音楽ナタリー Power Push - ゆくえしれずつれづれ

グループ崩壊の先にあるもの

曲そのものを動きで表現

──アルバムの収録曲の中で特に気に入ってる曲はどれですか?

まれ・A・小町

小町 1曲だけちょっとおとなしめなトーンの「インディースキン」です。ほかの曲の歌詞には難しい言葉が使われがちなんですけど、この曲の歌詞はきれいでまっすぐな感じ。それとこの曲では歌詞を読んで感じたことをそのままライブに取り入れたいと思って、小町がダンスを考えたんです。曲に振りを当てはめるんじゃなくて、曲そのものを動きで表現したいと思っていたんですけど難しくて、すごく悔しい思いをした曲でもあります。大好きだからこそ、悔しかった。

──自分が思い描いているものには、まだ届かなかったんですね。

小町 そうなんです。ダンスの経験とかもないので、体を使った表現というのがどういうことなのかってところから悩んでしまって。

◎屋 この曲のダンス、すごく難しいんです。小町の感性って、基本的には誰にも真似できないものだと思いますし、ダンスを覚えても小町の思い描いている動きになっているかと言うと、まだまだだと感じていて。これからもっと詰めていかなきゃいけない曲です。

小町 自分で考えたダンスを伝えるのも難しくて。どこに力を入れているとか、うねってほしいとかっていうのを言葉で伝えるのはとても大変でした。

──艶奴さんの思い入れの強い曲はどれですか?

 ダントツで「Doppelgänger」ですね。

◎屋 デモの段階から好きだったよね。

英艶奴

 つれづれにしてはちょっとポップなほうの曲なんですけど、デモを聴いたときから何回も聴いちゃうくらいハマってる曲です。もともと邦楽ロックをよく聴いていたので、こういうロックな曲が大好きで。

◎屋 ライブ映えする曲ですよね。

 初披露の曲だったのに、群青さんが手を上げてくれて。4人で手を高く上げる振り付けがあるんですけど、仲間っぽさがすごいんですよ! 「ONE PIECE」みたいな感じ(笑)。

◎屋 つれづれって統一感のないグループだと思うんですけれど、こういうときに動きを合わせるのは気持ちいいですよね。

私たちを引っ張ってくれる曲

──子子子さんの好きな曲はどれですか?

子子子 アルバムの最後の曲「逝キ死ニ概論」です。さっきも話に出てきた、シャウトじゃなくて私たちの叫びを吹き込んだ曲なんですけど、できあがりを聴いてみてその叫びにゾクゾクしたんですよね。

◎屋 この曲は聴いていて苦しい曲だと思います。タイトルの「逝キ死ニ概論」がすでに重い言葉ですからね。

子子子

子子子 歌詞もちょっと切ないんですよ。

◎屋 私も「逝キ死ニ概論」が好きなんですけど、リード曲の「ポストカタストロフ」がやっぱり一番大事な曲だと思っています。

──それはなぜですか?

◎屋 例えば私たちのことを知らない人にこの曲を聴いていただいたとき、「あ、こういうイメージのグループなんだ」っていうのが一番わかりやすく伝わる曲だと思うので。つれづれらしさが全部詰まっていて、おそらくこれから先、私たちを引っ張ってくれる曲になるんじゃないかって。

──グループにとって大事な曲がたくさん詰め込まれた作品になりましたね。

◎屋 今回の作品がフルアルバムで本当によかったと思うんです。最後の曲「逝キ死ニ概論」の苦しさっていうのも、それまで9曲を経てきたことで伝わりやすくなってると思いますし。ただ新曲がたくさん増えたから振り付けが大変で(笑)。

小町 そうそう。ライブまでにちゃんと仕上げなきゃいけない。

1stフルアルバム「ポスト過多ストロフィー」 / 2016年12月7日発売
[CD] 2000円 / コドモメンタルINC / CMI-0017
収録曲
  1. ポストカタストロフ
  2. Doppelgänger
  3. 契りひらり
  4. the End of…
  5. Psycho-Hi
  6. ニーチェとの戯曲
  7. インディースキン
  8. 六落叫
  9. Word flood Moment
  10. 逝キ死ニ概論

ゆくえしれずつれづれ
「東名阪ワンマンツアー~ポスト禍誰ストロフィーTOUR~」

2016年12月11日(日)
大阪府 心斎橋VARON
2016年12月17日(土)
東京都 SHIBUYA CYCLONE
2016年12月23日(金・祝)
愛知県 CLUB 3Star IMAIKE
ゆくえしれずつれづれ
ゆくえしれずつれづれ

「だつりょく系げきじょう系」をコンセプトに活動するアイドルユニット。2015年12月に1st配信シングル「凶葬詩壱鳴り feat. ぜんぶ君のせいだ。」をリリースし、◎屋しだれ、まれ・A・小町、想九里倫の3人で活動をスタートさせる。2016年1月、初ライブを前にして想九里が体調不良のためユニットからの脱退が決定。新メンバーとして潮賽乃吉が加入するが、潮賽も体調不良のためユニットを脱退した。2016年5月に1stミニアルバム「Antino未deology」をリリース。またオーディションの結果、英艶奴と子子子の2名が新メンバーとしてユニットに加わった。同年8月、4人体制で初となるシングル「六落叫 / ニーチェとの戯曲」を発表。さらに同年12月、初のフルアルバム「ポスト過多ストロフィー」をリリースした。