お笑いナタリー PowerPush - ナタリー×an 教えて!センパイ~あの頃のバイト生活~

劇団ひとりの場合

「家帰ってネタ書いてるほうが絶対有意義」だと気づいた瞬間

──恋愛以外で何か「バイトやっててよかったな」っていうことはありましたか?

そうだなあ。あんまりいい思い出ないなあ。

──お話聞いてると、けっこう自らきつそうなのを選んでますよね。

劇団ひとり

そうかもしれないですね。まあだから、人がやらなそうなやつやりたいっていうのはありました。今ふと思い出したけど、18歳のときかな。警備員のバイトしてて、給料日にもらった16万円、その日そのままパチスロで全部すったのを……今思い出しましたね……。

──あはははは。

本当に帰り道、ずっと地面見てました(笑)。金落ちてねえかって。あれほど自分を嫌いになった日はないです。この1カ月間自分が汗水流してたシーンが頭の中でスライドショーで流れてくるんですよ。

──昔の芸人さんだとよくそういう話聞きますよね。稼いだお金をお酒やギャンブルに使っちゃうとか。

ある程度になるまでは僕もそんな生活でしたよ。なんならそれがカッコいいと思ってた。「稼いだ分使うだろ、芸人は」って本気で思ってましたね。

──もしかしたら最後の世代かもしれないですね。若い芸人さんではそういう話って少ない気がします。

たしかにもう流行らないかもしれないですね。いや、僕も途中で「これ違うな」って思いましたよ(笑)。それを何年かやってて、途中からこんなことやってるよりも、家帰ってネタ書いてるほうが絶対有意義だと思って。それから生活が一気に地味になりました。

──どういう心境の変化だったんですか?

ただ単純に、もっと自制できる人間になりたいって思い始めたのがそのくらいかもしれないです。そういうのがあって、小説もその1年後くらいに書き始めたんだと思います。

日給5000円分の経験が将来5000万円になるかもしれない

──芸人さんに向いているバイトってありますか?

2つあると思うんですよ。いろんな人とコミュニケーション取る中で、人から何かネタになるようなものを引き出すっていうのもあれば、警備員とか、待ってることがメインの仕事。体は拘束されますけど脳は自由ですから、その間にいろいろネタを考えられるっていうのはありますね。意外と向いてないって言われてるのがショーパブとかのバイト。芸が水っぽくなる。しゃべりとかに水商売の匂いがついちゃうから、敬遠している人は多いです。

──最後にこれからバイトをする人に向けて、先輩としてメッセージをお願いします。

バイトの一番の特権は自由っていうことだと思うんです。当然順序を踏むっていうことは前提として、やってみて向いてなかったらやめればいいから、やりたいものをとにかくいっぱいやって、時給以上のものをそこで培うっていうのが絶対大事ですね。1日5000円しか稼げないかもしれないけど、将来的にはそこでの経験が5000万円になるかもしれないから。いろんなことを経験するっていうのが大事だと思います。

劇団ひとり
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「an」特設サイトではナタリーとの連動企画として、一般ユーザーから寄せられたバイトに関する悩みや相談にゲストが答えるコーナーを掲載。劇団ひとりにはインタビューとあわせて、さまざまな質問に答えてもらった。

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劇団ひとり(ゲキダンヒトリ)

劇団ひとり

1977年2月2日生まれ、千葉県出身。1993年デビュー。2000年にコンビ解散後、劇団ひとりとしてピン芸人に。2006年には「陰日向に咲く」で小説家デビュー。現在は「ゴッドタン」(テレビ東京系)、「OV監督」(フジテレビ系)、「幸せ!ボンビーガール」(日本テレビ系)、「中居正広のミになる図書館」(テレビ朝日系)などにレギュラー出演中。2014年5月に自身の小説を原作とした初監督映画「青天の霹靂」が全国公開された。太田プロダクション所属。


2014年12月26日更新