今の座組だからこそできるコントがある
──オープニングコントを入れて7本。ほかに印象深いネタ、お気に入りのネタはありますか?
森田 僕は「野球人生」が一番好きですね。あと「それでもボクはやってない」。どっちもブクロのよさが出ているのと、設定も気に入っています。賞レースにもし持っていくならこの2本、というネタです。
──「野球人生」は「THE CONTE」(フジテレビ)で披露していましたね。
森田 もともと14分くらいあるのを5分半にしなきゃいけなかったんですよ。なのに、本番終わって降りてきたらスタッフさんが「8分やってました」と(笑)。「すんません!」って言ったんですけど、寛大な番組やったのでそのまま流してくれてありがたかったです。
東ブクロ 「野球人生」は今までにない手法でしたし、舞台で下ろす一発目までは怖かったんじゃないですかね。これがウケたのは大きな収穫になったんやろうなと思います。あと、やったことないタイプで言うと「パリヴィ」。音楽が爆音で流れている状態でコントすることがなかったので、かなり難しかったです。
森田 果たして本当にウケてるか、僕らはわかんないんですよ。笑い声があんまり届いてこなくて。終わってからスタッフさんとか(マネージャーの)ヤマネさんから「めっちゃウケてんねんで」って言われて初めて安心する感じやったよな。
東ブクロ あまりやったことがないという意味ではこの2つは新鮮でしたし、幅が広がったんじゃないかなとは思いますね。
森田 確かに、この2つのネタは今の座組(さらばの単独ライブチーム)になったからやれたネタやなと思います。規模が大きくない頃の座組だったら絶対に諦めてたと思うので、やれてよかった。
売れたときこそこれをやめたらあかん
──少し変なことを聞くのですが、プレイヤー専門の東ブクロさんはウケたときにどういう気持ちになるんですか? というのも、今のお話を聞いていたらご自分のこと以上に「森田やったよ! ウケたよ!」みたいなマインドが強いのかなと思いまして。
森田 あっはっはっは(笑)。「森田、俺にウケさせてくれてありがとう」的な?
──「森田のネタを俺がちゃんとお客さんに伝えたぞ!」というような感じなのかなと。
森田 「俺が表現したぞ! お前の頭の中を!」。
東ブクロ いやいやいや、そんなことはまったく思ってないです(笑)。正直言うと、無ですよ。うれしさもないし。
──えっ本当ですか?
東ブクロ というか、「スベらんでよかったなあ」です。逆に怖さしかないんですよ。僕がネタ考えたわけでもないし、やり方によってウケさせてるわけでもないですから。ネタを作ってるほうにはわからないでしょうけど、「うれしいな」とかはそんなにないです。
──ええー?
東ブクロ 「うまく演じられたな」とかも思わないです。「とりあえずスベらんでよかった、ミスらんでよかった」が大きいです。
森田 かもめんたるの槙尾さんくらいマシンみたいなことを言うなよ!
──ではなぜ単独ライブをこんなにもがんばって、24公演もやっているんですか?
東ブクロ いやあ、「やる」言うからね? やらなしゃあないじゃないですか。まだサボってへんだけマシですよ。
──これは森田さんにもお伺いしたいことでもあります。インタビューなどを読むに、「楽して稼ぎたい」とお笑いの道に進んだんでしたよね? 単独ライブはその対極にある仕事のような気がしますが。
森田 本当そうです。マジで。
──そんな森田さんが、忙しい中これほど労力のかかる単独ライブを続ける理由は?
森田 テレビスターに憧れて、高田純次さんみたいになりたくて入った世界で、現状テレビのお仕事もわりといただいていて、本当はそれでいいんですよね。でも、自分たちの未来を考えたときに、ここをサボることが一番飯食えなくなるんじゃないかっていう感覚がなんとなくあって。だからやってるっていう感じです。
──未来のために今がんばっておく。
森田 そうですね。あと、テレビスターにはなれないんだろうなとなんとなく感じたときに、自分らのストロングポイントを改めて考えて「やっぱりネタだな」となったんですよ。今あるテレビの仕事がなくなってもこっちで食っていけるっていう心の拠りどころになっているものがネタだから、ここをサボると全部がダメになる気がしていて。いや、本当はやりたくないですよ? 本音の本音で言うと(笑)。この世界入ったときは「売れたらネタなんかやらんでええねん」と思っていましたけど、今ちょこちょこテレビに出させてもらうようになって改めて考えると、売れたときこそこれをやめたらあかんようになる気がする。それはブクロにもあるはずです。
東ブクロ いや、ほんまそれで言ったら、さまぁ~ずの三村さんとしゃべらせてもらったときに、「2年に1回単独ライブするのキツないですか?」って聞いたんですよ。「しんどいのはしんどいけど、楽しいよ」と言わはって、「あ、この人は俺と違うんや」と思いました。「この年齢でまだ楽しめてんねや!」と。勝手なイメージですけど、僕と同じ感覚の人なんじゃないかと思っていたので。
──いやいや、東ブクロさんも楽しさありますよね?
東ブクロ お客さんが観に来てくれるっていうありがたさはありますけどねえ。
森田 まあ照れ屋ですから、ブクロは。こういうインタビューで本音は言わないので。どっかでは楽しんでると思いますよ(笑)。
──そうですね。それはきっとファンのみなさんもわかっていると思います。最後に、前回のインタビューで「7回目の単独を見据えている」「ドン!というキャパを叩き出したい」とおっしゃっていて、次がその7回目なわけですが、それに向けて今どんなモチベーションを持っているでしょうか?
森田 いつもより、この10月の時点でみんなの気持ちが高まっていると思います。この間「すご六」の打ち上げしたときに、もう次の話をけっこう熱量高めでしゃべっていましたから。「7」って縁起のいい数字だから、感覚ですけどなんとなくうまくいくような感じがみんなの中にあるんですよ。“パチンコ勝ちそうな日”の感じというか(笑)。うまくいくんじゃないかなって勝手に思ってます。
──東ブクロさんも楽しみですか?
東ブクロ 公演数だけちゃんと考えてくれよっていう。僕はそこだけですね。
森田 どんどん規模を大きくしたいって言ってるんやから、公演数は多なるに決まってるやろ!
イベント情報
DVD発売記念オンラインイベント
日時:2023年12月16日(土)19:30~
応募方法:初回限定生産版に封入されている応募券でエントリー。
<出演者>
さらば青春の光
(株)ザ・森東 《第10期株主総会》
日時:2024年1月12日(金)
会場:東京・東京国際フォーラム ホールA
<出演者>
さらば青春の光
プロフィール
さらば青春の光(サラバセイシュンノヒカリ)
森田哲矢(モリタテツヤ)
生年月日:1981年8月23日
出身地:大阪府
東ブクロ(ヒガシブクロ)
本名:東口宜隆(ヒガシグチヨシタカ)
生年月日:1985年10月6日
出身地:大阪府
2008年8月結成。大阪で活動したのち2013年に上京し、個人事務所「ザ・森東」を設立する。第1回大会から出場してきた「キングオブコント」では6度決勝に進出した。「さらば青春の光がTaダ、Baカ、Saワギ」(TBSラジオ)ほか、レギュラー番組多数。YouTubeチャンネル「さらば青春の光Official Youtube Channel」でさまざまな企画やコントを公開している。
さらば青春の光Official Youtube Channel | YouTube