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ドラマ「べしゃり暮らし」演出・劇団ひとり|芸人っぽく見えるところまで、どうしても上げたかった

「ろくでなしBLUES」「ROOKIES」などで知られるマンガ家・森田まさのりの人気作「べしゃり暮らし」がテレビ朝日系でドラマ化。その演出を劇団ひとりが務めるほか、笑いに貪欲な学園の爆笑王・上妻圭右を間宮祥太朗が、高校生ながらも元プロ芸人の辻本潤を渡辺大知が演じる。

ナタリーではこのドラマが7月27日(土)に放送開始されるのを前に連載企画を実施中。その第3弾として、連続ドラマの演出を務めるのはこれが初となる劇団ひとりに話を聞いた。笑いや芸人を題材とした「べしゃり暮らし」に懸ける劇団ひとりの思いとは。

取材・文 / 成田邦洋 撮影 / ツダヒロキ

お笑いもののドラマなら納得してくれるんじゃないかな

──以前から「連続ドラマの演出をやりたい」とおっしゃっていたそうですね。

劇団ひとり

この十数年、「24 -TWENTY FOUR-」がきっかけで、海外ドラマばかり何千本と観てきました。とにかく毎晩のように観ている状況で「自分もドラマをやってみたいな」というのは数年前からありました。

──そこで「べしゃり暮らし」を演出されることになるわけですが、芸人の劇団ひとりさんには、うってつけの題材では?

そうですね。ドラマはやってみたかったけど、劇団ひとりにドラマをやらせる理由なんて普通に考えたらないよなあ、とも思っていたんです。たとえば「医療ドラマを劇団ひとりに撮らせよう」なんて人はいないじゃないですか?(笑) でも、たまたまテレビ朝日の人に「実はドラマがあって、お笑いものなんだけど、どう?」って聞かれることがあって、すごく自分の中で納得がいきました。それだったら視聴者の人も、僕が撮ることに対して納得してくれるんじゃないかなと。そういう流れで自然にこの仕事にたどりつけたので、不思議なご縁だなと思います。

──原作のマンガについてのご感想は?

僕が知る限り、マンガの中に出てくるお笑いって、寄席みたいなところで蝶ネクタイを付けて「なんでやねん!」って言ってるような世界が多い。でも「べしゃり暮らし」には、お笑いの等身大の若手事情が細かく描かれていますよね。それでいてエンタテインメントに昇華されているので、ある意味、革命的なマンガなのかなと思いました。

劇団ひとり

──作者の森田まさのりさんも実際に「M-1グランプリ」に出場されています。

すごいですよね! 巨匠と呼ばれる立場なのにちゃんと自分で汗水流して取材されているというのは。見習わなきゃいけない。

──そんな「べしゃり暮らし」のドラマ化にあたって、演出として具体的にどういったことをされているのでしょうか?

基本的には、役者さんにどういうお芝居をしてもらうかを考える。それと、どういう画を撮ってほしいのかをカメラマンやスタッフに伝える。こういったことが主な仕事です。現場でいろいろと相談しています。

──ひとりさんの芸人としての経験はどのあたりに生かされているでしょうか?

「べしゃり暮らし」メイキング写真。左から渡辺大知、間宮祥太朗、劇団ひとり。

ネタ作りですかね。事務所の先輩のヤマザキモータースさんと後輩の火災報知器・小林に作家として入ってもらって、僕も含めて一緒に作っています。漫才のシーンがすごく多くて、コントもあるんですけど、細かいものを含めるとネタは全部で20本くらい。もちろん原作に描かれているネタを題材として、ちょっと足りない部分とか時代背景が合わないものなどは手直ししています。

──主演の間宮祥太朗さんと渡辺大知さんのコンビがドラマの基軸になると思うのですが、この2人の芸人ぶりはどうご覧になっていますか?

2人とも本当にすごく努力家で、お笑いライブも見に行って研究したみたいで、さまになっています。物語と同じように2人が成長していく感じが面白いです。

土曜ナイトドラマ「べしゃり暮らし」
テレビ朝日系 2019年7月27日(土)放送スタート
毎週土曜 23:15~24:05
ストーリー

幼い頃から人を笑わせることが大好きで、笑いのためならなんでもする学園の爆笑王・上妻圭右。ある日、彼が通う高校に関西出身の辻本潤が転校してくる。圭右は昼の校内放送に辻本を引き込み、絶妙なかけ合いで学校中に大爆笑を沸き起こすのだった。時にぶつかり合うも、やがて漫才コンビ・きそばAT(オートマティック)を結成し、厳しいお笑いの道へと踏み出すことになる2人。しかし、お笑い嫌いである圭右の父・潔や、辻本が過去にコンビを組んでいた鳥谷静代の存在が彼らの行く先に立ちはだかる。

スタッフ / キャスト

原作:森田まさのり 「べしゃり暮らし」(集英社)

脚本:徳永富彦

演出:劇団ひとり

出演:間宮祥太朗、渡辺大知、矢本悠馬、小芝風花、堀田真由、駿河太郎、尾上寛之、徳永えり、寺島進ほか

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劇団ひとり(ゲキダンヒトリ)
劇団ひとり
1977年2月2日生まれ。千葉県出身。太田プロダクション所属。 コンビとして1993年にキャリアをスタートし、2000年のコンビ解散後にピン芸人となった。2006年に「陰日向に咲く」で小説家デビュー。自身の小説を原作とした初監督映画「青天の霹靂」が2014年に公開された。2019年、「べしゃり暮らし」で連続ドラマの演出を初めて務める。