水野良樹(いきものがかり)&江口亮(音楽プロデューサー) meet WALKMAN®|進化したウォークマン®と有線&無線ヘッドホンで楽しむ新たな音楽体験

ウォークマン®の進化

──ちなみにお二人は過去にウォークマン®を使っていましたか?

江口 カセットウォークマン®やCDウォークマン®、DATウォークマン®を使ってましたね。イヤホンを2人で片方ずつ付けてMr.Childrenの曲を聴くと、左のほうにはバッキングが入ってないから違う曲に聞こえるんですよ(笑)。そんなことして遊んでました。

水野 そんなことやってたんですか?

江口 え? (スタッフを見渡しながら)やってましたよね?

水野良樹(いきものがかり)

水野 みんな視線を逸らせてますよ(笑)。僕は子供の頃カセットウォークマン®を使ってました。BONNIE PINKさんが大好きで「Heaven's Kitchen」というアルバムを擦り切れるまで聴いた思い出があります。

江口 水野くんは世代的にMDじゃないの?

水野 MDが登場するのは僕が中学生になってからですね。高校生の頃はメンバー3人で学校の廊下に集まって練習してたんですけど、MDウォークマンを使って録音してました。

江口 そうなんだ。そのテープは今どこにあるの?

水野 山下(穂尊)の家に膨大な本数あると思います。

江口 それすごいなあ。読者プレゼントにしようよ(笑)。

水野 絶対出しちゃダメなやつです(笑)。

──そのウォークマン®が今ではAndroid搭載のデジタルミュージックプレーヤーに進化しました。お二人はカセット、CD、MDとその進化を体感している世代ですよね。

水野 僕は1982年生まれで、CDが発売された年なんですよね。だからオーディオシステムというかスピーカーから空気を通じて音を聴くというよりも、音楽はヘッドホンやイヤホンを使ってパーソナルなものとして聴くっていう文化の中でCDバブルの時代を過ごしたんです。だから音楽を聴くっていうこと自体がイヤホンをウォークマン®に挿すところからのスタートだった。オーディオファンの方々の「音は空気を感じるべき」という意見はまさしくその通りなんですけど、一方でウォークマン®が独自の進化を遂げたことで、どちらの楽しみ方も確立されたわけだから素晴らしいですよね。

──江口さんはいかがですか?

江口亮

江口 なんとなく分析してたんですけど、ボカロPの子たちはヘッドホンで聴いて完結してるから、右と左がはっきりした作品が多かったり、独自の音量の突っ込み方とかが発展していったのかもしれないですよね。

水野 再生機のキャパシティみたいなものが、作る音に影響するというのはどの時代でもあると思うんですよ。じゃあ「本当にクオリティを求めていけばいいのか? 解像度が上がっていけばいいのか?」と言うとそれだけでもないっていうことが今度は面白さになるわけで(笑)。若干音を圧縮したほうがいいっていう場合もあるから、それを繰り返していくことでいろんなものが生まれていくんだなと思います。

江口 ハイエンドな土俵が自分の手の中にあるのはすごくいいことだよね。いいスピーカーを買わなきゃ味わえない音楽体験をウォークマン®とヘッドホンさえあれば同じ環境で聴けるってことなので、作る側としてもいいことなのかもしれない。

あなたは有線派? 無線派?

──今回試していただいたヘッドホンについてもお聞きできればと思いますが、それぞれいい音で聴きたいなと思う曲はありますか?

江口 それこそ「ブルーバード」のリマスター版とオリジナル版を聴き比べたときにちゃんと差がわかるヘッドホンだと思うから、そういう遊びをしてみたら楽しいかも。

水野 ライブ盤を聴くのも面白いかもしれないですね。

江口 あー、クラシックとかヤバそうだよね。

水野 高い解像度を求めるクラシックやジャズみたいな音楽を聴いてみるのはよさそうですね。あとちょっと話が変わりますけど、最近はながら聞きできるボイスメディアが隆盛してきてるタイミングだと思うので、それこそ落語や講談、漫才のような話芸のニュアンスがしっかり伝わるような録音と、その空気感を再現できるような機器があったらいいなと思いました。

左から水野良樹(いきものがかり)、江口亮。

──ちなみに普段、ワイヤードとワイヤレスのヘッドホンはどのように使い分けていますか?

水野 やっぱり生活の中で音楽を聴くとなるとワイヤレスが便利だなと思います。

江口 僕は制作のときは有線のヘッドホンを使っているんですけど、新幹線移動が多いので、そのときは完全にワイヤレスですね。

水野 新幹線の中で音源とか聴くんですか?

江口 制作中の音源とか聴いたりするよ。あと有線だと新幹線の中で寝ちゃったときにコードで首が締まっちゃうからワイヤレスのほうがいい(笑)。

──ワイヤレスヘッドホン「WH-1000XM4」にはノイズキャンセリング機能が付いているので、新幹線移動には最適かなと思います。またスマートフォンアプリ「Sony | Headphones Connect」を使うことでノイズキャンセリングの外音取り込みレベルを調整できたり、アンビエントサウンドモード(外音取り込み機能)に設定することもできるんです。

江口 外音を遮音する量も調整できるんですか。それはすごい。

──では最後に「あなたは有線派?無線派?」と聞かれたら、お二人はどう答えますか?

水野 解像度よく音楽を聴くことだけに集中したいっていうときはやっぱりワイヤードのほうがいいですよね。でも普段の生活って音楽だけを中心に回ってないから、それで言うとワイヤレスは便利だから悩ましいですね……。それに、聴く音楽のジャンルにもよると思うんですよ。ゴリゴリのロックというか、ギュッと収まっていることがいいみたいな音楽を解像度の高いヘッドホンで聴くと気持ちよくなかったりもするから、一概には言えないというか。それぞれの生活だったり、好きなジャンルによって使い分けるのが一番いいし、ライフスタイルに合わせて選んだ方がいんじゃないかなと。

江口 そうだね。ワイヤードなら音楽に没頭できるし、ワイヤレスなら生活の中で音楽が鳴っている状態を楽しめるし。没頭と共存という感じでどちらにもいい面があるから選ぶのが難しいですね。でも僕は自分が手がけた作品が普段と違う環境でどう聴こえるかが気になるので、無線派かな。新幹線移動でも首にコードが絡まらないし(笑)。

水野 なるほど。じゃあ僕は有線派でいきます(笑)。今の音楽シーンは僕らよりひと回り下の世代のミュージシャンが第一線で活躍していて、皆さん音楽的に深い教養を持っているし、自分でなんでもできるみたいな人ばかりなんですよね。彼らが作る音楽って情報量がすごく多いけど、このワイヤードヘッドホンならその多大な情報量も聴き取れると思うんですよ。そうすると次世代の作り手の皆さんもそこから生まれるアイデアがあるだろうし、音楽的な素養をより深めることができるんじゃないかなと思います。

左から水野良樹(いきものがかり)、江口亮。

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