ヨネダ2000、同期の優勝「うれしいしかない」
──ここから
井口 ヨネダは前回の「M-1」で一緒に戦ったメンバーで唯一、インタビューとかで僕のいい情報を言ってくれてるよね。
愛 事実ですからね。
誠 初めて会ったときから目線を合わせてくださったので。
井口 身長が一緒なだけなんだよ!(笑) 同じ身長の男性を見たことがなかったら、絶対しゃがんでくれているに違いないって思ってるかもしれないけど。
愛 初めて会ったのは準決勝のときです。
井口 なんの話したっけ?
愛 「身体が凝ってんだよ!」って言ってました。
誠 ほとんどしゃべったことなかったのに、「もうすぐ始まるね。身体が凝ってんだよ!」って言ってました。
井口 え、こわ! 全然いい奴じゃないじゃん(笑)。とにかくあのとき腰痛だったんだけど、優勝した瞬間に治ったんだよ。
誠・愛 えー!
井口 「M-1」優勝したらあらゆる病が治るから(笑)。
誠・愛 優勝したい!
誠 愛さん捻挫してるもんね。
愛 8カ月捻挫してるんで。
井口 それは優勝するしかないよ。ヨネダは
誠 どういう気持ちになるかなって自分も思ってたんですけど、「本当にうれしい」が一番でしたね。
愛 トップバッターになったときは「うわあ……」と思いましたけど。
井口 交流ってあるの?
愛 同期ライブとかがあって、そこでネタを見せ合ったりもしていて。
井口 それで言うと、僕も
誠・愛 わかりました(笑)。
ヨネダから井口に質問「好きな季節は?」
──ヨネダ2000のお二人には、いくつか質問を用意してきていただきました。井口さんはこれに全部答えてください。
愛 好きな女性の仕草は?
井口 この連載でも僕が「感動して泣かない」っていう話になったんだけど、そう思うと、泣きそうな場面で泣かない女性。例えば、卒業するアイドルとかがラストライブで泣いてないほうが好きになるなと思って。
【参考記事】井口が感動で泣かない話「2023年9月のお笑い」
飯塚 あはははは!(笑)
愛 涙を我慢できる強さってことですか?
井口 そうそうそう。なんで涙でしか感動を表せないのっていう、その浅はかさが嫌いだから。……こんな質問しかないのかよ!?
愛 じゃあ続いて、好きな季節はありますか?
井口 夏。
誠 えー! 一緒一緒! なんでですか?
井口 なんか、明るい時間が長いし、楽しいじゃん。僕めちゃくちゃ暑がりで汗かきで、寒さにはとにかく強いけど、それでも夏のほうが好き。
誠 井口さんがそういう方とは思っていませんでした。「秋、秋、秋、秋! 気温がちょうどいいから!」みたいな方だと(笑)。
井口 どういう奴だよ(笑)。
飯塚 井口くんは季節に持論があるからね。
井口 秋なんかないから。日本にはもう冬と夏しかない。冬と夏が交互に来ているだけ。
編集部注:井口の季節に関する持論は「ぶちラジ!」で聞ける。
誠 「我々のことをどう思っていますか?」。たまに「ヨネダわかってる=お笑いわかってる」みたいな意見を目にすることがあるんですけど、どう思えばいいんだろうっていう。
井口 ヨネダはちゃんと自分たちの世界観があるし、うらやましいけどね?
飯塚 みんなが褒めるから大変だろうなとは思いますね。アドバイスを求めても「そのままでいいよ」とか言われて、困っちゃいそう。
愛 確かに、よく言われます。
井口 褒められるのが嫌だからって下に潜り込むのも違うもんね。僕はその手法を使って、「ネタに定評がない」とか「後輩が単独ライブを観に来ない」とか、さもおおごとのように言って下に潜り込んでる。チャンピオンとして扱われたら嫌だし。ただ、これを言い続けた結果、本当に誰からも尊敬されないし絶対審査員のオファーとか来ない感じにはなっちゃったけど(笑)。ヨネダはどうなりたいとかあるの? ずっと劇場で、なのか、テレビで活躍したいとか。
誠 劇場にいっぱい出て、テレビいっぱい出たいです。
愛 「M-1」チャンピオンにもなりたいです。
──次の質問が最後です。
誠 「今、一番何をしているときが楽しいですか?」を答えたあとに、「性格がよさそうなひらがな」を教えてください。
井口 逆に、何してるときが楽しいの?
誠 新ネタの漫才です(キリッ)。あ、言ってることは本当です。
井口 顔がふざけてただけ?(笑) そうなんだ。いや、この質問、僕が聞きたいよ。なんにも楽しくないんだから。今みたいなときは楽しいよ。芸人と話しているときが一番楽しいから、いつも「終わるな」って思ってるし。
愛 この間も「舞台には出たくないけど楽屋にいたいんだよ!」って言ってましたね。
井口 楽屋ってめっちゃ楽しいじゃん。ずっと楽屋にいたいから、「このあとネタやるのめんどくせー」ってなる(笑)。
飯塚 楽屋にいる権利を獲得するためにネタをがんばってる(笑)。
井口 そうです。楽屋でいばるためには「M-1」優勝するしかないので。許されるなら楽屋にずっといたい。
愛 じゃあすみません、そろそろ「性格がよさそうなひらがな」を……。
井口 えー……「ひ」! なんか、丸っこいから。
誠 だったら私は「も」です。なんでもキャッチしてくれそうな柔らかい感じ。
井口 トゲのところが刺さりそうじゃん!
愛 「の」のほうが丸っこくないですか?
井口 「の」ねぇ。でもちょっと最後のところが尖りすぎじゃない? ……なんなんだよ、この話!
誠 聞きたかったことが聞けてよかったです。
愛 ありがとうございました!
ラブレターズと井口とコアラ動画
井口
塚本 楽屋で観てただけだけどね(笑)。
井口 でも記事にはなってるから。
井口 ラブレターズとは初めて出たライブのネタ見せから一緒で、そのときの作家が飯塚さん。令和ロマンとかももちろん仲間ではあるけど、ラブレターズは本当の同期。
溜口 ややこしいなあ(笑)。
井口 どうだったの? 7年ぶりの「キングオブコント」決勝は。「返り咲くのがすごい」って言ってるけど、7年ぶりって!
溜口 7年はやばいよね。周りのコント師、この7年で誰もいなくなったから。
塚本 残った
井口 だから、優勝しそうだったんだけどね。
溜口 うちらもそう思ってたよ(笑)。前評判が高かったのか、決勝前からけっこう仕事が決まっていて、「ラヴィット!」の「耳心地いい-1グランプリ」でも2位で、いい流れではあったんだけど、本番ガチガチになっちゃって。
井口 決勝の直前に楽屋に行って、いろいろ話したんですよ。
溜口 その密着にも映ってたね、井口くん。
井口 あれは本当にカメラがあるとは知らずに行ったけどね? たまたまあったから、カメラが。僕らの「M-1」優勝、三四郎の「THE SECOND」での活躍とかがあったから、さすがにラブレターズかジグザグジギーが優勝するんだろうなと思ったら、全然優勝しなかった。
塚本 全然って言うなよ!(笑)
井口 僕らと同じ10番目に出てきたら、優勝すると思うじゃん。10番目に出てくんなよ! 予選ではめちゃくちゃウケてたんですよね?
飯塚 準決勝は一番ウケてたと思う。
溜口 飯塚さん、僕らのネタ見て泣いたんですよね(笑)。
飯塚 泣いた(笑)。「あー決勝行くー」と思って。2本目のネタはいい話でもあるし、うれしくて泣いた。
溜口 でも、決勝後はけっこういろんなお仕事いただけて。
井口 「チャンスの時間」で、僕が感動して泣くかどうか検証する企画も一緒に出たしね。それの裏話ですけど、僕を泣かせるためにためちゃんが持ってきた動画が面白すぎて! 赤ちゃんコアラが人間に助けを求める様子にAIの声で説明が入っている動画なんですけど、楽屋に戻ってから笑いが止まらくなりましたよ。しかもAIの声で「チャンネル登録お願いします」って。なんでチャンネル登録してほしいんだよ? たまたま困ってるコアラを助けた動画のはずなのに(笑)。
(しばらくコアラの動画の話題で笑っている3人)
溜口 楽屋でもずっとこの動画の話をしてたんですよ。で、せっかくこの2組が揃ったからとマネージャーさんが写真を撮ってくれたんですけど、みんな過去イチのいい笑顔で(笑)。
井口 あれは笑ったなあ。というか今泣いたよ、面白すぎて(笑)。2023年一番笑ったかも。爆笑が爆発したもん!
「コアラ 感動」
過去イチのいい笑顔 ウエストランド&ラブレターズ
2024年の局所的お笑い界リアル予想
──井口さん、飯塚さん、そしてラブレターズのお二人には、この世代の芸人さんたちに2024年起こりうることを予想してもらいたいと思います。
井口 「令和ロマン世代と言い出す奴が出てくる」。第7世代ブームのとき、僕らとかラブレターズってちょっと早めにテレビに出させてもらっていたのもあって、とにかく第7世代から弾かれていて。芸人を始めたのが遅いから意外と芸歴も短いのに、オーディションも全然参加できない時期があったんですけど、「え、この人が?」みたいな奴が第7世代入りしていたんですよ。言ったら、
塚本 わらふぢなるお。
井口 わらふぢなるおが第7なわけない!(笑) そのパターンで、僕らの世代でまだ世に出てない芸人が令和ロマン世代に紛れ込みそう。
飯塚 「ラブレターズ溜口、
溜口 ライブに呼んでもらったり、YouTubeに出させてもらったりはしますけど(笑)。
井口 フワちゃんの次、“タメちゃん”あるんじゃない? 「2023年8月のお笑い」でも話していたけど、Aマッソって誰よりも芸人仲間を押し上げようとしてくれるし、一番情が厚い。僕もYouTubeに出させてもらったことあるけど、この世代に対するリスペクトも持ってくれてるんだよね。それをいいことに、Aマッソにすがるやつがいっぱい出てきそう(笑)。
塚本 「太くんがオフでケガをする」。
井口 それくらい普通にあるよ(笑)。
飯塚 太くん関連で本当にありそうなのが、「
井口 よくよく思い出したら、「笑神様」(日本テレビ)のロケに出たとき、スタジオでVTRを観ていた内田有紀さんが印象に残った人を聞かれて「河本さんがいるコンビ」と言っていて。そのときは間違えて覚えているのかな?とか思ったけど、本当にそう思ってる人だった(笑)。
飯塚 河本単推しなんだよね(笑)。
ネコニスズのブレイクは近い?
井口 「つぶぞろい、テレビで」! でも、そのときもジグザグジギー宮澤さんがプロレス関係のことを理由に欠席するっていう(笑)。
編集部注:飯塚が2011年から自主開催していたお笑いライブ「つぶぞろい」。三四郎、ウエストランド、ラブレターズらが出演していた。2023年1月には「つぶぞろい2023 ~みんな売れて大復活ライブ~」として東京・草月ホールで実施されたが、ジグザグジギーは宮澤が仕事ではなく趣味のプロレス観戦のため出演できなかった。
飯塚 プロレスの大事な日と収録日を被せたいね。
井口 どっちを取るか密着してほしいです(笑)。「キングオブコント」後、宮澤さんがけっこう活躍してますけど、めちゃくちゃ面白いしツッコミもワードも多彩な池田さんがあえて一歩引いて宮澤さんを立たせてている形が今ちょうどハマっていて。
溜口 あのバランスめちゃくちゃいいよなあ。
井口 で、それだけ活躍した宮澤さんが「つぶぞろい」には来ないっていうのを見たい(笑)。
飯塚 「
一同 ああー。
井口 ルシファーさんには「R-1」優勝してもらいたいですね。
溜口 「
井口 それでネコニスズが注目されてテレビに出始めたときに、「舘野さんが失敗」(笑)。
溜口 えぐいてぇ!(笑)
編集部注:2020年の「M-1」予選でフリーズしてしまった舘野にヤマゲンが「どうしたん?」と聞くと「歌詞が飛んだよ」。これにヤマゲンは「えぐいてぇ!」とツッコんだ。
井口 「歌詞が飛んだよ」は、秀逸。「ネタが飛んだよ」は見てられないけど、「歌詞が飛んだよ」は「あ、歌詞が飛んだんだ~」って思えるから。
──ヤマゲンさんはどの中堅芸人さんにハマれば売れそう、というのはありますか?
溜口 今はランジャタイさんですよね。ちょうど今日、
編集部注:「ランジャタイのがんばれ地上波!」(テレビ朝日)の企画「ブチギレ王決定戦」でヤマゲンのキレ芸が炸裂。12月には東野幸治が審査員を務めた同企画のSP版が放送された。
井口 見取り図さんとも仲いいですし。
──NSCの同期です。
溜口 さらばさんとも近いし。
飯塚 ランジャタイ経由で「マルコポロリ!」(関西テレビ)に行ければいいね。
井口 ネタでも活躍すれば、プチじゃなく一気に売れそう。
溜口 ネコニスズさんはそのへんがもう揃っている感じがします。
──このほか「塚本ミシンYouTube、菊地亜美とコラボ」「R-1、今年もなんかある」「ウエストランドの冠番組が山陰で始まる」「サウナ芸人、全員乾き死ぬ」「
井口 じゃあ最後に、「『今月のお笑い』でなんかある」。今ちょうど、「これ、なんでやってるんだっけ?」となってきているので(笑)。
飯塚 井口くんが忙しくてあんまりお笑いを見られていないんだよね。
井口 そうですね。あと、もうちょっと僕の中では「井口、やっぱり考えてるんだな」みたいになってほしいんですけど。
──わかりました。読者のみなさんにはぜひ「#今月のお笑い」を付けて感想をXに投稿してもらえるとうれしいです。2024年も「今月のお笑い」をよろしくお願いします!
プロフィール
ヨネダ2000
誠(マコト)
1999年3月25日生まれ、東京都出身。
愛(アイ)
1996年9月19日生まれ、神奈川県出身。
2020年4月に結成。2021年に「女芸人No.1決定戦 THE W」で決勝進出し、地上波テレビ初出演を果たす。2022年「THE W」準優勝、「第43回ABCお笑いグランプリ」「M-1グランプリ」決勝進出。「ゾンターク~おどりのほし~」(NHK Eテレ / 九州・沖縄地方)でメインキャラクターの声を担当中。吉本興業所属。
ラブレターズ
塚本直毅(ツカモトナオキ)
1984年12月28日生まれ、静岡県出身
溜口佑太朗(タメグチユウタロウ)
1985年1月19日生まれ、埼玉県出身
2009年に結成。2013年に「バチバチエレキテる」(フジテレビ)レギュラーを務め、2014年には「ラブレターズのオールナイトニッポン0(ZERO)」を担当するなど早くから活躍する。2011年、2014年、2016年の「キングオブコント」ファイナリストで、昨年2023年に7年ぶり4度目となる決勝進出を果たした。毎週月曜23時にYouTubeチャンネル「階段腰掛け男」生配信中。4月27日(土)に溜口が作・演出・主演を務める「溜口スーパー SPRINGショー グチタメ夜桜殺人事件~犯人は、阿佐ヶ谷姉妹!?~(仮)」を東京・武蔵野公会堂で開催する。ASH&Dコーポレーション所属。
井口浩之(イグチヒロユキ)
1983年5月6日生まれ、岡山県出身。2008年、河本太(コウモトフトシ)とウエストランドを結成。2013年4月に「笑っていいとも!」(フジテレビ)のレギュラーに抜擢され、最終回まで不定期で出演した。2012年から2014年に「THE MANZAI」認定漫才師。「M-1グランプリ」では2020年に初の決勝進出を果たし、2022年に優勝! ラジオ形式の番組「ウエストランドのぶちラジ!」をYouTubeなどで配信中。タイタン所属。
飯塚大悟(イイヅカダイゴ)
1982年4月13日生まれ、新潟県出身。テレビ、ラジオの構成作家。現在の担当番組は「ヒルナンデス!」(日本テレビ)、「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」(テレビ朝日)、「水曜日のダウンタウン」(TBS)、「ヤギと大悟」(テレビ東京)、「オドオド×ハラハラ」(フジテレビ)、「オードリーのオールナイトニッポン」(ニッポン放送)など。書籍「深解釈 オールナイトニッポン~10人の放送作家から読み解くラジオの今~」(扶桑社)。
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ヤーレンズ “この世代の漫才師で1組だけずっと決勝に行けなくて、いつ腐ったり投げ出してもおかしくない中、ずっとライブに出続けた。結局、やることが大事なんだよなと思いますね。” / “ウエストランド井口と作家飯塚とヨネダ2000とラブレターズが語る「2023年12月のお笑…” https://t.co/SpHV1pdsLW