遊助「千羽鶴」 PR

遊助|ソロデビュー10周年、第2章の始まりの歌

遊助が7月3日にニューシングル「千羽鶴」をリリースした。

表題曲は第101回全国高校野球選手権神奈川大会をイメージして書き下ろされた楽曲で、球児たちを応援するさわやかな青春感に満ちあふれている。自らも高校球児として汗を流した遊助だからこそ描き出せるリアルなメッセージは、夏の風物詩ともいえる高校野球を大きく盛り上げるものとなるはずだ。

音楽ナタリー初登場となる遊助に、今年の3月にソロデビュー10周年を迎えた心境と第2章の始まりに向けた決意、そして新たな一歩を刻む本作へのこだわりについて聞いた。

取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 吉場正和

10年作り続けたら、音楽をやめようと思っていた

──遊助さんは今年の3月11日でソロデビュー10周年を迎えました。オールタイムベスト「遊助 BEST 2009-2019 ~あの・・あっとゆー間だったんですケド。~」のリリースや、日本武道館と大阪城ホールでのデビュー10周年記念ライブの開催によって、その大きな節目を噛み締めることができたのではないでしょうか?

遊助

自分としては10周年ということをそこまで意識していなかったけど、ここ数カ月は皆さんから「おめでとう」と言っていただく機会が多かったですからね。「あー、そういうことか」と思って、1つの区切りとして認識するようにはなりました。ただ、「大きな夢が叶ったな」とか「俺、がんばったな」みたいな気持ちはまったくないんですよ。もちろん自分なりの意志を持ち、命をかけて不器用なりに汗かいてやってきたつもりではあるけど、それ以上にみんなへの感謝の気持ちのほうが大きいというか。「俺を仲間に入れてくれて、一緒に楽しい時間を過ごさせてくれてありがとう」みたいな。逆に、応援してくれる人やスタッフ、ステージ上でがんばってくれるメンバー、パフォーマーも含め、みんなに対して「おめでとう」と言いたい気持ちがあります。

──ニューシングルの初回限定盤Bに付属するDVDには、デビュー10周年記念として制作されたミュージックビデオ「ひまわり ~10年分の愛のカタチ~」が収録されています。この映像の中で「10年作り続けたらやめようと思っていた」という告白をされていましたが、その真意はどのようなものだったのでしょうか?

デビューのタイミングで自分の中にぼんやりとそんな思いがあったんですよ。10年続けると僕は40歳になるし、そこまでの時間でやりたいこと、やれることを思い切り全力でできたら、また違う可能性に目を向けてみてもいいかもしれないなって。僕、野球もそうだったんですけど、案外スパンとやめれちゃうんですよね。全然未練なく。

──でも、音楽に関しては「まだ続けたい」と思ったわけですよね。

うん。ライブなんかでみんなの笑顔を見ていると、「こんな素敵な出会いの場所を自分自身で壊しちゃうなんて、俺にはそんな権利ないよな」と思うんですよ。ライブをやればやるほど、そこでの景色を見れば見るほど、「やめちゃダメかも」って(笑)。少しでも僕の音楽が何かの役に立てて、みんなを笑顔にできるんだったなら、「もっと続けようかな」と思えるようになった。その覚悟を決めたのがここ1、2年くらいかな。

11年目、ゼロからのスタート

──そう考えると2018年5月に出たアルバム「あの・・こっからが山場なんですケド。」の“山場”というワードが意味深に響いてきますね。

そうそう。10年でやめるうえでのピークを意識してたところもまだありましたから。

──今は新たな使命感を持って前を見ることができている感じですか?

そうですね。まあでも、正直言って僕にとっての音楽は、すごく居心地のいい場所ではあるけど、思い切り楽しめるかというと、そんな余裕は1mmもないんですよ。みんなに楽しんでもらうことだけに必死だから。もちろん、みんなの笑顔を見れば僕も楽しい気持ちにはなるんですけど。

──音楽をやっている動機がほかのアーティストとはちょっと違うのかもしれないですよね。誰かの役に立ちたい気持ちがまずあって、その1つの方法が音楽だという。

遊助

ホントにそうだと思います。みんなが喜んでくれるからやっているだけで、ライブがなかったらギターにも絶対触ったりしないですから(笑)。そもそも僕は違う畑から出てきた人間で、「歌いたい」という強い気持ちがあってアーティストデビューしたわけでもなかったですしね。とは言え、嫌だったらとっくにやめてたとは思うから、基本的には好きなことだとは思うんですけど……よくよく考えると俺、純粋に自分だけのために没頭できる趣味って、1つも持ってないかも。喜んでくれる第三者がいなかったら何もしない男かもしれないですね。

──誰かを喜ばせることが唯一の趣味というのもすごいですけどね。

究極の自己中かもしんないですよ(笑)。「俺これやるから絶対楽しんでよ!」みたいな。

──いやいや、そんな押しつけがましさは微塵もないですから(笑)。とにもかくにもここからの第2章が楽しみですね。

ある意味、またゼロからのスタートだなと思っている部分もあるので、まっさらな気持ちで、何かを壊しながら進化していきたいですね。いい意味で期待を裏切りながら、なんにでも挑戦していくのが遊助だと思うし、僕自身そういう遊助で遊んでる気持ちもあったりするし。もちろん不安や心配もあるけど、同じくらいワクワクもしています。俺自身は全然善人でもないし、しょうもない人間だと思うけど、こんな自分に向き合ってくれる人、こんな自分の音楽に耳を傾けてくれる人がいるのであれば、その人の気持ちが少しでもプラスになるものをこれからも作り続けたい。そんなことを改めて決めた、11年目の遊助です(笑)。