鈴木拡樹&歴代ゲストの椎名鯛造・黒羽麻璃央が語る「2.5次元男子推しTV」

鈴木拡樹がMCを務める人気番組「2.5次元男子推しTV」がシーズン5に突入。5月13日にWOWOWプライム・WOWOWオンデマンドで放送・配信が開始する。

2017年にスタートした「2.5次元男子推しTV」は、2.5次元ミュージカルに出演する俳優たちの素顔に迫るバラエティ番組。シーズン5の初回放送では、染谷俊之と北村諒がゲスト出演するロケ企画「DAY OFF」と、鈴木によるソロコーナー「新次元」がオンエアされる。

シーズン5の放送を記念した本特集では、MCの鈴木にシリーズのこれまでを振り返ってもらったほか、歴代ゲストの椎名鯛造と黒羽麻璃央に番組の見どころ、鈴木の“2.5次元男子“としての魅力について語ってもらった。

取材・文 / 興野汐里撮影(宣伝ビジュアル) / 高橋定敬

鈴木拡樹が語る「2.5次元男子推しTV」

普段知ることができない一面が見られる番組

──「2.5次元男子推しTV」の原点であるシーズン1では、鈴木さんご自身への密着に始まり、和田雅成さん、東啓介さん、植田圭輔さん、廣瀬智紀さん、崎山つばささんがさまざまなアクティビティに挑戦しました。シーズン1を振り返って、特に印象に残っている回はありますか?

まず、シーズン1の#1で地元の堺市に行かせていただいたことですね。このような機会があったら自分の地元を紹介したいと思っていたので、夢がかなってすごくうれしかったです。それから、和田雅成くんの回でボウリング対決をしたのも楽しかったですね。彼、本当はものすごくボウリングがうまいんですけど、当日はなぜか調子が悪くて(笑)。逆に僕は下手なのにそこそこうまくできちゃって、奇跡が重なった回でした。狙っていないのにあそこまで盛り上げられるのは本当にすごい。和田くんのスター性を目の当たりにした回でした(笑)。

──回ごとに俳優さんたちの個性が出ていますよね。シーズン2からは、鈴木さんとゲストによるロケ企画と、鈴木さんのソロコーナーの2本立てという構成に変更になり、荒牧慶彦さん、橋本祥平さん、鳥越裕貴さん、高崎翔太さん、須賀健太さん、太田基裕さんが登場しました。

俳優さんたちのロケ映像を観るのは、みんなの休日をのぞき見している感じがして楽しかったです。荒牧くんと卓球対決をしたのも新鮮でした。荒牧くんさえ良ければ、近々第2戦をやりたいくらい(笑)。あとは、須賀くんとDIYに挑戦した回も印象に残っていますね。須賀くんの発想力がすごくて面白かったですし、子供心を持ったまま大人になった感じっていうのかな。須賀くんらしさが出ていて素敵な回だったと思います。

鈴木拡樹

鈴木拡樹

──シーズン3からはゲストが2人以上登場する回が増え、さらににぎやかになった印象があります。その中でも特に思い出深い回はありますか?

#1で、1985年生まれの玉城裕規くん、和田琢磨くんと同い年の3人組でドライブしたのが楽しかったです。現場が一緒になったとき、「旅行に行きたいね」っていう話をすることがあるんですけど、なかなかかなわなくて。しかも人を誘うことが苦手なので、この機会に実現できてうれしかったですし、「ああ、みんなと旅行に行ったらこういう感じなんだ」って、みんなのラフな姿を見ることができて良かったです。

──番組開始当初は、鈴木さんが俳優さんたちのロケ映像をスタジオでウォッチする形式でしたが、シーズン2以降はご自身のソロコーナーに加えて、俳優さんたちのロケにも参加するようになりました。さまざまなアクティビティに挑戦するのはやはり刺激的でしたか?

俳優の皆さんと一緒に旅をすることで、お芝居の現場では知ることができない一面を見られたのが大きな収穫でしたね。例えば、黒羽麻璃央くんと一緒に水族館へ行って、彼のイチオシの生き物がチンアナゴだということを知りましたし、それをきっかけに僕自身もチンアナゴについて調べてみたりして(笑)。人の感性に触れることで、新しい扉が開けた気がしました。

──チンアナゴに興味津々な鈴木さん、とても可愛らしいです(笑)。そして1作前のシーズン4には、鈴木さんと公私共に親交のある椎名鯛造さんが出演しました。椎名さんはシーズン1の#1で放送された公開収録にも参加されています(参照:「2.5次元男子推しTV」公開収録、鈴木拡樹&椎名鯛造が仲よしトーク)。

鯛造くんからずっと「いつロケに連れて行ってくれるの?」「僕、空を飛びたいんだよね!」と言われていたので、1つ使命が果たせました(笑)。シーズン4には、#4に出演してくれた鯛造くんや鮎川太陽くんのほかにも、自分の原点になった作品でご一緒した人たちが登場してくれて。僕のデビュー作で主演を務めていた村井良大くんや、お芝居を始めたいと思うきっかけになった少年社中の毛利(亘宏)さんとお話しすることができて、自分の原点を見つめ直すことができたと思います。

鈴木拡樹

鈴木拡樹

一番感動したアクティビティは…

──一方、鈴木さんのソロコーナーでも、舞台の小道具制作、アクションに合わせて効果音をつけるアクションサンプリング、乗馬、フラワーアレンジメント、空中ヨガなど、さまざまなアクティビティに挑戦されています。

不器用だからこそ自分のチャレンジコーナーが成り立っていると思うんですけど、まったくできない姿をお見せしたらどうしようっていう葛藤もあって(笑)。やっぱり一番感動したのはマジックですね。「手先が器用じゃないからマジックは無理かも」と諦めるんじゃなくて、やり続けることでなじんでいくこともある。それって、俳優業やほかのお仕事にも通じるところがあると思うんですよ。あと、石を積み上げるロックバランシングは、精神的な修行に近いものだと思いました。「これは絶対に乗らないだろうな」っていう状態が続くんですが、感覚が研ぎ澄まされていくうちに「あっ、これはいけるぞ!」と思える瞬間が一瞬だけ訪れるんです。画的には地味だったかもしれないんですけど(笑)、石を積むことができたときはすごく気持ち良かったですね。お芝居もそうですが、いろいろな物事は“発信”と“受信”で成り立っているんだなっていうのを感じました。ただ単に音を拾う作業をするのではなく、身体全体を使って相手の呼吸を感じながら会話すると、お互いに通じ合った演技ができるというか。

──「2.5次元男子推しTV」での経験が俳優業にも生かされているんですね。そのほかにも、この番組を通じて発見したご自身の新しい一面があれば教えてください。

改めて、自分は不器用なんだなということを痛感しましたね(笑)。一方で、どんな物事もわりと積極的に楽しめたり、どこまで突き詰められるかチャレンジすることが好きなタイプなので、もし俳優ではなく別の職業に就いていたら、それにのめり込んでいたのかなと考えたりもしました。回を重ねるたびにいろいろな可能性があって、すごく楽しかったです。

“2.5次元男子”たちが羽ばたくきっかけに

──5月13日にはついにシーズン5がスタートします。#1では海釣りにチャレンジしたそうですね。

これまで小さなボートで海に出たことがなかったので、船酔いでロケ続行不可能になったらどうしようと思っていたんですが、無事に終えることができました(笑)。東京湾で熱いバトルを繰り広げていますので、ぜひ見届けていただければと思います。

「2.5次元男子推しTV シーズン5」#1より。

「2.5次元男子推しTV シーズン5」#1より。

──“大物のスズキ”を釣り上げることができたのか、非常に楽しみです(笑)。また、今回のシーズン5で初めて「2.5次元男子推しTV」をご覧になる方々に向けて、番組の“推し”ポイントを教えていただけますか?

視聴者の方々は普段、僕たちが役を演じている姿しか観る機会がないと思うので、「こんな人たちが2.5次元ミュージカルに情熱を注いでいるんですよ」ということをお伝えできればと思っていて。俳優さんたちの素の部分を知ってもらって、そこから舞台に興味を持ってもらえたら良いなと思いますし、「『2.5次元男子推しTV』で観たあの人、こんな演技をするんだ!」と知ってもらうきっかけ作りができたらうれしいですね。

──鈴木さんのお話を伺っていると、2.5次元ミュージカル業界、ひいてはエンタテインメント業界をさらに盛り上げていきたいという気概を強く感じます。そんな鈴木さんが考える、“2.5次元男子”たちの魅力とは?

共通しているのは、みんなお芝居が大好きだということと、それぞれが熱意を持っていることではないでしょうか。お客さんを第一に考えている人、作品の世界に入るためにはどうしたら良いかを最優先に考えている人、さまざまなタイプの方がいますが、ゲストの皆さんのお話を聞くことで、自分自身の中で凝り固まっていた考え方が柔軟になったと思います。

鈴木拡樹

鈴木拡樹

──鈴木さんご自身にとっても良い刺激になっているんですね。それでは最後に、シーズン5に向けた抱負をお聞かせください。

シーズン5までやらせていただけるとは想像していなかったので、本当に感無量です。シーズン2の#2で、橋本祥平くんがドラムにチャレンジしたことがあったんですが、そのあと彼が実際にドラムを始めたと聞いて、すごくうれしかったんです(編集注:橋本はボーイズバンドプロジェクト「from ARGONAVIS」で、Argonavisのドラマー・白石万浬役を演じている)。そんなふうに、この番組での経験を通して、俳優の皆さんが新しい世界に羽ばたいて行ってくれたら良いなと思っています。もちろん視聴者の皆さんの“推し”もご紹介していけたらと思っているので、おすすめの役者さんがいたらぜひ教えてください。今シーズンもお楽しみに!

プロフィール

鈴木拡樹(スズキヒロキ)

1985年、大阪府生まれ。2007年に放送されたテレビドラマ「風魔の小次郎」でデビュー。2008年に上演された「最遊記歌劇伝 -Go to the West-」で主演を務めた。以降、「舞台『刀剣乱舞』」シリーズ、「舞台『弱虫ペダル』」シリーズ、「劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season月 下弦の月」などに出演。6月に舞台「死神遣いの事件帖 -幽明奇譚-」、10月に舞台「アルキメデスの大戦」、2023年に「最遊記歌劇伝-外伝-」の公演を控える。2022年冬公開の映画「死神遣いの事件帖 -月花奇譚-」、2023年公開の「映画刀剣乱舞-黎明-」に出演予定。