ナタリー PowerPush - X JAPAN
YOSHIKI単独インタビュー
90年代は壊す壁が見えなくなっていた
──再結成後、音楽性に変化はありますか?
意識的に変えようっていうのはないですけど、とにかく自分ができる最高の曲を書こうと思ってて。自分の心を打たない曲が人の心を打てるわけがない。自分が聴いて感動する曲を書こうと思っています。
──X JAPANのリーダーはYOSHIKIさんですが、実は楽曲にはメンバーそれぞれの個性も色濃く出ていますよね。SUGIZOさんの加入がサウンドに与えた影響はありますか?
そうですね、彼はバイオリンも弾くし、広がったっていうのはありますね。「JADE」のソロとかもSUGIZOに何パターンか弾いてもらったり、音色にしても「このへんに好きなノイズを入れてみて」って言ってあとで選ぶっていう。
──やっぱりバンドですね。
うん、ギターにしてもベースにしても音作りは基本的にまかせてます。でも僕の指示も細かいですけどね(笑)。
──お話を伺っていると、今のYOSHIKIさんはすごく楽しそうに見えるんですけど。
そうですね。やはり世界に向かってるっていうのがあるから、どんな苦しいことも前向きに考えられるんだと思います。
──解散前にあった悲壮感みたいなものが今はずいぶん薄れて、明るく楽しい部分が出てきているように感じます。
あの頃はインタビューとかでも「もうX JAPANなんてバンドじゃない」なんて平気で言ってましたからね。
──今はそうは思わない?
意識的にバンドにしようとしてますよね。そうじゃないといいステージはできないし。
──やはりYOSHIKIさんの内面で何かが変わったんでしょうね。
例えば壁っていうものがあるとして、僕は壁を超えたり壊したりするときにすごく闘争心が湧くんですね。ただ、あの90年代の頃は壊す壁が見えなくなっていた。何をどう闘えばいいのかわからなくなってしまった感じがあったんです。でも今は、壁が高かろうが厚かろうが、それを何がなんでも壊していくんだって思える。目標が見えてるっていうのは大きいですね。
基本は病院かスタジオで過ごしている
──ところでYOSHIKIさんは今、毎日をどんな感じで過ごしているんですか? YOSHIKIさんの平均的な1日が気になるんですが。
ここんところはツアー回ってたし、もう無茶苦茶ですよね。基本的に不眠症なんで、めったに寝られなくて、だいたい2日に1回くらいしか寝ないんですけど。
──え、2日に1回?
はい。だからアメリカでも4人アシスタントがいて、僕が起きてる時間を常にカバーできるようになってます。夜とか昼とかあんまり関係ないんで、深夜の2時にスタジオ入って作業してたり。医者は「良くない」って言いますけど。
──そうでしょうね(笑)。今は基本的にロサンゼルスで過ごしているんですか?
住民票が向こうにありますからね。でもこれからはもっとヨーロッパとかアジアとかの比率を増やしていきたいな。
──ツアー中がない時期、起きてる時間は主に何をしているんですか?
基本的には医者に行ってるかレコーディングしてるかですね。結構体が弱かったりするんで、1週間に1回くらい点滴打ってもらって。あとはいつもスタジオにいます。
──趣味みたいなものは……?
昔はクルマが好きだったんですけどね。今はなんだろう……。あ、世界ツアーを回って、語学がやりたくなって、今はフランス語をずっと勉強してます。最近ではスペイン語とか中国語とかも。
──時間がいくらあっても足りないですね。
でも語学をやってるときって、ほかのこと考えなくていいじゃないですか。頭の中をそっちに集中できるんで楽なんですよね。何もない状態だとレコーディングのこととかツアーのこととか考えて疲れちゃうんですけど、語学をやってるときは落ち着くんです。
──では新しいアルバム、楽しみにしてます。そのあとはまたライブも?
そうですね。今度はアルバムを引っさげてっていう感じになると思います。
収録曲
- Amethyst
- Rusty Nail
- Week End
- SCARS
- DAHLIA
- Drum Break
- DRAIN
- ピアノソロ
- Crucify My Love
- Longing~跡切れたMelody~
- 紅
- Orgasm
- Forever Love
- Prologue-World Anthem
- X
- Endless Rain
初回限定盤 封入特典
- 復刻ツアーパンフレット(縮刷版)
- TOKYO DOME LIVE DVD 全4BOX購入者プレゼントキャンペーン応募券
初回限定盤 特典映像
- 復刻ツアーパンフレット(縮刷版)
- XJAPANメンバーのインタビュー映像
X JAPAN(えっくすじゃぱん)
1982年にYOSHIKI(Dr, Piano)とToshI(Vo)を中心に結成される。インディーズで絶大な人気を誇り、1989年にアルバム「BLUE BLOOD」でメジャーシーンに進出する。派手なメイクと衣装に代表される独特のスタイルが大きく注目される一方で、圧倒的なヘヴィメタルサウンドと確かな演奏力が高評価を獲得。攻撃的なメタルナンバーとドラマチックなバラードの双方に定評があり、ヴィジュアル系バンドの先駆者的存在としても認知されている。人気絶頂の1997年、ToshIの脱退宣言を機に解散。再結成が熱望されるが翌1998年にHIDEが急逝し、復活は絶望視される。しかし2007年10月に突然活動再開を宣言しファンを熱狂させた。アジア諸国やアメリカ、ヨーロッパなどでの人気も高く、復活第1弾となった新曲「I.V.」はハリウッド映画「SAW4」のメインテーマソングに起用。本作で念願の世界デビューを果たしている。2008年3月には復活ライブを東京ドームを3日間にわたり開催し、各地からファンが集まった。2009年5月にはSUGIZO(G)が新メンバーとして正式加入している。