この世代は黄金世代
──「YON FES」は同世代のバンドが多いですが、この同世代のバンドを取り巻くシーンをお二人はどう見ていますか?
GEN この世代は黄金世代だなと思ってます。まずバンドがすごく多いし、それこそ「YON FES」の1年目に出たバンドってみんなバンドの状況がよくなってる。Rhythmic Toy Worldはこれからメジャーデビューするし、sumikaはすごい人気だし、ENTHも人気が出てきてるし、My Hair is Badも武道館だし、SUPER BEAVERもどのフェスでもメインステージだし……WANIMAなんかもう姿が見えないくらい先に行っちゃってる。うん、やっぱりこの世代がキテるなって思いますね。
ヤマサキ 俺はフォーリミとオーラル(THE ORAL CIGARETTES)のバチバチ感をずっと見てる。どっちかが前に進んだと思ったらもう一方がまた来る、みたいな。俺らのほうが列伝(「スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR」)出たのちょっと早いんでお兄さんとして。
GEN ちょっと俯瞰気味に。
ヤマサキ そうそう。「こいつら面白いなあ」って思いながら、「出す曲出す曲当たるなあ」って思いながら(笑)。どっちも譲らねえなあって。My Hair is Badとかも出てきてるし、面白いなあと思いますね。
GEN この世代のバンドはみんな、負けたくない感がすごくありますよね。それこそオーラルは初年度の1日目に出ていいライブしてくれたんですけど、(山中)拓也が「先に主催フェスをやられて超悔しい」みたいにちょっとふてくされててかわいかったです(笑)。
ヤマサキ 拓也は負けん気が強いよな。列伝あたりから。
GEN そうですね(笑)。拓也は俺に煽られると「なにくそ」ってなるのがわかってるからさらに言っちゃう(笑)。
ヤマサキ こいつら、いい関係なんすよ。でも「俯瞰で見てる」とは言ってますけど、正直、俺は「俺たちもがんばらないと!」とは思ってます。すごい刺激を受けてます。
「みんなで生き残ろうぜ」精神を教えてもらった
──「YON FES」1年目のときのインタビューでGENさんが「『YON FES』に呼ぶ、呼ばれるという1つの関係性があれば、僕たちもバンドを長く続けていけるかもしれないという思いがある」と話していましたが(参照:「YON FES 2016」特集 メンバーインタビュー)本当にそういう関係が築けてきているんですね。
GEN そうですね。人気という意味では浮き沈みって絶対あると思うんですけど、僕らとキュウソとか「YON FES」に出てくれてるバンドの関係は変わらないと思うので、もし僕らの人気が極端になくなったとしてもキュウソが全国ツアーやるってなったらたぶん何カ所か呼んでくれるんじゃないかと(笑)。
ヤマサキ 絶対呼ぶ!(笑)
GEN そうやって何かしらチャンスをくれると思うんですよ。「YON FES」に出てくれているアーティストとはそういう損得勘定を飛び越えた関係性かなって。
ヤマサキ そういう精神がね、俺らには勉強になってる。俺らがよくやってた神戸のライブハウスって横のつながりがあんまりなくて。自分たちがライブやったら、ほかのバンドのライブは観ずに帰る。友達も作らないし、俺は神戸時代は打ち上げ1回も行ったことない。だから誰かを助けるみたいな気持ちは一切なくて、むしろ蹴落としてきてたんですよ。
GEN そうなんですね。
ヤマサキ だから今、こうやって横のつながりの大切さを教えてもらってる感じ。
GEN どうでもいい、ダサいなと思うバンドだったら蹴落とす気持ちでやりますけど、カッコいいと思ってるバンドには長く人気でいてほしいし、僕らも人気で居続けたい。例えばBiSHが今後「紅白(歌合戦)」とかに出るようになったとしたら「僕はBiSHを呼んだバンドの1人です」って言える(笑)。僕らがそういう義理を大切にするから、みんなも大切にしてくれるんですよね。それは嫌らしい感じじゃないですよ、「俺に貸しあるよな?」みたいな感じじゃなくて。お互い贔屓し合って、癒着し合っていったらこれからもずっと音楽で食っていけるんじゃないかな。
ヤマサキ その「みんなで生き残ろうぜ」という精神はフォーリミからここ2、3年で教えてもらいましたね。俺らも、メジャーデビューするちょっと前くらいから友達ができるようになりましたけど、そんなふうに手を差し伸べる余裕とかはないと思ってた。だから同世代がフェスを立ち上げて、「生き残っていこうぜ」の精神があるのは本当にアツい。あと、毎年呼ばれているからって「もう大丈夫だ」と思うんじゃなくて「来年も呼んでもらえるようにがんばろう」という気持ちになります。さすがに4回目はないと思ってるけど(笑)、3年後くらいにまた呼んでもらえるようにがんばろうと。
GEN こうやって「呼んでよ」とか言われるのもうれしいですね。「こういうイベントで、こういう気持ちだから出てほしいんです」って説明してたところから始まって、今は「YON FES」っていうイベントが認知されて、先輩からも「呼んでよ」って言ってもらえるので。
今年の「YON FES」はどうなる
──では最後に今年の「YON FES」に向けての意気込みを聞かせてください。
GEN 今年は音楽性はバラバラだけど混ざりそうなバンドを呼んだつもりなんです。だからどう混ざるかが楽しみだし、今まで以上に自分たちに重たいバトンが回ってくるような気がするのでプレッシャーもありますね。ホルモン(マキシマム ザ ホルモン)って今活動してるバンドの中で最強のライブバンドだと思ってるんです。最近のライブめちゃくちゃすごいし、それこそそもそも自分がバンド始める前から聴いてた人が自分たちのイベントに出てくれるので、そこを超えられるかどうかが大きいです。
ヤマサキ ホルモンのパワーはやばいな。
GEN あとはキュウソと四星球の戦いも楽しみです(笑)。
ヤマサキ いやいや(笑)。
GEN 僕らは、キュウソとか四星球とかそういうバンドからもっと学ばなきゃと思うんですよ。ライブ1本1本、盛り上げたりお客さんを楽しませたりすることを全力で考えていて。もちろん僕らもそういう気持ちはありますけど。
ヤマサキ 楽しませることって大事よなめっちゃ。「好きなことやる」にプラスで楽しませるっていうのは。
GEN はい。しかもキュウソも四星球も、作り上げられたショーって感じがしなくて生々しい。あんなに展開が考えられているのに、ライブ観てると自然と拳が上がっちゃうので、大好きです。あとキュウソはバンドマンらしい熱さもあるけど、頭も使っていて、僕らとは違う視点で時代を見てるなと思っていて。SNSの使い方とかも。戦い方が違って面白いなあと思いますね。
ヤマサキ 逆にフォーリミは正統派で行けてるからうらやましいけどな。俺らはいろんな技を使ってるから。
──そんないろんな技を持つキュウソネコカミは今年の「YON FES」ではどんなライブをしようと思っていますか?
ヤマサキ 新曲をたくさんやりたいと思ってます。これまでの2回と同じことはしたくないし、「前に進んでますよ」ということをたくさんの人の前で言いたい。もちろんフェスで盛り上がる曲は持ってますけど、それをずっとやっていくのはミュージシャンとしてつまらないので同世代のやつがやってる「YON FES」でこそ新しい曲を披露できたらと。
GEN うれしい。楽しみです。
- 2018年4月7日(土)
愛知県 愛・地球博記念公園(モリコロパーク)
<出演者>
04 Limited Sazabys / Dizzy Sunfist / go!go!vanillas / THE ORAL CIGARETTES / ORANGE RANGE / SHANK / SIX LOUNGE / teto / yonige / キュウソネコカミ / 四星球 - 2018年4月8日(日)
愛知県 愛・地球博記念公園(モリコロパーク)
<出演者>
04 Limited Sazabys / BiSH / COUNTRY YARD / Crossfaith / DATS / ENTH / HEY-SMITH / My Hair is Bad / フレデリック / フレンズ / マキシマム ザ ホルモン
- 04 Limited Sazabys「My HERO / 夕凪」
- 2018年3月14日発売 / 日本コロムビア
-
12cmCD
1000円 / COCA-17431 -
8cmCD
(完全生産限定)
1000円 / CODA-4001 -
カセットテープ
(完全生産限定)
1000円 / COSA-2359 -
アナログレコード
(完全生産限定)
1000円 / COKA-63 -
※全形態共に収録楽曲をスマホで簡単再生できるプレイパス対応
- 収録曲
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- My HERO
- 夕凪
- キュウソネコカミ「越えていけ / The band」
- 2018年4月25日発売 / Getting Better
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初回限定盤 [CD+DVD]
1620円 / VIZL-1376 -
通常盤 [CD]
1080円 / VICL-37384
- CD収録曲
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- 越えていけ
- MUKI不MUKI
- The band
04 Limited Sazabys ライブ情報
- 04 Limited Sazabys 10th Anniversary Live
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- 2018年4月29日(日・祝)神奈川県 横浜アリーナ
- 2018年5月5日(土・祝)愛知県 日本ガイシホール
- 2018年5月11日(金)大阪府 大阪城ホール
キュウソネコカミ ライブ情報
- キュウソネコカミ「DMCC REAL ONEMAN TOUR 2018」(終了分は割愛)
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- 2018年3月29日(木)愛知県 Zepp Nagoya
- 2018年4月5日(木)東京都 新木場STUDIO COAST
- 2018年4月6日(金)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
- 2018年4月14日(土)兵庫県 ワールド記念ホール
- 2018年4月21日(土)台湾 台北WALL
- 04 Limited Sazabys(フォーリミテッドサザビーズ)
- 2008年に愛知県名古屋市にて結成された、GEN(B, Vo)、HIROKAZ(G)、RYU-TA(G, Cho)、KOUHEI(Dr, Cho)によるロックバンド。2013年5月に発表した2ndミニアルバム「sonor」より日本語詞を多く取り入れ、楽曲の幅を広げる。メロディックパンクやギターロック、ラウドロックなど、さまざまなジャンルのバンドと競演を重ね、2014年2月に3rdミニアルバム「monolith」、同年9月に1stシングル「YON」をリリース。2015年4月に1stフルアルバム「CAVU」を日本コロムビアから発売し、メジャーデビューを果たした。同年10月にメジャー1stシングル「TOY」を、2016年3月に1st DVD「MOMENT」を発売。4月には初の主催フェス「YON FES 2016」を大成功に収めた。ニューシングル「AIM」を6月に発表し、9月に2ndフルアルバム「eureka」をリリース。2017年2月に初の東京・日本武道館公演を成功に収め、8月にシングル「Squall」を発表した。2018年3月にドラマ「ドラマ24 第50弾特別企画『オー・マイ・ジャンプ!~少年ジャンプが地球を救う~』」のオープニングテーマ「My HERO」を収録したシングル「My HERO / 夕凪」をリリース。4月から5月にかけて、バンドの結成10周年を記念したライブ「04 Limited Sazabys 10th Anniversary Live」を神奈川・横浜アリーナ、愛知・日本ガイシホール、大阪・大阪城ホールにて行う。
- キュウソネコカミ
- ヤマサキセイヤ(Vo, G)、ヨコタシンノスケ(Key, Vo)、オカザワカズマ(G)、カワクボタクロウ(B)、ソゴウタイスケ(Dr)からなる5人組ロックバンド。2009年末に大学の就活敗残者を中心に兵庫県西宮で結成される。インディーズでの活躍を経て、2014年6月にリリースしたミニアルバム「チェンジ ザ ワールド」でメジャー進出。破天荒なステージパフォーマンスとは裏腹に、地道な活動で着実に人気を獲得している。2017年3月より多彩なアーティストを迎えての対バンツアー「試練のTAIMAN TOUR 2017」を開催。4月には初のライブアルバム「キュウソネコカミ -THE LIVE- DMCC REAL ONEMAN TOUR 2016/2017 ボロボロ バキバキ クルットゥー」を、12月にはフルアルバム「にゅ~うぇいぶ」を発表した。2018年2月から全国ワンマンツアー「DMCC REAL ONEMAN TOUR 2018 -Despair Makes Cowards Courageous-」を開催。4月にテレビアニメ「メジャーセカンド」のオープニングテーマを含むニューシングル「越えていけ / The band」をリリースする。
2018年4月4日更新