ナタリー PowerPush - YUKI
私には歌いたい歌がある アルバム「megaphonic」完成
私はみんなのパワーをもらって、ステージ上で大きくなっている
──今作の歌詞には、「笑顔」「笑う」という言葉が何回も出てきます。
「笑いとばせ」は、デモを聴いたときからとても気に入ってしまって、すぐにでもレコーディングしたいと決めて、かなり前に作っていた曲だったんです。「笑いとばせ」という言葉ができたときに、これは今鳴らさなくては!と思ったんですよ。聴いてくれる人たちが私のメッセージを受け取ってくれたり、歌を口ずさんでくれたり、楽しい気持ちになって踊りたくなったりしてほしいなという思いが、笑顔や笑うという言葉につながったんだと思います。
──アルバムのタイトル「megaphonic」には「最高の音」「最大の音」という意味があるそうですね。
アルバム制作を始める前から、新しいアルバムは明るくて、力強いアルバムにしたいと漠然と考えていました。それは普段の私が出ているアルバムではなくて、ステージ上の私というイメージがあったからなんですね。ステージ上の私はいろいろな魔法が掛けられて、私一人ではできないこともできるし、小さな声がどんどん大きくなって、もっともっと響かせることができる。焦点は今の自分が楽しいかどうかにあるけれど、私は決して自分のためだけに歌っているのではなく、私が歌うことで誰かが楽しくなるのならば、いくらでも私は歌いたいと思っています。だからこそ真剣に笑い飛ばすこと、気持ちを強く持つことを、私は歌でやりたい。そういう思いから、“強い”とか“大きい”というキーワードが自然と生まれてきました。みんなのパワーをもらって、ステージ上で大きくなっている私をひと言で表す言葉はなんだろうと探したら、「megaphonic」という言葉が出てきたんです。収録曲のほとんどはこの言葉に向かって、この言葉に導かれるように作られていったんですよ。
──最後に収録した「集まろう for tomorrow」は、始まりの歌でもあります。
そうなんです。この歌で私がいちばん言いたかったのは「祈ろう」という部分。祈りという目に見えないものをいつくしみ、信じ、尊敬する気持ちを大事にしたいという思いは、これからもいろいろな表現といろいろな言葉で書いていくんだろうなと思っています。
──10月からは全国アリーナツアー「YUKI tour "MEGAPHONIC" 2011」がスタートします。
「megaphonic」を携えたツアーではありますけど、新旧織り交ぜた選曲にする予定です。とにかく、これでもかというくらい楽しいライブにしたい。既に準備はできているので、あとは私が歌うだけです。自信をもって“今のYUKI”をお届けします!
CD収録曲
- Hello!
- 勇敢なヴァニラアイスクリーム
- 揺れるスカート
- 鳴いてる怪獣
- クライマー・クライマー
- マイ・プライヴェート・アイダホ
- Wild Ladies
- ひみつ
- 2人のストーリー
- あの娘になりたい
- 笑いとばせ
- 相思相愛
- 集まろう for tomorrow
DVD収録曲
- 2人のストーリー(music video)
- ひみつ~おもわせぶりver.~(music video)
- ひみつ~あとしらなみver.~(music video)
YUKI(ゆき)
1972年生まれ、北海道出身の女性シンガー。1993年にJUDY AND MARYのボーカリストとしてデビュー。2001年の解散までに、数々のヒット曲や名アルバムを発表する。また、1999年のバンド活動休止中にはTHE B-52'Sのケイト・ピアソンらとスペシャルバンド「NiNa」を結成。さらに2001年にはCHARAやちわきまゆみらとガールズバンド「Mean Machine」を立ち上げ、ドラマーを務めた。
2002年にシングル「the end of shite」で本格的なソロ活動をスタート。先鋭的なサウンドとビジュアルで、唯一無二の世界観を確立した。2007年10月には、ソロ活動5周年を記念したベストアルバム「five-star」がオリコンウィークリーチャート1位を獲得している。
そして2010年には積極的な活動を展開。シングル2枚、オリジナルアルバム1枚、ライブアルバム1枚を発表したほか、5月にJ-WAVE主催のスペシャルライブ、6月に東京・Bunkamuraオーチャードホールにてワンマンライブ2DAYSを実施。夏フェス出演を経て、秋にはソロとして最大規模の全国ツアー「YUKI concert tour 2010“うれしくって抱きあうよ”」を行った。2011年もその勢いは留まることを知らず、これまでにシングル2枚、DVD1枚をリリースしている。8月に待望のニューアルバム「megaphonic」を発表。