マヂカルラブリーM-1優勝会見、野田クリスタルが三冠宣言「お笑い王になりたい!」

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マヂカルラブリーが昨日12月20日、ABCテレビ・テレビ朝日系で生放送された「M-1グランプリ2020」で優勝し、第16代王者となった。この記事では東京・テレビ朝日内で行われた優勝記者会見の様子を伝える。

「M-1グランプリ2020」王者のマヂカルラブリー。

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「M-1グランプリ2020」王者のマヂカルラブリー。

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マヂカルラブリーは野田クリスタルと村上の2人組で「M-1」は2017年以来、今年が2回目の決勝進出だった。決勝の舞台にはオズワルド、ニューヨーク、おいでやすこが、マヂカルラブリー、東京ホテイソン、アキナ、錦鯉、ウエストランド、見取り図のファイナリスト9組と敗者復活を勝ち抜いたインディアンスの10組が登場。最終決戦では、見取り図、マヂカルラブリー、おいでやすこがの順にネタを披露し、審査の結果、マヂカルラブリーが3票を獲得して頂点に立った。

マヂカルラブリー コメント

──優勝おめでとうございます! まずは率直な気持ちをお聞かせください。

マヂカルラブリー

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村上:もちろんうれしいと言いたいですけど、まだ何も飲み込めてないです。喜びよりも、どうしちゃったんだろう?というほうが大きいです。じわじわと“来る”とは思うんですが、無の状態に近いです。

野田:いろんな漫才があったな、って思いました。正直おいでやすこがさんが優勝しても、とんでもないことになってた。(自分たちの)漫才中、あんなにしゃべってなかったので、僕らでよかったのかと。でもチャンピオンとして自覚を持ってます。俺はチャンピオンです。文句は言わせません。あれは漫才です! 僕らの!

村上:あれは漫才ということになりました。

──生放送の最後に野田さんが「えみちゃんやめないで!」とおっしゃっていましたが?

野田:今日は上沼(恵美子)さんに怒られた組がいなかった。毎年、誰かは怒られてるんですけど。僕は(オープニングで上沼が言ったように)本当にやめちゃうつもりなのかな?と不安になっちゃいまして。でも僕らは(2017年に)最下位で、(当時の上沼とのやりとりで)“ああいうこと”があって、優勝。絶対に必要な存在だと思うのでやめないでほしいです。

──予選からの厳しい戦いを振り返っていかがですか。無観客の会場もありました。

村上:今年は例年より1つ予選が少なかった。みんないつもとは違う戦い方をしていた。2回戦に強めのネタを持っていくとか。そのへんはいろいろ考えてやりました。

野田:僕が(優勝した)「R-1ぐらんぷり」の決勝を無観客でやったもんですから、無観客を経験してたのが強かったかもしれないです。(おいでやすこがの)おいでやす小田さんも経験してたから最終決戦に残れたのかも。つながってきましたね、全部が。お客さんが少ないほうがやれる人たちなのかもしれないです。

──野田さんが「R-1」と「M-1」優勝、どちらも今年2020年に成し遂げられました。こういった結果を残せた要因は?

記者会見に登場するマヂカルラブリー。

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野田:「R-1」優勝は間違いなく“火種”になったと思います。「今年から、ちゃんと死ぬ気でやり出したから」かもしれないです。手は抜いてないんですけど、このままじゃマズイと。

──具体的なご自身の変化は?

野田:今まではどこかお客さんを笑わせなくても自分たちが面白いんだ、みたいなネタが多かったけど、ちゃんとウケたら票を入れてくれると信じていたので。それは上沼さんも。そこは意識していました。

村上:野田が「R-1」を獲ってくれたことから、すべてが始まってる。「R-1」を獲るために野田はピンネタの単独ライブもやってましたし。コンビで2017年以降「M-1」決勝に行けなかったので、そこは俺ががんばらなきゃと。ピンでがんばってくれたおかげでコンビで優勝できてるんじゃないかなと思います。

──(決勝でやらなかった)2回戦のネタも今日の決勝のネタも、どういう見せ方を考えてこられたのでしょうか。

野田:(以前と比べて)そんなに変わってないんですよね、ネタ自体は。ちょっとずつ大舞台にも慣れてきたのはデカかったかもしれないです。

村上:3年前に決勝でやらせてもらったネタは、老若男女の方たちがいる寄席のようなところではウケなかった。今年は皆さんが笑えるネタになってるかなと。そういうネタを選ぶようになってます。

野田:2本目のつり革のネタが、だいぶ(ウケが)危ない日はあるんです。僕ら、大宮の劇場(大宮ラクーンよしもと劇場)で活動してるんですけど、大宮の劇場って客席からは芸人の膝から下が見えなくなるんですよ。だから2本目のネタは僕、途中で“消える”んです。大宮で強くなったかもしれないんです。見事に1本目のフレンチのネタは後半尻すぼみというのは(審査員などに)見抜かれてしまいました。一か八か、瞬間最大風速にかけてみました。

──今の気持ちを一番に伝えたい人は?

野田:ハムスターを飼ってまして、名前が「ハムハム」。すごくかわいくて今日も一番豪華なエサをあげました。ハムハムもこれを観てると思います。家に帰って真っ先に伝えたいです。

村上:わかってないよ! 漫才とか大会とか。僕はグランジ大さんに、吉本に入ってからずっとお世話になってます。一番最初に顔が浮かびます。

──特に2本目のネタは野田さんがあまりしゃべらないスタイル。どういうきっかけで生まれたネタでしょうか?

野田:芸歴を重ねるたびに、僕の口数も漫才の中で減ってました。ああいう感じでしゃべらないネタが、ほかにもある。そっちを突き詰めていくと、こんなことになってました。

村上:バカバカしいほうにいったという感じ。それでなぜ口数も減るのかわからない。

野田:僕も、もっとしゃべりたいんですけど、僕ら的には動きのほうが好きなのかなと。でも、しゃべくり漫才もありますよ! そこを忘れないでいただきたいです! ラジオとかもできますんで!

──決勝で2本のネタを揃えるのは難しいと思います。お二人が準決勝で見せたつり革のネタを2本目に持ってきた理由は?

村上:どっちを先にやるかは今回「笑神籤」が引かれる寸前まで迷ってました。

野田:おいでやすこがさんがネタやってるのを見てるときに決めました。

村上:最初はフレンチのネタを1本目にやろうと思ってたけど、途中で野田さんが「逆(つり革を1本目)にしよう」と言い出して。

最終決戦でネタを披露するマヂカルラブリー。

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野田:ニューヨーク、見取り図、おいでやすこがさんが高得点を出した。ただ、どうしてもつり革のネタを決勝でやりたかった。やらずに終われなかったんです。やって散りたかった。(フレンチを1本目にしたのは)ギャンブルでした。賭けました。結果的に優勝できましたけど、どうなるかわからなかったです。

村上:僕は優勝の目が残るのは「フレンチが先、つり革があと」とは思っていて。結果論だけど、そうなってよかったと思いました。

──上沼さんが最終的に、おいでやすこがさんに票を入れたことについては?

野田:上沼さんが最後にしれっとおいでやすこがさんに入れていたほかに、最初のフレンチの審査で「これ、オール巨人師匠と僕で“第2章”(の因縁)が始まるのかな?」っていう不安があったんですけど、最終的には褒めていただいて点数も付けていただいた。2017年は松本(人志)さんもドサクサに紛れて低い点数だった。今年笑ってくれてる感じはあってうれしかったです。僕、松本さんの生まれ変わりだと思ってるので。同時存在しちゃってるんですけど。

村上:さっき一緒にいたからね。生まれ変わりと本物と。

野田:だから上沼さんと松本さんがおいでやすこがさんに票を入れたのは心残りではあるんですけど、これで終わりじゃないんで。いろんな大会がありますから。僕、お笑い王になりたいんで。(「R-1」「M-1」「キングオブコント」で)史上初の三冠獲ります!

村上:まあ、やるっていうんなら付き合いますが。

野田:「キングオブコント」、一生出られます。芸歴制限がありません。一生挑戦してやります! 三冠、俺が獲るんだ! 休まねえ! 俺は止まらねえ!

──舞台裏で優勝が決まった瞬間、ほかのファイナリストの皆さんからも歓声が上がっていました。

村上:東京勢の優勝が2015年(トレンディエンジェル)からなかった。今年はファイナリストに東京勢が多くて、「どうだ東京、面白いだろう」っていうのが見せられたのがうれしいです。

野田:前のコンビも合わせて16歳から「M-1」にチャレンジしてきて落ち続けてきた。村上も前のトリオで挑戦してきた。すげー長くて。3年前の最下位って、並の最下位じゃない。お笑いやめてもいいくらいの最下位だったんですよ。

村上:野田が楽屋に戻った瞬間に「もう漫才やれないかも」って言いました。

野田:そこで1回沈んで、「キングオブコント」の決勝に行って「俺らやっぱりコントなのかな」って思ってたら、7位。そこから「R-1」を獲って今に至る。けっこういろんなことがあったのが、皆さんうれしかったのかもしれないです。

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「M-1グランプリ2020」ファイナルステージ審査結果

上沼恵美子:おいでやすこが
松本人志:おいでやすこが
中川家・礼二:マヂカルラブリー
立川志らく:マヂカルラブリー
ナイツ塙:見取り図
サンドウィッチマン富澤:マヂカルラブリー
オール巨人:見取り図

最終順位

1位:マヂカルラブリー(最終決戦3票 / 649点)
2位:おいでやすこが(最終決戦2票 / 658点)
3位:見取り図(最終決戦2票 / 648点)
4位:錦鯉(643点)
5位:ニューヨーク(642点)
5位:オズワルド(642点)
7位:インディアンス(625点)
8位:アキナ(622点)
8位:ウエストランド(622点)
10位:東京ホテイソン(617点)

ファーストラウンド得点

インディアンス

625点(上沼恵美子 93点 / 松本人志 90点 / 中川家・礼二 90点 / 立川志らく 89点 / ナイツ塙 85点 / サンドウィッチマン富澤 89点 / オール巨人 89点)

東京ホテイソン

617点(上沼恵美子 92点 / 松本人志 86点 / 中川家・礼二 88点 / 立川志らく 89点 / ナイツ塙 85点 / サンドウィッチマン富澤 91点 / オール巨人 86点)

ニューヨーク

642点(上沼恵美子 94点 / 松本人志 92点 / 中川家・礼二 91点 / 立川志らく 91点 / ナイツ塙 93点 / サンドウィッチマン富澤 93点 / オール巨人 88点)

見取り図

648点(上沼恵美子 95点 / 松本人志 91点 / 中川家・礼二 93点 / 立川志らく 93点 / ナイツ塙 93点 / サンドウィッチマン富澤 92点 / オール巨人 91点)

おいでやすこが

658点(上沼恵美子 94点 / 松本人志 95点 / 中川家・礼二 95点 / 立川志らく 96点 / ナイツ塙 93点 / サンドウィッチマン富澤 93点 / オール巨人 92点)

マヂカルラブリー

649点(上沼恵美子 94点 / 松本人志 93点 / 中川家・礼二 96点 / 立川志らく 90点 / ナイツ塙 94点 / サンドウィッチマン富澤 94点 / オール巨人 88点)

オズワルド

642点(上沼恵美子 92点 / 松本人志 88点 / 中川家・礼二 95点 / 立川志らく 93点 / ナイツ塙 95点 / サンドウィッチマン富澤 91点 / オール巨人 88点)

アキナ

622点(上沼恵美子 92点 / 松本人志 85点 / 中川家・礼二 91点 / 立川志らく 90点 / ナイツ塙 87点 / サンドウィッチマン富澤 88点 / オール巨人 89点)

錦鯉

643点(上沼恵美子 93点 / 松本人志 89点 / 中川家・礼二 92点 / 立川志らく 95点 / ナイツ塙 95点 / サンドウィッチマン富澤 92点 / オール巨人 87点)

ウエストランド

622点(上沼恵美子 92点 / 松本人志 90点 / 中川家・礼二 90点 / 立川志らく 86点 / ナイツ塙 85点 / サンドウィッチマン富澤 91点 / オール巨人 88点)

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(c)M-1グランプリ事務局

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