新しい引き出しを開ける「ロマンスセクト」
──シングルの表題曲の1つ「ロマンスセクト」はZepp Tokyoでのワンマンライブで初披露された曲でもあります。こちらはsyvaさんが作曲を手がけたものですね。
一十三 本当にsyvaさん節が出てる曲で、カッコいいけど遊び心がたくさん詰まってるんですよね。
──ラップがあり、シャウトがあり、今までぜんぶ君のせいだ。が挑戦してきた表現を詰め込んだ曲という印象がありました。
咎 これまでもラップはやったことあったけど、ラッパーの方は自分の生き方を堂々と主張するイメージがあって。かわいい感じでラップするんじゃなくて、ちょっと自分がドヤ顔をしながらラップをすることに挑戦しました。すごくイキった感じになっちゃうんですけど……。
一十三 私、この曲で本気でシャウトしてるんですけど、歌詞には「うぉおぉおおおぉおおー」って書いてあって。歌詞の見た目はちょっとかわいいんですけど、音で聴くとけっこうな迫力なのでそのギャップも楽しんでもらいたいです(笑)。
如月 和樹さんもsyvaさんもずっと私たちのライブを観てくれているので、何が得意で何が不得意かはもちろん、私たちが歌でどれだけ遊べるかも把握してくれているんです。「みすふぃっとらゔぁーず」とか「メスゲノムフェノメノン」とか、ぜん君。が楽しく遊ぶ曲を作ってきてくれたsyvaさんが、今回「ロマンスセクト」を書いて、私たちが新しい引き出しを開けるきっかけを作ってくれたと思っています。
水谷 僕、今回のシングルに向けてレーベルの社長に「リード曲よろしく」って言われてたんです。で、僕は「Natural Born Independent」を書いたんですけど、どうやら社長はsyvaさんにも「リード曲よろしく」と言っていたみたいで。いつもだったらどちらかが表題曲に選ばれるんですけど、今回は「どっちもいい」って理由から両A面になったみたいですね。
「一緒に行こう」が「ついて来て」に
咎 今回のレコーディング中に「NEORDER NATION」(2018年6月発売の4thアルバム)を聴いたんですけど、なんだか別人が歌っているみたいに感じたんです。
水谷 それはね、みんなが成長したからだよ。
咎 え、うれしい!
如月 「NEORDER NATION」以降の変化として、どんどんソロパートが増えてるんです。今まではメンバー全員が一緒に歌うことでなんとか保っていたレベルを、個々人がちゃんと1人で歌えるようになった。それが歌詞にも反映されていて、歌割りを見て「この部分は四にしか歌えないよな」「ここはましろの部分だな」っていうのが明確にわかるようになったんですよね。それはボーカリストとして、4人のレベルが上がったからできるようになったことだと思います。
ましろ この3年半でホントにたくさんリリースしてきたし、やっぱり僕らはちゃんと歌って気持ちを届けたい、って思いが強いんだと思います。
──今回のシングルはぜんぶ君のせいだ。にとってはどんな作品になりましたか?
一十三 以前から「ぜん君。のメンバーの歌は強いな」って個人的に感じていたんですけど、最近のぜん君。の歌には強さの中にしなやかさを兼ね備えてきた感覚があるんです。ただ壁を壊して進むだけじゃなくて、自分たちの持っている強さを何かを守るためにも使えるようになってきたというか。その変化を実感してもらえるのが「Natural Born Independent」と「ロマンスセクト」の2曲だと思います。
ましろ 「今が変わるとき」とか「ここで進化します」とか今までも言ってきたんですけど、今作で凝り固まったぜんぶ君のせいだ。のイメージを、いい意味で塗り替えちゃう感じがあると思います。僕たちにはこういう表現もできるって聴いてもらえたらわかると思うし、僕たちが目指している進化の先のイメージをみんなと共有できるような作品になった気がします。
咎 Zepp Tokyoのライブに向けてみんなすごく準備してきて、自分たちのレベルが上がった実感があるんです。それがちゃんと形になった音源が「Natural Born Independent / ロマンスセクト」だから、早くみんなに聴いてほしい。革命が起きて、ぜん君。の歴史が変わった2曲だと思います。
如月 みんなが言ってくれた通り、ぜん君。は変わってきたんです。「変わる」って怖いことだから、私たちが変わることに対して否定的な意見を持つ方もいたけど、「私たちが先陣切って変わるから、君も一緒に来て変わろうよ」って、やっと呼びかけられるところまで私たちは成長できた。「一緒に行こう」じゃなくて「ついて来て」って言えるようになったんです。今回のシングルでは、そういう気持ちがしっかり曲になったと思います。
野音は晴れる
──Zepp Tokyoのライブでは、4月に東京・日比谷野外音楽堂でワンマンライブ「ぜんぶ君のせいだ。単独公演~声高EX少数派(ノイジー・マイノリティ)~」を開催することが発表されました(参照:ぜんぶ君のせいだ。4月に日比谷野音でワンマン開催)。
一十三 ZeppのときにMCで「ついて来てください」って堂々と言ったんです。Zeppであれだけ楽しかったから初の野音だって絶対に楽しいものだと思うし、野外でのライブってだけで特別感がある。そもそも私たち、座席のある会場でライブって全然やったことないよね?
ましろ うん。座席があってステージも横に大きくて、野外だから空も見えるし、声の響き方も違う。Zeppのライブとは違うものになるのは間違いないし、野音も絶対楽しいと思うんです。
如月 それと、たぶん当日は晴れます。
ましろ わかる。
如月 ぜん君。ってホントに晴れ女集団なんですよ。すごい回数ライブをやってるのに雨に当たった日って数えるほどしかないし、天気の悪い日のフェスに出演したときも、自分たちの出番のときだけ晴れたりして(笑)。
咎 また大きいところに4人で挑戦できるって決まって、すごくワクワクしてるんです。Zeppのステージに立ってみて、やっぱり患いさんたちと一緒になって楽しめるライブという空間がすごくありがたいなと思って。和樹さんやsyvaさん、GESSHI類さんからもらった思い出のある曲をみんなで歌うのを想像しただけでもう楽しみで。絶対に人生で忘れることのない1日になるし、咎憐无として生きててよかったと思える日に100%なるから、早くライブがしたいです。
如月 Zeppのステージに立ってみて、大きい箱でも全然大丈夫だなっていう謎の自信が付いたんです。これは私たち4人だけの力だけじゃなくて、患いさんたちに気付かせてもらったことで。どんなに会場が大きくなったとしても「ちゃんと伝わったよ」と言ってくれるし、会場の規模なんか関係なく、お互いが楽しむことができた。Zeppでは今の私たちの最高のステージを観てもらったと思っているんですけど、2カ月後の野音ではさらに4人が成長した姿が見せられると思います。
ましろ 僕、今年に入ってからもうずっとワクワクしてるんです。2018年は「変わらなきゃ」って思いが強すぎたのか、すごくもがくように前に進んできた1年だった。でもその1年があったからZepp Tokyoでのライブをいいものにできて、僕たちのもがいてきた1年が間違ってなかったことがわかって。もちろん2019年も前に進んでいく1年にはしますけど、ちゃんと挑戦していけば1歩ずつ上に登っていけるという手応えがもうあるから、この1年でどこまで進めるかがすごく楽しみ。
一十三 あとぜん君。の曲って外で歌いたい曲が多いんですよ。
如月 いっぱいあるよね。
一十三 ライブに来て後悔させない自信はあるので、絶対野音に遊びに来てほしいです。
ライブ情報
- 「ぜんぶ君のせいだ。単独公演~声高EX少数派(ノイジー・マイノリティ)~」
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2019年4月28日(日)東京都 日比谷野外大音楽堂