今月のお笑い 44本目 [バックナンバー]
ウエストランド井口と作家飯塚が語る「2026年2月のお笑い」
古希還暦、営業とライブの違い、トンツカタンの解散話、メロいランキング、井口手術
2026年3月6日 19:04 24
構成
※取材は3月2日に実施。
明石家さんまにピシッとなる爆笑問題
──2月はまず「タイタンライブ」30周年記念公演がありましたね。
井口 いやー、大変でしたけど、よかったですね。こういうライブってよしもと以外でなかなかできないじゃないですか。2日間新ネタやるっていうのがきつかったですけど(笑)。
──前回話していたように、飯塚さんにネタの案をもらったんですが?
井口 そうなんすけど、飯塚さんがインフルエンザになっちゃってて。そんな中でも送ってくれたのでありがたかったです。「タイタンライブ」の前日に「漫才工房」でネタをおろしたんですけど、「漫才工房」もいつもと違う環境(※)だったのでバタバタで大変でしたね。
※編集部注:K-PRO制作ではなくなったため、山田ボールペン氏が運営しているお笑いライブ主催団体・ライブマン主催として開催した。
──会場はこれまでのナルゲキではなく、新宿のハイジアV-1で。
井口 久々にV-1行きましたよ。「M-1チャンピオン史上初だろ、V-1の舞台立ったの!」とか言ってたら、何日か前にパンクブーブーさんが出てたみたいで驚きました(笑)。
──2DAYSの初日はラストに太田さんとゲストの
井口 太田さんがそうしてくれって言ったみたいで、それはもちろんうれかったです。直前になって嫌にはなってきましたけど(笑)。どんなネタやりゃいいんだよって、余計にネタ作りも進まなくなって。プレッシャーでしたよ。でもなんとか盛り上がってよかったです。
──飯塚さんはインフルエンザでご覧になれなかったんですね。
飯塚 そうなんですよ。でも、さんまさんのようなよしもとの大御所からよしもと以外の人気者まで集まるのって、「タイタンライブ」しかないんじゃないかなと思いましたね。「さんまの駐在さん」に岡村隆史さんが出るとか、よしもとの大きいイベントだったらビッグゲストの登場も実現しますけど、今それ以外の事務所でとなるとタイタン、というか爆笑問題さんくらい。「爆笑さんのためだったら一肌脱ぎますよ」という芸人さんがたくさんいるんだなあと思いました。
井口 東京03さん、バイきんぐさん、錦鯉、ラブレターズ、チャンピオンもいっぱい来てくれて。千原兄弟さんがネタをやってくれるのも貴重ですし。
飯塚 だから爆笑問題の存在って改めて大きいんだなと感じた。太田さんってSNSで叩かれることもありますけど、本当に素敵な人だと思うし、芸人で太田さんのことが苦手だという人っていない気がする。
井口 そうだ、今回は選挙特番の直前でしたからね。コロナ禍以降はやっていなかった打ち上げが久々にあって、ゲストの人もほとんどみんな来てくれてたんですけど、太田さんは選挙特番のリハに行かなきゃいけなかったのですぐ帰っちゃって。そんな中で古希還暦もあったから相当大変だったと思います。太田さんって、本当にさんまさんのことを大好きでリスペクトしていて。僕なんかは孫世代ということもあって、もちろん尊敬していますけど、けっこう失礼なことも言っちゃうんですよ。僕らが「爆笑問題カーボーイ」(TBSラジオ)に出させてもらったあと、そのままTBSでさんまさんとのネタ合わせをやるってことだったので、挨拶だけ行かせてもらったんですけど、爆笑さんがピシッと「お願いします!」となっているのに僕は「さんまさん、ちゃんとまとめといてくださいよ」とか言っちゃってて、いいのかな?って思うような。それくらいリスペクトあるから、めちゃくちゃ緊張していたみたいですね。
──古希還暦やゲストもすごかったですが、タイタン勢がみんなしっかりウケていてカッコよかったです。大人のお客さんが多い「タイタンライブ」で培ってきた実力なんだなあと。
井口 確かにそう考えたら、前の周年イベントのときなんか全然雑魚だったというか(笑)。ゲストまでをつなぐ雑魚でしかない、みたいな感じでしたけど、今はそれぞれ力をつけて、賞レースのファイナリストにもなって。(初日ゲストとして登場したとろサーモンの)久保田さんもシティホテルがすごくウケていたってポストしてくれていましたし、みんなちゃんと印象を残せたのはよかったですね。
──舞台裏の様子はどうでしたか?
井口 芸人勢はのんきに過ごしていましたけど、スタッフ陣は大変だったと思いますよ。それに、1日目は木村拓哉さん、2日目はアッコさんが来るとか、そういう緊張感もあったんじゃないですかね。
飯塚 木村さんは普通に客席に観に来ていたの?
井口 そうです。さんまさんも出るしってことで太田さんが招待していて。それに関しては楽屋もざわついてましたね。もし木村拓哉さんにハマって、ラジオでもインスタでも何か一言でも触れてくれたら人生変わるぞ……!って(笑)。
営業 寄席 ライブ
──なにしろ、いいライブでしたね。
井口 そんな余韻に浸ってたら、もう次(4月)の「タイタンライブ」が迫ってきているっていう。なんて言ったらいいかわからないですけど、ライブが難しくなってきているじゃないですか。
飯塚 非よしもと系のライブシーンの状況がいろいろ変わって、自主的にライブを打つのが難しいってことだよね?
井口 そうです、そうです。今、劇場もほどんと埋まっているんですよ。それこそ
──どうするんですか?
井口
──劇場は昼間のほうが空いていそうですけどね。一時期浮上していた新メンバーを入れる話は消滅しちゃったんですか?
井口 それはもう僕があの世代で接する人を区切っちゃってますから。それ以上若手とはしゃべらないって決めてるんで。
──しゃべってくださいよ。
井口 シャレが通じないから嫌なんですよ。この前も早坂営業で人力舎の若手がいたから、「お前は無名なんだから下がっとけよ!」とか冗談言ったら、しょぼんってしてるのか、静かにブチギレてるのか、全然リアクションなかったんですよ。
──ライブマンの山田ボールペンさんをどんな人か知らないと前回おっしゃっていましたけど、ご本人に会えましたか?
井口 会場に来てなくて、会えなかったんですよ。でもそのあと事務所に行ったら、春とヒコーキのYouTubeの撮影をやっていて(山田ボールペン氏は「バキ童チャンネル」の構成作家)。こっちにいるんかい!と思いましたけど、僕に会いたくない可能性もあるのかなと(笑)。前回も話したことですが、今ってライブ主催団体がたくさんあるけど、言ったらアマチュアというか、それ1本で暮らしていこうという人たちではないわけじゃないですか。
飯塚 ビジネスとしてというよりは、お笑いが好きでやっている団体が多いからね。
井口 そういうところに「お願いします」ってプロの芸人が出させてもらって、ネタを調整して「M-1」で戦うって、ちょっといびつな構造な気がして。もちろんライブを主催してくれるのはありがたいんですけど、このままで本当に戦えるかな、未来あるのかなと思ったりもするんです。
飯塚 音響、照明とかのスタッフさんがプロじゃなかったりもするから、ミスしても強くは言えないしね。もちろん伝えてお願いはできるけど、有志で集まってくれた人に対してどこまで言っていいのか。理想は、会社がちゃんとプロを雇って回している劇場が1つあって、毎日そこで何かしらの公演をやっている状態があるといいんだけど。
井口 だから、K-PROがすごいことをやっていたってことですよね。その感謝はより感じます。今まではナルゲキが毎日いろんな公演をやっている中で「ここの昼間にお願いします」とできたし、設備があったから生配信もできましたから。立ち行かなくなる理由の1つに、よしもとと違って、人気者になったらライブに出なくなっちゃうっていうのもありますよね。よしもとは人気者も舞台仕事が常にあるので。
飯塚 各事務所が「人気者になっても劇場にも出しますよ」というシステムにしないと、ルミネtheよしもとやなんばグランド花月みたいなものはできないと思う。
井口 この前、早坂営業があって、ナイツさんがいなくてけっこう渋めのメンバーだったんですけど、1500人×2公演が埋まったんですよ。当然イベンターさんがうまく売ってくれているということですけど、正直、「これでバティオス(約100席)埋まるかな?」みたいなメンバーで。これがお笑いライブのいびつな構造というか、例えばスタミナパンってライブシーンでは人気だけど、地方の会館ライブに来るようなファミリー層にはまだ知られていないじゃないですか。かといって、ファミリー層も知っているU字工事がバティオスのお笑いライブに出て100席埋まるかと言ったら逆に埋まらない。これってお笑いが二極化していて、お笑いライブがかなり特殊なカルチャーになっちゃってるということなんじゃないかなと思いました。お笑いライブが本当にコアな人が行くものになっちゃってる。それがよくないってことではないですけど。
飯塚 ルミネやNGKは修学旅行生や観光の団体客が来るから、知名度の高い芸人からライブシーンで人気の若手芸人まで、出演者が幅広い。
井口 僕らも営業とライブを分けて考えちゃってるっていうのもありますよね。よく考えたら別に一緒なのに。
飯塚 よしもとの人は「寄席」と言っているよね。いわゆるお笑いファン向けの「ライブ」と、非お笑いファンも多く集まる「営業」の間みたいな感じで。そういう仕組みがよしもと以外にもあるといいよね。お笑いライブ制作集団が劇場公演の収入だけで回していくのは現状ではどうも難しそうだから、この現状ではあるんだけど。例えば、ABEMAとかが劇場を作ってくれるといいんじゃないかなと思って。ABEMAだったら自前のコンテンツの宣伝にも使えるし。ソニーという大きい資本がある会社が劇場を持っているという意味ではBeach Vはそれに近いかもしれないけど。ちなみに、ナタリーではできないんですか?
──えっ、やりますか?
飯塚 作りましょうよ、みんなで。
──まず何をすればいいのでしょうか。
飯塚 スポンサーを探してくるところから。狩野さん(当連載担当者)がお金のある社長と会食して、「こういうライブをやりたいから支援してください」と熱意を伝えて。
──劇場を作ってもらう?
飯塚 そうですね。劇場を作りましょう。毎日そこに人気者から気鋭の若手まで出演させて、毎日お客さんもちゃんと集まってるという状態を作る。
井口 もうそれしかないですよ。
──そうしたら、ウエストランドは必ず出てくれますよね?
井口 そうなったら出ないとですよね(笑)。
飯塚 テレビ局にやってほしいとも思いますけど。3月にはテレ朝のデカいイベント会場が有明にオープンしますし、TBSも作っているみたいですけど、全部5000人とか規模が巨大。その中の一角に180人とか150人くらいのキャパの会場も作ってお笑いライブもやっていくべきじゃないですか。テレビなんて芸人さんにめちゃくちゃ出てもらっているんだから。
井口 確かに。それも書いといてください。で、ナタリーでもやってください。
トンツカタン問題の原因は森本!?
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