音楽ナタリー PowerPush - 夢みるアドレセンス
志田友美、松隈ケンタ、connie鼎談 松隈流とconnie流 それぞれのアイドル楽曲の作り方
人に見せない裏の志田友美を見せる
──connieさんが志田さんに提供するとしたら、どんな楽曲を?
connie 志田さんってちゃんと接してくれるじゃないですか。
志田 はい?
connie なんていうんだろう。こうやって人を元気にしてくれる人って、意外と家に帰ると1人で反省していたり、内面は傷付いていたりってことが多いんじゃないかなって思うんですよ。
志田 なんか占い師さんみたい(笑)。
松隈 わかります。彼女、優しいですからね。
connie だからね、楽曲もポジティブとは反対の方向性のものをやってみたいなって思いました。
──みんなに見せているいつもの志田友美ではなく、人に見せない裏の志田友美を歌にすると?
connie そうです。
──Negiccoさんにもそういう方がいらっしゃるんですか?
connie Negiccoでいえば、Meguですかね。元気キャラですけど意外と傷付きやすいみたいな。ちょっと志田さんと重なるところもあるかなって思って。
──影のあるキャラクターも面白そうですね。志田さん、女優業もやられてますから。
志田 昨年「仮面ライダー鎧武」でヒロイン役をやらせていただきました。
connie え!? 今気付いた! それ、めっちゃ見てました! すげえ!!
志田 あ、私です、それ!
松隈 connieさん! 早くサインもらって!
connie わあ、すげえ! 初めまして!
志田 あはははは(笑)。
誰が歌うとかあまり考えない
──松隈さんは「Bye Bye My Days」の制作はどうでしたか?
松隈 今回、何曲か候補の曲を作りましたね。10曲以上は作って提案させてもらって。中には変化球みたいな曲もあったけど、やっぱりメジャーデビュー曲として即したものが選ばれて、そこからまたアレンジを繰り返していきました。僕は「松隈さんっぽいテイストの楽曲ください」って言われて作ることが多いんですけど、そういうときはもう好きに作っちゃうんですよ。だから誰が歌うとかあまり考えない。
──夢アドのこともまったく調べず?
松隈 あえてしなかったですね。公式サイトもいまだに見たことないです(笑)。唯一PVはちょっと見たかな。だから今回、彼女たちの過去の曲を一切聴かずに作ったんですよ。
──最近でいうと、でんぱ組.incさんに楽曲提供したときも同じ感じで?
松隈 BiSと楽曲交換したときにやってた「でんでんぱっしょん」くらいしか聴いたことないですね(笑)。だからBiS以外のアーティストさんに楽曲提供すると、「テイストが違う!」って言われることもしばしばです。
──でも聴いてないんだから仕方ないですよね(笑)。
松隈 まあそうなんですけどね。作り手としてはあえて意識しすぎないほうがいいのかなって思うので。漠然とした情報だけでイメージして、今回の曲についても“新人のアイドルグループがデビューするときの曲”っていう感覚で作りました。
志田 めっちゃいい曲です。イントロから、もう。
松隈 アレンジはけっこうこだわりました。いろんなギタリスト連れてきて、いくつもパターンを録ったんですよ。イントロだけでも15パターンくらいかな。朝から晩までギター録ってました(笑)。だからね、完全にバンドのレコーディングみたいな感じだったんです。
──アイドルの楽曲制作の手法ではないですよね。
松隈 彼女たちのレコーディングが終わったあとも、1カ月くらいアレンジやってましたから。時間が許す限りはいいものにしたいなって。
──初めて楽曲提供するグループにそこまでやることもなかなかないんじゃないですか?
松隈 やっぱり面白かったんですよ。全部自分のチームでできたことも大きかったです。アレンジャーだけ外部の違う人とかだとこうはならなかった。
──やっぱり想定していたものからイメージがかけ離れちゃったり?
松隈 そうなることもありますね。で、あまり愛着が沸かなくなる。だからトータルプロデュースできたのはよかった。今回はウチの田中圭太っていう若手が書いてるんですけど、彼は僕みたいに凶悪じゃない、優しい曲を得意としてるので、それもすごくハマったなって思います。
──全部松隈さんがやってたらまた違う楽曲になってたでしょうね(笑)。
松隈 炎上しちゃうかも(笑)。だから今回、スタッフさんたちにはいいバランサーになってもらえて助かりました。
connie 本当に理想的な制作環境ですね。
松隈 connieさんは1人で作られてるんですか?
connie 今回は作曲だけやらせていただきました。作詞・編曲を三浦康嗣さんが担当してくださって、僕のイメージ以上に素晴らしいものに仕上げていただきました。
──松隈さんと同じく、全部を1人で請け負いたいという気持ちは?
connie そういうお話があれば、それはそれでありがたいです。でも三浦さんは僕では想像できないようなアレンジをやってくれるので、すごいなって思うんです。Negiccoのアルバムでも三浦さんに作詞・作曲・アレンジと全部をお願いした楽曲があって、この先もご一緒したいなって思いました。
──connieさんの作るメロディに対する理解があると?
connie そうですね。メロディに関しては本当に尊重してくださるので。そこに三浦さんならではの世界観が合わさって。今回の楽曲も夢アドさんのイメージにハマっていたし、歌詞もキュートですごいなって思いました。
──connieさんの想像していた夢アド像を形にしていましたか?
connie 私の最初のイメージはもうちょっとノリノリな感じでしたけど、これはこれで夢アドさんのおしゃれな感じとかかわいらしさを表してるなと。
次のページ » 新しい夢アドの扉が開いた
- メジャーデビューシングル「Bye Bye My Days」/ 2015年3月18日発売 / Sony Music Associated Records
- 初回生産限定盤A [CD+DVD]1700円 / AICL-2835~6
- 初回生産限定盤B [CD+DVD]1700円 / AICL-2837~8
- 初回生産限定盤C [CD]1000円 / AICL-2839
- 通常盤 [CD]1000円 / AICL-2840
初回限定盤A・B、通常盤 CD収録曲
- Bye Bye My Days
[作詞・作曲・編曲:田仲圭太(SCRAMBLES) / サウンドプロデュース:松隈ケンタ(SCRAMBLES)] - DATE COUNT FIVE
[作曲:connie / 作詞・編曲:三浦康嗣(□□□)] - Bye Bye My Days(Instrumental)
- DATE COUNT FIVE(Instrumental)
初回限定盤C CD収録曲
- Bye Bye My Days
- フォトシンテシス
[作詞・作曲:渡辺翔 / 編曲:渡辺和紀] - Bye Bye My Days(Instrumental)
- フォトシンテシス(Instrumental)
初回限定盤A DVD収録内容
- Bye Bye My Days(Music Video)
- Bye Bye My Days(Making of Music Video)
初回限定盤B DVD収録内容
- DATE COUNT FIVE(Music Video)
- DATE COUNT FIVE(Making of Music Video)
夢みるアドレセンス #ユメトモの輪ツアー2015春 ~日経エンタ!さん、ごめんなさい!わたしたち結局、メジャーデビューしちゃいます東・名・阪TOUR~
- 2015年4月25日(土)東京都 中野サンプラザホール
夢みるアドレセンス(ユメミルアドレセンス)
荻野可鈴、山田朱莉、志田友美、小林玲、京佳の5人からなる女性アイドルグループ。人気ティーンファッション誌モデルを中心として2012年にグループ結成。ひたむきなステージパフォーマンスが同世代だけでなく、 幅広い層の支持・共感を集めている。2013年、2枚のミニアルバム「泣き虫スナイパ→」、「純情マリオネット」をリリースし、2014年4月には初の全国流通盤シングル「マワルセカイ」を発表。同年12月、グループ最大規模の東京国際フォーラムでのライブを成功させた。2015年3月にソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズよりメジャーデビュー。メジャー1stシングル「Bye Bye My Days」を発表し、4月には中野サンプラザホールでのライブが決定している。
松隈ケンタ(マツクマケンタ)
福岡県出身の音楽プロデューサー。自身で作詞・作曲・編曲も行い、BiSのサウンドプロデュースを中心に幅広くアーティストに楽曲を提供する。2011年には音楽制作チーム「SCRAMBLES」を結成し、株式会社SCRAMBLESを2014年に設立。代表取締役に就任する。
connie(コニー)
新潟在住の音楽家で自身もスクーラビーというバンドでドラマーとして活動中。Negiccoのサウンドプロデュースを担当するほか、さまざまなアーティストへの楽曲提供も行っている。