水野良樹(いきものがかり)&江口亮(音楽プロデューサー) meet WALKMAN®|進化したウォークマン®と有線&無線ヘッドホンで楽しむ新たな音楽体験

「ストリーミングも、ハイレゾ級(*1)高音質で」をコンセプトに掲げるソニーのウォークマン®「NW-A105」。その新たな楽しみ方を提案するキャンペーン「W.ired or W.ireless? その答えは、W.で聴け。」の第3弾企画が始動した。ウォークマン®と有線ヘッドホンを組み合わせた「W.ired Sound」と、ワイヤレスヘッドホンを組み合わせた「W.ireless Sound」のそれぞれの個性を紹介していくこのキャンペーン。好みの音楽の聴き方を発見しつつ、ウォークマン®を使い、いい音で音楽を楽しむ様子を伝えていく。

音楽ナタリーではさまざなアーティストを迎えてウォークマン®「NW-A105」、有線ヘッドホン「MDR-1AM2」およびワイヤレスヘッドホン「WH-1000XM4」の魅力を紹介してきた。第3弾となる今回は、いきものがかりのソングライターとして活躍する水野良樹と、数多くのアーティストの作品に携わる音楽プロデューサー・江口亮の2人が登場。アーティストとプロデューサーという異なる立場から、ウォークマン®およびヘッドホンの魅力、そして江口がアレンジャーとして参加したいきものがかりのニューシングル「BAKU」について語ってもらった。

(*1)有線接続:「DSEE Ultimate」ON時。W.ミュージック再生時以外は「DSEE HX」が働きます(最大192kHz/32bitまで拡張)
無線(Bluetooth®)接続:対応ヘッドホンの「DSEE HX」または「DSEE Extreme」ON時(最大96kHz/24bitまで拡張)

取材 / 田中和宏 文 / 下原研二
スチール撮影 / 須田卓馬 インタビュー動画撮影・編集 / OUNCE

W.ired or W.ireless?
レトロWalkman®ケースプレゼントキャンペーン

W.ired or W.ireless?レトロWalkmanケースプレゼントキャンペーン
「NW-A100」シリーズ用“レトロWalkmanケース”

ウォークマン®と有線・無線ヘッドホンの組み合わせによる音の楽しみ方を提案するキャンペーン。2月26日から4月12日までの期間中に、ウォークマン®「NW-A100」シリーズと対象のヘッドホンまたはイヤホンをセット購入し、募集要項に従って申し込むと、もれなく「NW-A100」シリーズ用の“レトロWalkmanケース”がプレゼントされる。

応募期間
購入期間:2021年2月26日(金)~4月12日(月)
応募期間:2021年2月26日(金)10:00~4月26日(月)10:00

水野良樹(いきものがかり)&江口亮(音楽プロデューサー) インタビュー

いきものがかりと江口亮の出会い

──まずはお二人が知り合ったきっかけから教えてください。

江口亮 知り合ったのはいきものがかりがまだインディーズの頃で、僕が25歳、水野くんが21歳のときですね。

水野良樹(いきものがかり) アルバムを出すタイミングで、いきものがかりに初めてアレンジャーを入れようという話になったんです。それで下北沢の喫茶店で江口さんと打ち合わせをすることになって。当時住んでた神奈川の海老名から小田急線に乗って下北に向かいながら、「年上のアレンジャーさんだし、バンドマンだから怖いかもしれないな」とドキドキしていました。緊張で何を話したのかは覚えていないけど、江口さんがほとんど1人でしゃべってた記憶があります(笑)。

江口 それたまに(吉岡)聖恵ちゃんにも言われるんだよね。でも何を話したかはまったく覚えてない(笑)。

──いきものがかりにアレンジャーを入れることになったのは何か理由があるんですか?

水野 当時の僕らは本当に何もできなくて、制作をリードしてくださる方を探していたんです。それで担当ディレクターが「なるべく若い世代のアレンジャーがいいんじゃないか」と同じ20代の江口さんを提案してくれて。

江口 懐かしいね。僕は当時も名古屋に住んでいたので、ウィークリーマンションをレコード会社の方に借りていただいて、ひたすら作業してました。

水野 江口さんが名古屋に帰るときに海老名のサービスエリアまで車に乗せてもらったりして。年上のアレンジャーさんに何お願いしてんだっていう(笑)。

左から水野良樹(いきものがかり)、江口亮。

12年ぶりの「NARUTO」シリーズ テーマ曲制作

──そんな2組がタッグを組んだ「BAKU」は、アニメ「BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS」の新オープニングテーマとなっています。いきものがかりが「NARUTO」シリーズのテーマ曲を担当するのは2008年の「ブルーバード」、2009年の「ホタルノヒカリ」以来およそ12年ぶりで、いずれも編曲を江口さんが手がけてきました。最新作「BAKU」のコンセプトや、楽曲に込めた思いなどあれば聞かせてください。

水野 「ブルーバード」や「ホタルノヒカリ」を作ったのはデビュー4年目とかで、当時は「これからもっと上を目指して行こう」という気持ちが強かったんですよ。でもキャリアを積み重ねていく中で、目標を追いかけて一生懸命走っていることに飲み込まれていくみたいな感覚もあって。その追いかける焦燥感とは違う“追いかけること自体に戸惑っている焦燥感”を描こうと思ったんです。歌詞については、夢を食べる架空の存在である“バク”からヒントを得て書いていきました。サウンドに疾走感を持たせたかったので、アレンジは江口さんしかいないだろうということでオファーさせていただきました。

──「BAKU」はめまぐるしい展開とブラスサウンドが印象的ですが、デモの段階ではどんな仕上がりになっていたんですか?

水野良樹(いきものがかり)

水野 今より音数は少ないですけど、江口さんにいただいた第一稿からあまり変わってはないですね。

江口 僕は水野くんから仮歌をもらった段階で「今回はそういう感じね」って曲のイメージが湧いてきて(笑)。それで制作担当と話し合ってアレンジを決めていきました。

水野 江口さんから送られてきた第一稿を聴いたら「きたきた!」って感じでみんなニヤニヤしてました。「これ、どうやってライブで演奏するの?」みたいな(笑)。いい意味で仕掛けてきたなと思いましたし、チーム全体のテンションも上がったので江口さんにお願いしてよかったなって。そこからは何度かやり取りしながら細かい部分を修正していって、実際にレコーディングするという流れでしたね。

──シンコペーションの効いたイントロや間奏部分も印象的でした。

水野 アニメの主題歌なので、89秒という尺の中にどれだけ展開を詰め込むか、疾走感を感じさせるかみたいなことを江口さんが試行錯誤してくださって。裏技じゃないですけど、いろんな工夫をされていると思います。

──江口さんはアレンジするにあたって意識したことはありますか?

江口 最初のデモの段階では、わかりやすい構成だったんですよ。それがやり取りを重ねていく中で制作陣から「ブラス入れたくね?」という声が上がって、今言うかみたいな(笑)。その中でできる限り疾走感を持たせたかったし、ドラマチックに展開させたかったので、実現可能な範囲で聴く人のイメージが広がるような仕掛けを存分に入れるというのは意識しましたね。

当時の勢いがちゃんと入ってる

──シングルには「ブルーバード」と「ホタルノヒカリ」のリマスター版が収録されています。それぞれの楽曲を改めて聴いてみて何か発見はありましたか?

江口 単純にカッコいいなって思いました。「ブルーバード」ってSpotifyとかでけっこう再生されてるんだよね?

水野 そうそう。いきものがかりの楽曲の中だと一番海外で聴かれているんですよ。

江口 アニメとマッチしたっていうのもあると思うけど、必死にがんばってた当時の勢いみたいなものがちゃんと入っているなと、40歳を越えて改めて聴いてみて思いました(笑)。

──ちなみにリマスターというのはどういう作業をされたんですか?

江口亮

江口 今回の「BAKU」に合わせて同じように聴こえるようにするというか、当時と比べると制作環境から何からいろんなことが違うので、そういう意味で適切な処理をするというイメージですかね。

水野 「ブルーバード」とかは最近のライブでも演奏するんですけど、そのときって実際のオケもシーケンスとして流しているのでステムデータ(※各楽器やボーカルなどの音をパート別に分けたファイルのこと)を聴くんです。そこで「ギタートラックってこうなってたんだ」と改めて気付いたりして、それの何が面白いかって言うと、今の江口さんに通ずる部分がちゃんとあるんですよ。今回の「BAKU」もワントラックずつ聴くと「この部分とぶつかってる」とか「リズムがシンコペーションしたりしてなかったりする」とか細かく気になることがあるんですけど、まとまりとして聴くと成立している。江口さんのアレンジって、緻密に構成されているんだけども、じゃあきれいに整っているかって言うと、いい意味で整ってなかったりする。でも、それが成立してるのが江口さんのすごいところというか。おそらくバンドマンであるということと、緻密なアレンジャーであるという両極端の性質を持っているからこそ「BAKU」や「ブルーバード」のようにパワー感がありつつ、複雑な構造の作品を作れるのかなって。

江口 それ、そのまま僕のプロフィールに書きたいな(笑)。

水野 あれは勢いでやっている部分もあるんですか?

江口 自分は音源を何回も聴くんですよね。それこそあえて電車の中とかで聴いてみて、「うわっ!」と思って汗をかくくらいインパクトがないとアップテンポの曲は駄目というか、真面目に聴けちゃったら僕的にはナシなんですよね。

──シングルにはアメリカのDJ / プロデューサー・スラッシーによる「ブルーバード」のリミックスバージョンも収録されています。いきものがかりの楽曲としては斬新というか、クラブ映えしそうな仕上がりですよね。

江口 確かにすごく斬新だよね。

水野 僕も初めて聴いたときはびっくりしました。

──水野さんから何かオーダーはしたんですか?

水野 いや、サウンドの方向性についての注文はしてないです。むしろ「やってくれるんだ」という感じだったので。僕らとしてはこのリミックスを通して普段いきものがかりの音楽を聴かない層や外国圏の方に届けたいという思いがあって。完成したものを聴いたときはうれしかったですね。

──リスナーの反応が楽しみですよね。

水野 楽しみですね。まったく別の曲として聴いてもらっていいというか、リミックスってそういうものだと思うので。もちろん歌の素材は吉岡だったりしますけど、僕らからどんどん離れていってもらえたらいいなって。

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原音に忠実