“俺たちのフェス”に
──ヤマサキさんはこれまで2年間出演して「YON FES」の印象は変わりました?
ヤマサキ 1年目はそわそわしてたんですけど、2年目からは俺がやってるわけじゃないのに“俺たちのフェス”感が出てきました。
GEN うれしいですね、それ。
ヤマサキ 先輩ももちろんいらっしゃいますけど、同世代が多いからかほかのいろんなフェスよりも過ごしやすくて。いい意味でも悪い意味でも、好きなように羽根を伸ばせるフェスだなと。先輩たちが「京都大作戦」だったり「DEAD POP FESTiVAL」だったり、横のつながりで作る“俺たちのフェス”を見せてくれてて、今「YON FES」が自分の世代の“俺たちのフェス”になってる。今度は俺たちがそれを下の世代に見せていけるのかなと。
GEN ずっとそう思っててほしいです!
ヤマサキ フェスやりたいって気持ちはずっとあったん?
GEN ありました、ありました。2014年ぐらいから「この場所でやりたいな」と思ってずっと交渉してたんですよ。2年くらい交渉してたのでそのときは「なんでまだできないんだ」と思ってましたけど、もっと早くにできてたら1回目からこんなにパンチあるメンツにできなかったと思うし、この規模ではできなかったんじゃないかなと、今は思えますね。なかなか実現しなかったぶん、1年目からこれだけの仲間が力を貸してくれたんだと思います。
──“俺たちのフェス”感はどういうところから感じるんだと思いますか?
ヤマサキ なんなんですかね。
GEN バックヤードの雰囲気とか? 歳近い人が多いし。
ヤマサキ そうやろうね。これまではイベンターがやってるフェスか、先輩がやってるフェスにしか出たことがなかったから。
GEN 「YON FES」は同世代がやってるフェスなんで、ほかのフェス以上に“対バン感”がすごくあると思うんですよ。ほかのフェスだとみんな与えられた時間でワンマンライブをしてるような感覚だと思うんですけど、バンド主催のフェスは「つないでいく」っていう感じがあるからどうしても対バン感があって。特に同世代のバンドと対バンするときって「負けねえぞ」っていう気持ちが強くなるので、「YON FES」はその気持ちの連続なのかなと思います。
シーンの異なるバンドを絶妙に混ぜられるのが「YON FES」
GEN 今年は初出演のバンドが多いんですが、キュウソとかSHANK、My Hair is Badあたりがいると「YON FES」感が出ますね。
ヤマサキ ずっと出てるの、その3組だけ?
GEN そうですね。
ヤマサキ うわあ、そうなんや。
GEN 3年目にもなると、これまで出てくれてた全員を呼べるわけじゃないし、みんなメインステージになるし、3年連続になる人は誘わないつもりだったんですけど、やっぱりいてほしいなって思って。
──「YON FES」にとってキュウソネコカミはどんな存在ですか? 役割と言うか。
GEN SHANKとかMy Hair is Badとか、去年まで出てくれてたWANIMAとかは同じシーンから出てきたバンドっていう意識があるんですけど、キュウソは違うシーン……SNSから出てきたと思っていて。だからそういう出どころの違うバンド、シーンの違うバンドを絶妙に混ぜたいんです。そういう意味でキュウソはいてほしいんですよね。
ヤマサキ なるほど。
GEN tricotとかもそうですけど「全然知らないところに面白いことやってる人がいる」って思って、気になって観てみたらカッコよかったみたいな。根底にはみんなバンドマン精神を持っていると思うので、交わらなそうなところを混ぜたい。もしキュウソを舐めてる人がいたら「YON FES」で観てもらいたいんですよ、観てもらったらカッコいいのがわかるから。
メロコアの印象を変えた04 Limited Sazabys
──ヤマサキさんはいつから04 Limited Sazabysを知っていました?
ヤマサキ 名前はずっと知ってて。だって04で始まってるんですよ? まず「どう読むんだ?」から始まって。
GEN 「これがフォーリミか!」ってなりますよね。
ヤマサキ それそれ! それやねん! 「04 Limited Sazabys」っていうバンド名は知ってて、「フォーリミ」っていう単語も知ってたんですけど、この「04」から始まるバンドが「フォーリミ」だと思ってなくて。「こいつらがフォーリミか!」って。そこが一致したときにはもうすごい人気が出てたんですけど。僕らはメロコア界隈と全然関わりがなかったし、自分自身がメロコアの曲をあんまり聴かないからチェックしてなかったんですけど、フォーリミの名前を見る頻度がどんどん上がっていくから曲を聴いてみたらめっちゃキャッチーやし、日本語やし。「こいつら来るぞ!」と思ってたらあれよあれよと言う間に(笑)。
GEN 僕らはキュウソがバーンと売れていったのを見てて勇気をもらったと言うか。僕らもずっとインディーズでやってたし、特別に大人のプッシュがあったわけでもなかったから、自分たちでアイデアを出して面白いライブをやってちゃんと届かせていったキュウソには勇気をもらいました。売れて大手のフェスとかに呼ばれるようになって、世の中をひっくり返してる感じを見て「もっとやったれ!」みたいな気持ちに(笑)。
ヤマサキ そうだったんや。あと突然ライブ観に来てくれたよな。DIAMOND HALLに。
GEN あー! そうですね。
──面識がない状態で?
GEN そうです、そうです。名古屋のサーキットイベントの「SAKAE SP-RING」ですね。スタッフとかから「このバンドいいよ」とか言われると、人気が出始めてるバンドは特に「ナンボのもんじゃい」って思うので、キュウソもそういう気持ちで観に行ったんですけど、「最高だぜ!」ってなっちゃって(笑)。そのテンションのまま楽屋に挨拶しに行ったと思います。「すげえよかったっす!」って(笑)。
ヤマサキ わかるわー。キテるバンドは観に行くよなあ。
GEN 行きますよね。
ヤマサキ 観に行って、その評価を勝手にメンバーで共有してる。「あいつら全然よくなかったね」みたいな(笑)。
──そんな皆さんの、04 Limited Sazabysの評価はどうだったんですか?
ヤマサキ めちゃくちゃよかった。「うわあ、こいつらカッコいい!」って。あとメロコアの印象が変わりました。言い方悪いですけど、メロコアって“バキバキの人がやってて、お客さんに女の子いなくて全員激しくて、アンダーグラウンドなライブハウスにいて、先輩も怖い”みたいなイメージだったんですけど、フォーリミ観たら全然違った。先輩も優しい人ばっかりで。
GEN そうなんですよね(笑)。
ヤマサキ そのことを知れたのは、フォーリミと知り合ったおかげです。フォーリミがメロコアの人たちに「キュウソいいよ」って言ってくれたから、今僕らがHEY-SMITHのツアーに呼ばれたりしてるんだと思う。
GEN 今、ヘイとキュウソが仲よくなってるのとか超うれしいですよ。メロコアの人たちって“対ひと”なんですよ。音楽性は置いといて、バンドマンとして好きになれるかなれないか。そういう点で、キュウソは僕がライブ観たときにパンクスだと思ったので、仲よくなれるはずと思いましたね。
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この世代は黄金世代
- 2018年4月7日(土)
愛知県 愛・地球博記念公園(モリコロパーク)
<出演者>
04 Limited Sazabys / Dizzy Sunfist / go!go!vanillas / THE ORAL CIGARETTES / ORANGE RANGE / SHANK / SIX LOUNGE / teto / yonige / キュウソネコカミ / 四星球 - 2018年4月8日(日)
愛知県 愛・地球博記念公園(モリコロパーク)
<出演者>
04 Limited Sazabys / BiSH / COUNTRY YARD / Crossfaith / DATS / ENTH / HEY-SMITH / My Hair is Bad / フレデリック / フレンズ / マキシマム ザ ホルモン
- 04 Limited Sazabys「My HERO / 夕凪」
- 2018年3月14日発売 / 日本コロムビア
-
12cmCD
1000円 / COCA-17431 -
8cmCD
(完全生産限定)
1000円 / CODA-4001 -
カセットテープ
(完全生産限定)
1000円 / COSA-2359 -
アナログレコード
(完全生産限定)
1000円 / COKA-63 -
※全形態共に収録楽曲をスマホで簡単再生できるプレイパス対応
- 収録曲
-
- My HERO
- 夕凪
- キュウソネコカミ「越えていけ / The band」
- 2018年4月25日発売 / Getting Better
-
初回限定盤 [CD+DVD]
1620円 / VIZL-1376 -
通常盤 [CD]
1080円 / VICL-37384
- CD収録曲
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- 越えていけ
- MUKI不MUKI
- The band
04 Limited Sazabys ライブ情報
- 04 Limited Sazabys 10th Anniversary Live
-
- 2018年4月29日(日・祝)神奈川県 横浜アリーナ
- 2018年5月5日(土・祝)愛知県 日本ガイシホール
- 2018年5月11日(金)大阪府 大阪城ホール
キュウソネコカミ ライブ情報
- キュウソネコカミ「DMCC REAL ONEMAN TOUR 2018」(終了分は割愛)
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- 2018年3月29日(木)愛知県 Zepp Nagoya
- 2018年4月5日(木)東京都 新木場STUDIO COAST
- 2018年4月6日(金)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
- 2018年4月14日(土)兵庫県 ワールド記念ホール
- 2018年4月21日(土)台湾 台北WALL
- 04 Limited Sazabys(フォーリミテッドサザビーズ)
- 2008年に愛知県名古屋市にて結成された、GEN(B, Vo)、HIROKAZ(G)、RYU-TA(G, Cho)、KOUHEI(Dr, Cho)によるロックバンド。2013年5月に発表した2ndミニアルバム「sonor」より日本語詞を多く取り入れ、楽曲の幅を広げる。メロディックパンクやギターロック、ラウドロックなど、さまざまなジャンルのバンドと競演を重ね、2014年2月に3rdミニアルバム「monolith」、同年9月に1stシングル「YON」をリリース。2015年4月に1stフルアルバム「CAVU」を日本コロムビアから発売し、メジャーデビューを果たした。同年10月にメジャー1stシングル「TOY」を、2016年3月に1st DVD「MOMENT」を発売。4月には初の主催フェス「YON FES 2016」を大成功に収めた。ニューシングル「AIM」を6月に発表し、9月に2ndフルアルバム「eureka」をリリース。2017年2月に初の東京・日本武道館公演を成功に収め、8月にシングル「Squall」を発表した。2018年3月にドラマ「ドラマ24 第50弾特別企画『オー・マイ・ジャンプ!~少年ジャンプが地球を救う~』」のオープニングテーマ「My HERO」を収録したシングル「My HERO / 夕凪」をリリース。4月から5月にかけて、バンドの結成10周年を記念したライブ「04 Limited Sazabys 10th Anniversary Live」を神奈川・横浜アリーナ、愛知・日本ガイシホール、大阪・大阪城ホールにて行う。
- キュウソネコカミ
- ヤマサキセイヤ(Vo, G)、ヨコタシンノスケ(Key, Vo)、オカザワカズマ(G)、カワクボタクロウ(B)、ソゴウタイスケ(Dr)からなる5人組ロックバンド。2009年末に大学の就活敗残者を中心に兵庫県西宮で結成される。インディーズでの活躍を経て、2014年6月にリリースしたミニアルバム「チェンジ ザ ワールド」でメジャー進出。破天荒なステージパフォーマンスとは裏腹に、地道な活動で着実に人気を獲得している。2017年3月より多彩なアーティストを迎えての対バンツアー「試練のTAIMAN TOUR 2017」を開催。4月には初のライブアルバム「キュウソネコカミ -THE LIVE- DMCC REAL ONEMAN TOUR 2016/2017 ボロボロ バキバキ クルットゥー」を、12月にはフルアルバム「にゅ~うぇいぶ」を発表した。2018年2月から全国ワンマンツアー「DMCC REAL ONEMAN TOUR 2018 -Despair Makes Cowards Courageous-」を開催。4月にテレビアニメ「メジャーセカンド」のオープニングテーマを含むニューシングル「越えていけ / The band」をリリースする。
2018年4月4日更新