ぜんぶ君のせいだ。|新しくなったぜん君。はもう眠らない

思い出すのは泣き顔

──カップリングの「ちぬちぬせれなーで」は、曲調こそ明るいですが「インソムニア」と同じく「生きる」をテーマにした曲ですよね。

甘福氐喑

如月 青春パンク!って感じのぜん君。らしい曲を(水谷)和樹さんに書いていただきました。学校の屋上で騒ぎながら女の子が集まって歌っている感じ。ポップさがあって、でも歌詞はちょっと重苦しくて、すごくぜん君。らしい曲だと思いました。

 屋上で合唱してるような気持ちになる!

 振りもすごく遊んでいて、それこそ合唱をイメージして、指揮棒を振るようなダンスが入っているんです。本当は患いさんにも歌ってほしいんですよ。コロナ禍が終わったら。

如月 すごく明るい曲ではあるけど、「インソムニア」のカップリングなだけあって、歌っているテーマは「生と死」なんですよね。弱さに耐えきれず死にたくもなるような気持ちを抱えながら、それを面白おかしく歌う。これはまさにぜん君。だなと。

ふふ 「カッコ悪くていい 鼻水も垂れてていいんじゃない?」という歌詞が好き。

如月 ふふは鼻炎だからいつも鼻水垂れてるもんね(笑)。

雫ふふ

ふふ あ、自分のことだ!って思った。

 振り付けにちょっとクセがあるというか、ダサかわいいんですよ。

ふふ うん。ダサかわいくてすごく好き。だからこの曲はライブで観てほしい曲ですね。それで一緒に踊ってほしい。

如月 すごく明るい曲だけど、ライブで泣いちゃうかもな。「病めるとき健やかなる時も いつもいつでも思い出せる泣き顔」という歌詞があるんですけど、私たちが思い出す表情っていつも泣き顔(笑)。うれしくて泣いたとき、悔しくて泣いたとき、別れがあって泣いたとき。それは私たちだけじゃなくて、患いさんの泣き顔も含まれていて、みんなの泣き顔なんですよね。楽し気に歌うときもあれば、つい涙が流れてしまうように歌うときもあるだろうから、きっとライブで変化していく曲なんだと思います。

温かさに包まれたツアー

──47都道府県ツアーが終わる頃、ぜん君。はどういう変化を遂げていると思いますか?

如月 どうなってるんだろう(笑)。正直に言うと、この5人でどういう化学変化が生じていくのかはまったく予想がつかないんですよ。新しく入った3人はこれからどんどん個性が出てくるだろうし、なんなら十五時だって、新型コロナウイルスの影響でちゃんとライブをする機会が半年近くなかったから、これからもっと成長すると思うし。成長速度もすごいだろうし、今の状態のぜん君。も観てもらいたいんですけど、ツアーが終わる頃の私たちの姿もぜひ観てほしい。

もとちか襲

 ツアー、すごく楽しいんですよ。やっぱりごはんがおいしいし。いろんな街で食べるごはんを楽しみにしてたけど、患いさんと各地方でお会いできるのもすごく楽しみになりました。ごはんよりも楽しみになったかもしれない。

 各地で出会う患いさんがみんな温かいんですよ。地方ごとに患いさんの個性が違ったりもするし、いろいろ声をかけていただいて勉強にもなるんですよね。実際にお会いできてお話できることのありがたさを感じています。

ふふ ふふは患いさんとお会いするのもそうだけど、メンバーと一緒にホテルに泊まるのがすごく楽しい。この前のホテルはふふ、十五時、喑の3人部屋で、終始にぎやかで全然眠れなかった(笑)。

征之丞十五時

十五時 気付いたらもうこんな時間!みたいな感じだったよね。ずっと話してました。

如月 十五時はツアーで楽しみにしていること、ある?

十五時 ぜん君。に入って3回目のツアーだから、「ただいま」って言える場所があることがすごくうれしいんです。十五時にとっては今回のツアーが最大規模だから、もちろん「初めまして」の場所もあるんだけど、こうやってツアーを重ねていくと「ただいま」と言える場所が増えていくんですよね。それがうれしくて。患いさんには「待ってたよ」とか「おかえり」と言ってもらえるし、すごく温かさに包まれたツアーだなと思っています。

如月愛海

如月 すごくドSなことを言いますけど、ライブハウスで声出しができなくてやきもきしている患いさんを見るのが楽しいんですよ。今までのぜん君。のライブは前のめりで患いさんたちを煽って、声はみんなで出していたし、手もつないでいたし、感情のおもむくままに暴れてください、というものだったんです。でも今は患いさん同士で距離を取らなきゃいけないし、声も出しちゃいけない。ただ私たちのパフォーマンスはありがたいことにそこまで制限されていないので、いつも通り煽っちゃうんですよ。そうすると、みんなウズウズした顔を見せるんですよね(笑)。それがライブの楽しみになっています。

十五時 めーちゃん、すっごく煽るもんね。

如月 もうね、今さら煽らないライブなんてできないのよ(笑)。ただ、これまでのライブと盛り上がり方が違うので盛り上げ方も変えなきゃいけないとは考えていて、今のぜん君。がどうすれば患いたちの気持ちを高められるか、試行錯誤しながらライブをしています。

 ライブハウスの制限がなくなったらどうなっちゃうんだろうね。すごく楽しみ。

如月 解放されたときに思いっきり患いさんとライブをするのがすごく楽しみ。そのときまで、私たちはずっと走り続けてると思います。

ぜんぶ君のせいだ。