バラエティ番組「戦国鍋TV~なんとなく歴史が学べる映像~」の流れを汲んだ新番組「戦国炒飯TV」の放送が8月1日にスタートした。ステージナタリーでは、気になる番組の制作現場に潜入。多くの視聴者を虜にする、あの番組はどのようにして作られているのか。本特集では、「戦国鍋TV」から続く人気コーナー「ミュージックトゥナイト」の撮影の模様をお伝えする。また、「ミュージックトゥナイト」でうつけ坂49のメンバーを演じる木津つばさ、山崎大輝、橋本祥平、滝澤諒、深澤大河、MCを務めるかが屋、アナウンサー役の髙橋優実から熱いメッセージが到着。初回放送を見返しながらぜひチェックしてほしい。
取材・文 / 興野汐里
「戦国炒飯TV」とは?
バラエティ番組「戦国鍋TV~なんとなく歴史が学べる映像~」のスタッフが再集結して送る新番組。全体構成を酒井健作、監督を住田崇が担当し、安部裕之、熊本浩武、シベリア少女鉄道の土屋亮一が脚本で参加している。
「戦国鍋TV~なんとなく歴史が学べる映像~」とは?
2010年から2012年にかけて放送されたバラエティ番組。史実を現代風にアレンジしたゆるいコントがお茶の間で評判となり人気を博す。番組のシンボルは、イラストレーターのニイルセンが手がけたマスコットキャラクター・兼続くん。現在、舞台で活躍している若手俳優を多く輩出したことでも知られており、音楽番組をモチーフにした人気コーナー「ミュージックトゥナイト」からは、信長と蘭丸、天正遣欧少年使節、ももいろゴタイローなどのグループが誕生した。「ミュージックトゥナイト」のほかにも、「戦国武将がよく来るキャバクラ」「うつけバーNOBU」「戦国にほえろ!」といったユーモアたっぷりなコーナーが盛りだくさん。8月26日には、同番組の廉価版Blu-ray BOX「戦国鍋TV 令和の乱 Blu-ray BOX」が発売されるので、リアルタイムで視聴していた方も、「戦国炒飯TV」を観て気になった方も“要ちぇっく”だ。
2月末、制作決定がアナウンスされるやいなや、Twitterの上位検索ワードにランクインするなど、好調な滑り出しを見せた「戦国炒飯TV」。同番組の収録が行われている東京都内の撮影所を訪れると、そこには「戦国鍋TV」のファンにはなじみ深い「ミュージックトゥナイト」のセットが。この日行われたのは、織田信長の小姓により結成されたグループ・うつけ坂49の収録だ。うつけ坂49には、センターの森蘭丸、キャプテンの長谷川秀一、堀秀政、前田利家、拾阿弥ら天下ファイブと呼ばれる5人を含む49人が所属しており、森蘭丸役を木津つばさ、長谷川秀一役を山崎大輝、堀秀政役を橋本祥平、前田利家役を滝澤諒、拾阿弥役を深澤大河が演じる。5人のほかにも、奥井那我人、廣野凌大、輝山立、長江崚行、大原海輝、吉田大輝、大海将一郎、中島拓人、露口祐斗、糠信泰州ら、舞台等で活躍する総勢23人の俳優陣がキャスティングされた。ちなみに、「戦国鍋TV」時代にも大所帯のアイドルが多数誕生しており、「家康徳川の統べりたい話」のコーナーから派生したユニット・徳川15代将軍や、赤穂浪士をモチーフにしたAKR四十七などを思い浮かべる人も多いだろう。
今回の「ミュージックトゥナイト」では、「キングオブコント2019」ファイナリストのかが屋が新MCに就任。うつけ坂49のメンバーより一足先にスタジオ入りしたかが屋の2人は、アナウンサー役の髙橋優実と入念な打ち合わせを行っていた。学生服を模した紋付きの衣装を身につけたうつけ坂のメンバーをスタジオに迎え、トークパートの収録がスタート。番組セットの前に集合したキャスト陣は、少々緊張した面持ちでスタッフから段取りの説明を受けたのち、天下ファイブの5人はひな壇の1列目に、ほかの小姓たちは2列目、3列目に着席した。MC陣から自己紹介を求められたメンバーは、韓国アイドルさながらの“指ハート”ポーズを決めながら、「うつけ坂49です!」と元気いっぱいに挨拶。このように、話題のトピックを素早く取り入れる敏感さと柔軟さに、スタッフ陣の変わらぬこだわりが感じられる。一方、「戦国炒飯TV」になってリニューアルされた部分も。MC陣によるミュージックトゥナイトのポーズが、右手でL字を作るポーズから、ミュージックの「M」とトゥナイトの「T」を両手で表すポーズに変更されている。
個性派が集まったうつけ坂49のメンバーをまとめる森蘭丸役の木津は、曲者ぞろいのメンバーにキビキビと指示を出しつつ、MC陣にも気配りを忘れないなど、“気が利くアイドル”を体現。しっかり者のキャプテン・長谷川秀一役の山崎は、テイクが変わるごとに見事なアドリブで対応し、そのたびに現場を和ませる。そんな2人に、かが屋がテンポ良く方言混じりのツッコミを入れ、アナウンサーの髙橋がにこやかに番組を進行していく。初めは少々肩に力が入っていたキャストたちだったが、撮影が進むうちに次第に緊張が解れてきたようで、舞台で共演経験のある木津、山崎、橋本らが休憩中に談笑する姿も見受けられた。
トークパート収録後、場所を変えて歌唱パートの収録へ。トーク中のワチャワチャ感はどこへやら、キリッとした表情で定位置に着いたメンバーたちは、織田信長から寵愛を受ける小姓の矜恃を歌ったデビューシングル「黒い小姓」で、力強いパフォーマンスを披露した。どことなく聴き覚えのあるメロディに、統率の取れたダンス、蠢くような動き、ピンスポットに照らされながら絶叫するセンターの森蘭丸……「ミュージックトゥナイト」のコーナーが今なお愛され続けている理由として、歴代アイドルの楽曲を彷彿とさせるキャッチーなナンバーを多く手がけた安部(作詞)×奥村愛子(作曲)コンビの功績が大きい。今後、うつけ坂のほかにも個性豊かなアーティストが続々登場するので、「ミュージックトゥナイト」そして「戦国炒飯TV」をお見逃しなく。