音楽ナタリー Power Push - ぜんぶ君のせいだ。

聴くと患う「やみかわIMRAD」の定義

自分を変えたくてオーディションに応募した

──十さんはどんな経緯でこのグループに入ろうと?

十字

 私はいわゆるニートだったんですけど個性をもっと追究したくて、そのために何かをやらないとなって考えてたんですよ。そんなときにアイドル活動に注目して、これなら個性を出せるかもって思い応募してみました。アイドルには興味がなかったんですけど、いろいろなグループを調べてみたらこのグループが面白そうだったのでやってみたいって思って。

──髪の色もピンク色ですし、十分個性的だと思いますよ。

 昔は3色とかにしてた時期もあったんですよ。ファッションも目立つものが好きで。だからぼっちになってしまったのかもしれないんですけど(笑)。あと自分で洋服も作れますし髪も自分で切ってます。

──そういう学校に行ってたんですか?

 いや、行ってないので全部自分の好きなようにやってます(笑)。

如月 字はメンバーの中でも一番元気でにぎやかです。ムードメーカー的存在。1人でずっとしゃべってるし歌ってる。

 なんか騒がしくないと寂しくって。

──最後に一十三さん。一十三さんは途中からの加入ということですね。

一十三 はい。昨年10月の初ワンマンライブのときにデビューしました。

──普段から雰囲気が柔らかいというか、ゆっくりとしたしゃべり方なんですね。

一十三四

一十三 いつもボーッとしてますね。しゃべるのも遅いしやることは全部トロくて、それでぼっちになっちゃったんですけど(笑)。そんな自分を変えたくて応募しました。あとはかわいい女の子が大好きなので、このグループのビジュアルイメージを見てテンションが上がってしまったというのも応募理由の1つですね。

──実際に加入してみてメンバーと一緒にいるときは緊張しちゃいます?

一十三 心の中ではずっとドキドキしてますよ。密かに顔とか見てますし。

──自分がアイドルになるっていうのは想像してました?

一十三 アイドルになれるなんて思ってもみませんでした。でも自分を変えたいっていう気持ちが強かったので、アイドルでいるときは明るくいこうとか速くしゃべろうとか心掛けているんですけど……大丈夫かな?

──ライブではこの雰囲気はないですよね。豹変するというか。

如月 四はライブで一番変わりますね。スイッチが入るというか、いつもの四ではないです。

一十三 別の自分が降りてくる、みたいな感じです。

──個性的な5人が集まりましたね。アイドルに興味がある人が少なかったので、自分たちがどんなアイドルになるかっていうのを決めるのは大変だったのでは?

如月 普段の自分のままでいいよっていうことをスタッフさんから言われていたので、みんなキャラを作ってないというか、そのままなんです。患いさんとしゃべるときも普段の自分のままですね。

──患いさん?

一十三 ファンの皆さんを“やみかわぐんの患いさん”って呼んでます。

如月 私たち含めてファンの皆さんも患ってるんですよね(笑)。

寂しかった私たちを観てくれる人がいて感激

──昨年7月に結成して、その3カ月後の10月に初のライブを実施。ライブまでの期間はずっとレッスンをやってたんですか?

成海 はい。振り付けも全部自分たちで考えてるんですよ。

──でもアイドルに興味がなかった人たちばかりで経験者もいなかったですし、すごく大変だったんじゃないですか?

如月 大変ではあったんですけど、あまり難しく考えずにとにかく自分たちが入れたいポーズをつなげていった感じですね。近所の小さな公園で振り入れの練習をやってました(笑)。

成海 鳩がよく見てくれてました(笑)。

──初のワンマンライブは地元・名古屋で開催されましたがチケットがソールドアウトということで。皆さんのことを見たことがない人ばかりだったと思うんですけど、ライブを終えての感想は?

如月愛海

如月 ライブ前は心臓が飛び出しそうなくらい緊張して震えちゃって。開演前に心臓音のSEが鳴るんですけど、自分の心臓音が聞こえてるんじゃないか?ってわけがわからなくなるくらいテンパってました。でもいい結果が出せてうれしかったです。ぼっちで寂しかった私たちを観てくれる人たちがこんなにいてくれるなんて感激ですよ。

──皆さん、登場からインパクトがありますよね。心臓音にあわせて「全部君のせいだ」って何度もつぶやきながらゆっくりステージに現れるからちょっとした恐怖すら感じました(笑)。

如月 あのつぶやきも1曲目にやる曲によって微妙に言い方を変えてたりするんですよ。

──オープニングだけ観るとダークな世界観なのかなって思うんですけど、ライブが始まるとそれほど暗いイメージはなく、どちらかというと明るいですよね。それこそ、アイドルでした。

如月 そうなんです。「病みかわいい」ってコンセプトだからもっと暗いイメージを持たれるかもしれないんですけど、歌詞は恋愛をテーマにしてたり友達や大切な人へのメッセージソングだったりと、わりと共感してくれる人が多いです。

──暗いイメージを払拭するくらいキラキラしていて、やっぱりアイドルだなって思いました。

ましろ キラキラは、一番僕たちに足りない要素だからそう言われるとうれしいです(笑)。

──ただけっこう強烈な歌詞もありますよね。恋愛テーマの曲でもどこか「病み」を感じたりしますし。

如月 そういう嫉妬とか妬み系は5才の担当です(笑)。

 いろんな視点から「病みかわいい」っていうのを表現していこうって決めていて。だから暗いイメージばかりじゃなくて、アイドルっぽい楽曲もありますし、ロックチューンで攻める曲もあります。

ぜんぶ君のせいだ。 1stアルバム「やみかわIMRAD」
2016年1月27日発売 / 2000円 / コドモメンタルINC / CMI-0006
収録曲
  1. ねおじぇらす✡めろかおす
  2. ヤンデレクイエム
  3. 哀whynot
  4. The Battle of Identerror
  5. Hello Kiss me No say
  6. やみかわぐんぐんか
  7. 患いハレルヤ
  8. キミ君シンドロームX
  9. 弱虫ララバイ
  10. ShitEndプラシーボ

東名阪ワンマンツアー
~やみかわぐん宣戦布告です。~

2016年3月6日(日)
愛知県 CLUB 3STAR IMAIKE
2016年3月11日(金)
大阪府 心斎橋CLUB DROP
2016年3月20日(日)
東京都 下北沢SHELTER
ぜんぶ君のせいだ。(ゼンブキミノセイダ)
ぜんぶ君のせいだ。

如月愛海(きさらぎめぐみ)、成海5才(なるみごもち)、ましろ、十字(もげきあざ)、一十三四(ひとみよつ)の5人からなる「病みかわいい」をコンセプトにしたアイドルユニット。2015年7月に1stシングル「ねおじぇらす✡めろかおす」を発表し、同年10月に愛知・CLUB Zionにて単独公演を開催。初ライブにしてソールドアウトを記録した。2016年1月27日に1stアルバム「やみかわIMRAD」をリリース。同年3月には初の東名阪ツアー「やみかわぐん宣戦布告です。」を実施する。