WANIMA「Catch Up」特集|信じた道を突き進め!過去 / 未来と向き合って完成させた4年ぶりアルバム (3/3)

ここからWANIMAはもっと面白いことになっていく

──先ほどのパブリックイメージの話にもつながりますが、僕はこのアルバムによってWANIMAに対する評価が大きく変わるんじゃないかと思っていて。今後WANIMAの歴史を語るうえで欠かせない、ターニングポイントになる気がしています。

FUJI だからこそ、今回のアルバムは「WANIMAってこういうイメージだよね」という固定観念のある方にも、聴いてみてほしい。自分が思っていたWANIMAと少し違うとわかってもらえるはず。好き嫌いはそのあとでいいので、まずは一度聴いてほしい。

FUJI(Dr, Cho)

FUJI(Dr, Cho)

KENTA FUJIが仮加入してから10年目、そんなタイミングでこのアルバムを出せたことは僕の中で大きな財産です。ここからWANIMAはもっと面白いことになっていくんだろうなと。だからこそ、ここまで歩いてきた道に対するリスペクトを忘れずに、今までも連れてこれからに向かって一度きりの人生を駆け抜けていきます。

──来年にはインディーズデビュー作「Can Not Behaved!!」(2014年10月リリース)から丸10年ですしね。

KENTA デビューしてからももうすぐ10年だ。10年でひと区切りみたいなところもありますけど、僕らはこの「Catch Up」でもう1回デビューするぐらいの気持ちです。このアルバムでWANIMAを知った人が初期の曲を聴いたら「メンバー変わった?」と思われるかもしれないけど(笑)、変わらず3人で活動していても、人として内面が変われば曲も変わるんだと証明できたんじゃないかなと。僕はファンの子たちから悩み相談を受けるとき、よく「変化は否定せんよ」と答えます。仮に失敗してもその繰り返しが価値につながるはずやし、悩んで転がっていく内に柔軟にもなれるはずやから。それはWANIMAを応援してくれてる人ならわかってくれるはず。芯の部分さえ変わらなければいい。ヒヨったときにはWANIMAのライブに来ればいい。今はホールやアリーナ、ドームでライブをやらせてもらっているけど、どこに行ったって俺らはバンドが好きですし、育った場所はライブハウス。そこは変わらないです。

──この数年の経験を血肉にしてきた結果を形にできたのは、3人が変化を否定せずに、1つひとつの現実としっかり向き合った結果なんですね。

KENTA このアルバムを完成させたことで、次のアルバムに向けての考え方もまた変わっています。どんどん柔軟になってきていて。明確にコンセプトを伝えて出すアルバムも面白いかもね。特に最近はほかのアーティストさんへの楽曲提供も増えていて、バンドの曲作りとの切り替えみたいなこともできるようになってきたので、もっと幅を広げながらも軸はブラさずにやっていけたらと思います。楽曲提供の依頼は、どんどん声かけてほしいです。2日あれば納品できます(笑)。

KENTA(Vo, B)

KENTA(Vo, B)

これからもヒリつきながらやっていく

──楽曲提供の話題に関連しますが、このアルバムに収録された20曲中9曲にタイアップが付いています。ほかのアーティストへの楽曲提供も含め、「こういう曲が欲しいです」と依頼されるケースもあるかと思いますが、そういうときに心がけていることって何かありますか?

KENTA 例えば、ソフトバンク(ホークス)のギータ(柳田悠岐選手)に「遠くまで」、ヤクルト(スワローズ)の村上(宗隆)くんに「Chasing The Rainbow」をそれぞれ登場曲として作ったんですけど、2人との関係性あってこそ生まれたものです。「扉の向こう」は「リポビタンD」のCMソングなんですけど、プロゴルファーの松山英樹くんがCMに出演するからという理由で楽曲提供しました。ドラマや映画のタイアップにしてもアーティストさんへの楽曲提供にしても、そこに関わる人たちとの関係性がしっかりあったうえでやらせてもらっていることなので、まっすぐ向き合って一緒に作品を作っていくことを大事にしています。

──なるほど。本作のリリースを経て、先ほどもお話したように2024年にはデビューから10年。ここからWANIMAはどんな道を進んでいくんでしょう?

FUJI 「Catch Up」を聴いてもらえばわかると思うんですけど、どんどんブラッシュアップしながら新しいWANIMAもこれまでのWANIMAも見せていきたいと考えていて。WANIMAとしてまだ挑戦してないこともたくさんあるので、WANIMA流エンタテインメントをいろんな場所で見せていきたい。1つの枠にとらわれず、視野を広くして固定概念をなくして、いろんなことにチャレンジしていけたらなと思います。WANIMAのことを信じてついて来てくれる人たちも一緒に上がっていけるかなと信じています。

KO-SHIN 自信のある1枚を完成させることができたので、これを聴いてくれた方たちにはこれからも僕らが伝えたかったことをしっかり届けたい。間違って理解してしまう人には自分たちの本当の思いを明確に示していきたい。このアルバムには今の僕らのすべてが詰まっていますけど、これで終わりではなく、この次に僕らが出す曲たちはさらにいいと言ってもらえるように、やっていきます。

KO-SHIN(G, Cho)

KO-SHIN(G, Cho)

KENTA 何度も言っているようにここから先は、自分たちが今まで通ってきた道へのリスペクトを忘れずに、愛と情熱を持って信じた道を進みたい。心配もいらないし、この熱量に応えてくれる仲間たちが周りにたくさんいるので、これからもヒリつきながらやっていこうと思います。最後に、あのときの自分を納得させたいし振り返ったときに後悔のないように。「人生一度きり」。今後も大変な部分さえも楽しんで、巻き込んでやっていきます。

WANIMA

WANIMA

プロフィール

WANIMA(ワニマ)

東京都在住熊本県出身のKENTA(Vo, B)、KO-SHIN(G, Cho)、FUJI(Dr, Cho)の3人からなるロックバンド。2010年に結成された。2014年10月に1stミニアルバム「Can Not Behave!!」をリリース。2017年12月に「NHK紅白歌合戦」に初出演を果たし、2018年1月にはメジャー1stアルバム「Everybody!!」を発表。2023年9月2、3日に熊本・熊本県農業公園カントリーパークで主催フェス「WANIMA presents 1CHANCE FESTIVAL 2023」を開催し、10月に3rdフルアルバム「Catch Up」をリリースした。同月には「Catch Up」の公式ガイドブック「ぴあMUSIC COMPLEX(PMC)SPECIAL EDITION 4 WANIMA」を刊行した。