松任谷由実 PR

松任谷由実|45年間の歴史で生まれた424曲配信、アーティスト8人のプレイリストと共に聴く“ユーミンの名曲”

松任谷由実の全シングル、全アルバムの収録曲が各サブスクリプションサービスで配信スタートした。

8月5日に野外ロックフェスティバル「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」に初めて出演し、「Hello, my friend」「真夏の夜の夢」などのヒット曲を披露。さらに9月22日からはベスト選曲による全国アリーナツアー「Ghana presents 松任谷由実Time machine tour Traveling through 45years」がスタートするなど、精力的な活動を続けているユーミン。この時期に全楽曲がサブスクで解禁されたことは、日本の音楽シーンを牽引し続ける彼女の功績と名曲の数々に改めて注目が集まることにつながるだろう。本稿では1970年代~2010年代の各時代の名盤をピックアップし、その中の“隠れた名曲”にスポットを当ててみたい。また特集後半では、アーティスト8人がそれぞれのテーマで選曲したプレイリストも掲載している。

文 / 森朋之

ユーミンの“隠れた名曲”

「ひこうき雲」ジャケット

まずは記念すべきデビューアルバム「ひこうき雲」(1973年発売)。1971年に17歳で作曲家デビューしていた荒井由実は、プロデューサー村井邦彦の勧めでアーティストとして活動をスタート。その最初のアルバムが本作だ。キャラメル・ママ(細野晴臣、松任谷正隆、鈴木茂、林立夫)による質の高い演奏、イギリスのロックに傾倒していたユーミンの洗練された楽曲が見事に融合した本作は「ひこうき雲」をはじめ、彼女がミドルティーンのときに書いた楽曲が中心だった。ここで紹介したいのは、アルバム制作と並行して書かれた楽曲。憂いを帯びた旋律、オーガニックなサウンドと共に、恋に対する漠然とした不安を描いた歌が広がる「曇り空」、軽快なビートと解放感あふれたメロディ、恋愛のドキドキ感を映し出す歌詞が1つになった「恋のスーパーパラシューター」。この2曲からは当時19歳だったユーミンの卓越したソングライティングセンスがまっすぐに伝わってくる。

「ひこうき雲」配信中

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「COBALT HOUR」ジャケット

1975年に発表されたアルバム「COBALT HOUR」は彼女にとって初のコンセプトアルバム。1stアルバム「ひこうき雲」、2ndアルバム「MISSLIM」から一転、カラフルでポップな楽曲がそろっている。「卒業写真」「ルージュの伝言」などの名曲が収録された本作からピックアップしたいのは、タイトルチューン「COBALT HOUR」。飛行機の滑走音から始まるこの曲は、AOR系のバンドサウンドと共に夜明けの光景をロマンティックに描いたポップナンバーだ。そしてアルバムの最後を飾る「アフリカへ行きたい」は、エキゾチックな雰囲気のアレンジ、アフリカへの憧れをつづった歌詞が結びついた高揚感あふれる楽曲。全編を覆うリゾート的なムードを含め、新しい時代の幕開けが感じられる。

「COBALT HOUR」配信中

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「SURF&SNOW」ジャケット

1980年代最初のアルバム「SURF&SNOW」は、現在も続いているライブシリーズ「SURF&SNOW in Naeba」とリンクした作品。海沿いプール(リビエラ逗子マリーナ)やスキー場のリゾートホテル(苗場プリンスホテル)でコンサートを開催するという画期的なプロジェクトと連動した本作には、「恋人がサンタクロース」「サーフ天国、スキー天国」などが収録され“リゾートとユーミン”というイメージを強めることになった。一方で本作には、モータウン風の明るいサウンドと「彼から手をひいて」「私の大切なパートナーよ」という歌詞の対比が印象的な「彼から手をひいて」、別れを決意した恋人たちがロマンティックに思いを語り合うバラードナンバー「恋人と来ないで」(俳優・岡田眞澄とのデュエットソング)といった優れたラブソングも収録。ラブソングの名手としての評価をさらに引き上げた。

「SURF&SNOW」配信中

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「ダイアモンドダストが消えぬまに」ジャケット

「SWEET DREAMS」「TUXEDO RAIN」などの人気曲を含む「ダイアモンドダストが消えぬまに」(1987年発売)は初めてミリオンセールスを記録したアルバム。“複数のカメラを同時に回し、撮影した映像を編集するような感覚で歌詞を書く”というユーミン独特のメソッドが確立され、ソングライターとしてさらに高い段階に入った作品として知られている。たとえば80'sらしい打ち込みのビートを軸にした「月曜日のロボット」では、休み明け、仕事に向かうときの女性の気持ちを映像的に表現。また無機質なトラックと感情豊かなボーカルが1つになった「LATE SUMMER LAKE」では、儚くも美しいひと恋の思い出と、終わりゆく夏の情景を切なく映し出している。

「ダイアモンドダストが消えぬまに」配信中

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「KATHMANDU」ジャケット

80年代後半から90年代にかけて、1年に1枚のペースでアルバムを発表し、ミリオンヒットを続けてきたユーミン。よく彼女が口にする“走りながらチャージする”という状態をキープしながら、さまざまな音楽要素を自らの楽曲に取り込んできたわけだが、1995年リリースの「KATHMANDU」ではアジア、アフリカなどのワールドミュージックにアプローチする。彼女は本作で「輪舞曲(ロンド)」に象徴されるエキゾチックな音楽世界を提示した。酩酊感のあるサウンドメイクと情念たっぷりの歌が溶け合う「命の花」、アシッドジャズ系の軽快なトラックの中で恋愛の苦しみに沈む女性を描いた「Baby Pink」なども印象的だ。

「KATHMANDU」配信中

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「FROZEN ROSES」ジャケット

ユーミンにとって90年代最後のアルバム「FROZEN ROSES」は、彼女のキャリアの中でもっともバラエティに富んだ作品の1つ。「Lost Highway」「Raga#3」などシャングリラ公演「YUMING SPECTACLE SHANGRILA」のために制作された楽曲も収められている。タイトなドラム、ブルージ―なギター、緻密なコードワーク、「みんな去ってゆく」「青い影をたち切って」というフレーズが絡み合う「恋は死んでしまった」、ノイジーなギターサウンド、DJスクラッチなどを取り入れた「Sweet Surrender」など味わい深い楽曲も多い。

「FROZEN ROSES」配信中

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「Wings of Winter, Shades of Summer」ジャケット

2002年発表の「Wings of Winter, Shades of Summer」のコンセプトは、21世紀バージョンの「SURF&SNOW」。実際にスキー場や海に行くのではなく、バーチャルな世界でリゾートの雰囲気を味わうというのが、その中心的なテーマだ。バブル崩壊、リーマンショックなど経済が衰退する時代において、いかに魔法のような素晴らしい瞬間を作り出せるか?──2000年代以降のユーミンはおそらく、そういう命題と向き合っている。本作に収録された楽曲、例えばフィンランドをイメージして制作されたという「Northern Lights」、海辺の音から始まり、きらびやかなバンドサウンドと共にサーフィンの快楽を描いた「Rodeo」を聴いているときの“ここではない、どこか”へ連れて行かれる感覚をぜひ味わってほしい。

「Wings of Winter, Shades of Summer」配信中

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「宇宙図書館」ジャケット

最新オリジナルアルバム「宇宙図書館」(2016年発売)は時空と場所を越えた叡智を集約した“宇宙図書館”をモチーフに、ユーミンの永遠のテーマである“時間”“普遍性”“ポップ”をさらに追求した作品だ。「残火」(映画「真田十勇士」主題歌)をはじめとするタイアップ曲が多数収録された本作は、オリジナルアルバムとしては「Cowgirl Dreamin'」以来、約19年ぶりにチャート1位を獲得。壮大なサウンドスケープと運命的な愛を描いた「あなたに会う旅」、ビッグバンドジャズ、往年のミュージカル音楽のエッセンスをたっぷり取り入れた「月までひとっ飛び」など、音楽的な充実度も高い。

「宇宙図書館」配信中

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