるし、スピード感もある映画になりました。

佐々木蔵之介

佐々木 黒川さんがリアリティを持ったうえでエンタテインメントに作られているからこそ、僕らが乗っかって遊べるんだと思うんです。この作品はやくざ映画というわけではなく、桑原がやくざという職業に就いているというだけ。スケールの大きな話だし、追走劇みたいな要素もあるので。黒川さんの小説がお好きな方はもちろん、横山くんが出ているから若い人たちにも、幅広い年代の方に観ていただければと思います。

INDEX
キャラクター紹介
佐々木蔵之介×横山裕インタビュー
三四郎インタビュー
Creepy Nutsインタビュー

「破門 ふたりのヤクビョーガミ」2017年1月28日全国公開

ストーリー

“イケイケやくざ”の桑原と“ぐーたらビンボー”の二宮は、映画プロデューサー小清水に製作資金の出資を持ちかけられる。二宮からその話を聞いた二蝶会の若頭・嶋田が金を出資すると、小清水は失踪! 持ち逃げされた資金を回収するため、桑原と二宮は小清水を探して関西やマカオを奔走するが、まさかの大トラブルに発展して追われる羽目になり……。

スタッフ / キャスト

監督:小林聖太郎
原作:黒川博行「破門」
出演:佐々木蔵之介、横山裕(関ジャニ∞)、北川景子、濵田崇裕(ジャニーズWEST)、矢本悠馬、橋本マナミ、國村隼、橋爪功

佐々木蔵之介(ササキクラノスケ)

1968年2月4日生まれ。京都府出身。大学在学中から劇団・惑星ピスタチオのメンバーとして活躍。2000年にNHK連続テレビ小説「オードリー」で注目を浴び、以降はドラマ、映画、舞台と幅広く活動している。2005年には自身がプロデュースを務める演劇ユニットTeam申を立ち上げた。公開待機作には「3月のライオン」2部作、「美しい星」「花戦さ」がある。

横山裕(ヨコヤマユウ)

1981年5月9日生まれ。大阪府出身。2004年に関ジャニ∞のメンバーとして「浪花いろは節」でCDデビュー。バラエティやドラマ、音楽とジャンルを問わず活動しており、映画出演作には「エイトレンジャー」シリーズ、「天地明察」などがある。2017年5月には主演を務める舞台「妄想歌謡劇『上を下へのジレッタ』」が上演される。