コミックナタリー Power Push - ギャグ漫画家大喜利バトル!!
祝DVD化! おおひなた×ピョコタン懇談会 大会プロデューサーが最弱選手に個人授業
レッスン開始、おおひなた講師の辛口大喜利塾開講
──ピョコタンさん、おおひなたさんに大喜利を実演していただくわけですが。おおひなたさんには大会プロデューサーの視点から、講師としてピョコタンさんの回答を評価していただこうと思います。
ピ これで僕がごうさんより面白いの描いちゃったら、ちょっとマズいんじゃないですか?
お それはないから(余裕)。
──では、1つ目のお題はこちら。
顔はいまいちだけど学校で一番のモテ男。
異性をひきつける魅力の正体とは?
ピ 結局、金を持ってるやつがモテるんじゃないかって思うんですよね。
お 誰でも思いつくネタだな……。典型的なネタはちょっと崩して工夫したほうがいいよ。毎朝来ると、みんなの机の上に1万円札が置いてあるとか。お金を持ってるっていう発想からの連想が大切。
ピ ……あくまで今のは一番最初に出す用のネタですから。ボクシングのジャブみたいに、大喜利も最初は軽いネタから攻めたほうがいいんですよ。前回、審査員の人にも言われたんです。笑いの階段を昇れって。
──笑いの階段?
ピ 大喜利バトルの10分間を使って、一段ずつ笑いを積み上げていくんです。バトル開始時にはウケないネタも、流れで面白くなったりするじゃないですか。いきなり飛躍しようとせず全体をコントロールしようと思って。
──なるほど、それが掴んだ大喜利のコツなんですね! では、1つ階段を上ったピョコタンさんの次の答えを。
顔はいまいちだけど学校で一番のモテ男。
異性をひきつける魅力の正体とは?
ピ 裸足に革靴、さらに裸に革ジャン! どうですか?
お ……モテるかなそれ。そんなことしてるやつイジメられるだろ。モテ男っていうか、イジメの対象の間違いじゃないの。
ピ でも裸足に革靴はモテですよね、石田純一さんみたいで。だったら裸足に革靴みたいなことを全身でやったら、もっと凄いぞっていう。スタンダードな発想からの連想だったんですけど。
お 言い分はわかるけど、見てるほうからしたらモテないじゃんって思うんだよね。お題が「モテ男」だから、付き合いたいってならないとダメでしょ。ピョコタンの回答はモテっていうか、変態だもん。
──厳しい指摘がビシビシと。では迷走するピョコタンさんに、おおひなたさん見本をお願いします。
顔はいまいちだけど学校で一番のモテ男。
異性をひきつける魅力の正体とは?
お 壁が抜けられる。
ピ ……え、よくわかんないんですけど。どういうことですか?
お すごーい。抜けてみせてーってみんな言う。絶対モテるでしょ。
ピ ……わけわかんないのは置いておくとして実際の話、壁抜けるとかモテます? 僕が女の人だったら、壁抜けてくるやつなんてなにされるかわかんなくってキツいですよ。まだ裸に革ジャンのほうがいいですよ。
お 裸に革ジャンは変態だって言ってるだろ! 壁抜けは学校で噂の的だよ、あいつ壁抜けられるんだぜ! きゃー付き合いたい! ってなるよ。
ピ ちょっとこれは……。NEXT(無得点)なんじゃないですか?
メジャー感を大切に。マイナー回答の落とし穴
──では、どんどんいきましょうか。次のお題はこちらです。
「金を出せ!」と乗り込んできた銀行強盗。
でもあんまし怖くない。どうして?
ピ 最初だからジャブですよ、ジャブ。誰でも考える感じの1発目のネタです。
お いい絵だねコレ、ピョコタンは割とがんばってイラスト描いてるよね。
ピ 純粋に画力の話になっちゃうと僕はヤバいんですよ。うすた京介さんとか、さらっと描いてもうまい人がいるから。だからこそ丁寧に描こうと思ってるんですけど、バトルでは制限時間があるし、悩みどころです。
──スピードを要求される、バトルならではの葛藤ですね。
お ネタもさ、凄いのを思い付こうって意気込むと筆が止まっちゃう。思い付いたのをどんどん描いていったほうがいいよ。そっからまた新しいネタが発想されたり、フィードバックが生まれるから。
ピ ほんとは1発目がジャブだったので次はもう少し飛躍したのをと思ったんですけど、じゃあいま思い付いたのを。ああでも、これダメかも……。
「金を出せ!」と乗り込んできた銀行強盗。
でもあんまし怖くない。どうして?
お うん、銀行とか金庫とか響きは似てるけど、ところでキンコーズって何? 俺そのお店を知らないんだけど。みんな知ってるものなの?
──コピーとかデータの出力なんかする、印刷屋さんですね。たしかにちょっと万人向けのネタではないかも。
ピ 自分でも出す前からダメなのはわかってました……。じゃあ、ごうさんお手本を見せてくださいよ。
お いいですよ。さらさらっと、はい。
「金を出せ!」と乗り込んできた銀行強盗。
でもあんまし怖くない。どうして?
ピ ……どういうことですか? これ僕、ちょっとわかんないんですけど。
お 銀行強盗なのに、「ニュー・シネマ・パラダイス」好きなんだー。悪い人じゃなさそうだってなるでしょ。
ピ キンコーズが知ってる人を限られるなら、「ニュー・シネマ・パラダイス」だって限られますよ!
お 「ニュー・シネマ・パラダイス」はみんな知ってるよ。今日のスタッフで知ってる人は手挙げて(全員が挙手)。ほらみんな知ってる! じゃあキンコーズ知ってる人は手挙げて、ハイ! ってあれ?(やはり全員が挙手)
ピ キンコーズだってみんな知ってるじゃないですか!
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おおひなたごう
1969年生まれ、秋田県出身。1991年に「心はマリン」でデビュー。切れ味鋭いシュール&脱力系なギャグで一躍人気を集める、当代きってのギャグマンガ家。マンガの他にも爆笑問題とのコラボや、大人計画の舞台のフライヤー、フィギュア製作など、その活動は多岐に及んでいる。「おやつ」「犬のジュース屋さんZ」「特殊能力アビル」など代表作多数。
ピョコタン
1977年生まれ、千葉県出身。1996年に「ボンバーマン4コマまんが王国3」でデビュー。“ウンコ系マンガ家”を自称し、独自の世界観とギャグでカルト的な人気を博している。フジテレビ公式サイト内のデジタルコミック「少年タケシ」連載の「西日暮里ブルース」や、ゲームラボ(三才ブックス)のレポートマンガ、ウェブサイト「ガジェット通信」の記事イラストなど幅広い活躍を見せている。代表作に「アホ汁レインボー」「赤いアホ汁」など。
『ギャグ漫画家大喜利バトル!!』DVD発売記念!!
-逆襲のミニ大喜利!!-
「ギャグ漫画家大喜利バトル!!」のDVD発売を記念して、タワーレコード新宿店にてミニ大喜利を2月20日に開催します。入場整理券は同店にてDVDを予約した人に先着順で配布。出演予定はおおひなたごう、いしかわじゅん、大石浩二、喜国雅彦。