音楽ナタリー Power Push - ゆくえしれずつれづれ
グループ崩壊の先にあるもの
今までのつれづれを崩した
──グループの注目度も半年前に比べて上がっていると思いますが、皆さん自身に実感はありますか?
◎屋 規模感がものすごく変わったような感覚はないんですけど、対バンとかで「一緒にやれてうれしいです」っておっしゃっていただけることが多くなりましたね。オファーも増えたと思います。
子子子 SNSとかでお客さんが「観るのを楽しみにしてます」と言ってたりもするよね。
──ファン層の変化は感じてますか?
◎屋 最初はやっぱりコドモメンタルINC.所属だということで、ぜんぶ君のせいだ。さんのお客さんが多かったんです。ただ実際に歌っている曲の雰囲気が全然違いますから、ぜん君。さんのお客さんはやや離れていき、そこからハードコアパンクが好きなお客様たちが増えていると思います。でも艶奴と子子子が入ったことによって普通のアイドル好きな方がライブに来てくれることも多くなりましたね。
小町 2人の存在でグループのイメージが変わって、入りやすくなったと思いますから。2人のままだったらもっとコアな方向になってたと思う。
◎屋 “鬱アイドル”みたいなものになってた可能性があります(笑)。
小町 変わったよね。私たちも。
◎屋 アルバムタイトル「ポスト過多ストロフィー」のカタストロフィーは「崩壊」とか「悲劇的な結末」という意味があるんですけど、ある意味2人が入る前までのつれづれを崩したからこそできたアルバムなんです。ずっとグループにいる私が言うのも変なんですけど、ゆくえしれずつれづれというグループはいい意味で一度崩壊して、このアルバムからがスタートになる。これからどうやっていくかが大事なんだと思っています。
10曲入りの“モンスターアルバム”
──4人体制になってグループが安定したところで、初めてのフルアルバムがリリースされるという流れはとてもいいですよね。
◎屋 レコーディングは大変でしたけど、フルアルバムが作れたってことは感慨深いですね。5月にリリースしたミニアルバム「Antino未deology」は、いい意味で刹那的な作品だと感じていたんですけど、今回はものすごいエネルギーを持った曲が10曲並んでるんです。これはすごい“モンスターアルバム”ですよ。
小町 自分で言っちゃうんだ(笑)。
◎屋 言いますよ。これはすごいと素直に思いましたもん。もうこのままの曲順で10曲全部ライブをやりたいと思いましたし、ライブのときの反応もきっといいっていう確信がありました。1曲目の「ポストカタストロフ」からすさまじいですから。つれづれを全部詰め込んだような曲調で。
子子子 EDM調の部分があって、シャウトがあって、ちょっとした遊び心みたいな転調もあって、ものすごく展開が激しい曲だよね。
◎屋 つれづれのTwitterアカウントで試聴音源を公開したときの反響もすごく大きかったです。
──1曲目の「ポストカタストロフ」もインパクトがあるけど、2曲目「Doppelgänger」でガラっと雰囲気を変えるのも印象的でした。
◎屋 全然違う曲調なんですよね。全編通してつれづれの特徴でもある日本語でのポエトリーリーディングも入れているんですけど、全部の曲で本当に攻めてると思います。
──曲によって歌い方も違ったりするから大変じゃないですか?
◎屋 「逝キ死ニ概論」という曲ではレコーディングのときに「シャウトではなくて、叫んでください」って言われたんです。ただ「叫ぶだけって、どうやってやるんだっけ?」ってなりまして。逆に難しかった覚えがあります。
小町 そういう新しい挑戦をしてる曲が多いよね。
──どの曲もすごく力が入っているから、このアルバムを収録曲順で披露したらかなり体力が必要なんじゃないですか?
◎屋 おそらく観るほうもたまったもんじゃないと思います(笑)。ドッと疲れるというか。
子子子 11月のライブではすでに何曲かアルバムで披露したんですけど、本当に酸欠になりそうなくらい苦しかったです。
◎屋 基本的に私たちはMCがないので、ひたすら歌い続けることになるんです。
子子子 ちょっと体力付けなきゃなって思いました。
英 でも艶奴は生誕祭で15曲歌ったとき、そんなに疲れなかったんですよ!
◎屋 あのね、艶奴はあまり動いてなかったから。
一同 (笑)。
英 そっか(笑)。人よりも動かないし、汗もそんなにかかなかった。
◎屋 艶奴はこれから先ずっと大丈夫だと思う(笑)。そういう役割を持っていますから。
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- 1stフルアルバム「ポスト過多ストロフィー」 / 2016年12月7日発売
- [CD] 2000円 / コドモメンタルINC / CMI-0017
収録曲
- ポストカタストロフ
- Doppelgänger
- 契りひらり
- the End of…
- Psycho-Hi
- ニーチェとの戯曲
- インディースキン
- 六落叫
- Word flood Moment
- 逝キ死ニ概論
ゆくえしれずつれづれ
「東名阪ワンマンツアー~ポスト禍誰ストロフィーTOUR~」
- 2016年12月11日(日)
- 大阪府 心斎橋VARON
- 2016年12月17日(土)
- 東京都 SHIBUYA CYCLONE
- 2016年12月23日(金・祝)
- 愛知県 CLUB 3Star IMAIKE
ゆくえしれずつれづれ
「だつりょく系げきじょう系」をコンセプトに活動するアイドルユニット。2015年12月に1st配信シングル「凶葬詩壱鳴り feat. ぜんぶ君のせいだ。」をリリースし、◎屋しだれ、まれ・A・小町、想九里倫の3人で活動をスタートさせる。2016年1月、初ライブを前にして想九里が体調不良のためユニットからの脱退が決定。新メンバーとして潮賽乃吉が加入するが、潮賽も体調不良のためユニットを脱退した。2016年5月に1stミニアルバム「Antino未deology」をリリース。またオーディションの結果、英艶奴と子子子の2名が新メンバーとしてユニットに加わった。同年8月、4人体制で初となるシングル「六落叫 / ニーチェとの戯曲」を発表。さらに同年12月、初のフルアルバム「ポスト過多ストロフィー」をリリースした。