水野良樹(いきものがかり)&江口亮(音楽プロデューサー) meet WALKMAN®|進化したウォークマン®と有線&無線ヘッドホンで楽しむ新たな音楽体験

原音に忠実

──ここからはウォークマン®「NW-A105」を使って「BAKU」を試聴していただければと思います。まず水野さんには「NW-A105」と有線ヘッドホン「MDR-1AM2」の組み合わせを試していただきましたがいかがでしょうか。

水野 (視聴後に)通常音源とハイレゾ音源をそれぞれ聴かせてもらったんですけど、当然ハイレゾのほうがいいですね。もちろん通常音源でも十分素晴らしいんですけど、ハイレゾのほうがドラムの定位がはっきりとわかるし、ベースもしっかりと入っているんだけどモコッとしてないというか全体的にクリアに聴こえました。

──江口さんはいかがですか?

江口 有線とワイヤレスどちらも試してみたんですけど、ワイヤレスの方は装着したときの感じが気持ちよくて、音楽を聴きながら眠れそうです。有線の方はもう少し神経質に音を聴きたくなるというか、これでハイレゾ音源を試したら汗が出そうになりました。

水野 あ、これいい意味ですからね(笑)。

──NW-A105にはMP3などの圧縮音源を聴く場合にもいい音で楽しめるよう、DSEE Ultimate (*1)という機能が搭載されています。これは有線ヘッドホンでのみ使用できる機能で、膨大な楽曲データを学習しているAIを活用して圧縮音源をリアルタイムで分析し、ハイレゾ相当の音質にアップスケーリングしています。

(*1)有線接続:「DSEE Ultimate」ON時。W.ミュージック再生時以外は「DSEE HX」が働きます(最大192kHz/32bitまで拡張)
無線(Bluetooth®)接続:対応ヘッドホンの「DSEE HX」または「DSEE Extreme」ON時(最大96kHz/24bitまで拡張)

水野 そんな機能が付いてるんですか。いつかAIに仕事を奪われてしまいそうですね。

──ちなみにワイヤレスヘッドホンのほうには、無線による音質の劣化を防ぐための機能が備わっているんですよ。「LDAC」(*2)というソニー開発によるコーデック(Bluetooth®で音声を無線伝送する際に使用する「音声圧縮変換方式」のこと)が採用されているので、ワイヤレスでもハイレゾ相当の高音質で楽しむことができるんです。

(*2)ソニーが新規開発したハイレゾ音源をBluetooth®経由でも伝送可能とする音声圧縮技術。既存技術に比べて最大約3倍の情報量を伝送可能。LDAC対応の機器間では、ハイレゾ音源をはじめ、従来からの音源もワイヤレスで高音質なサウンドを楽しめる。

江口 ウォークマン®自体にAndroidが搭載されているんですか?

──そうです。ですからYouTubeやSpotifyで音楽を楽しむこともできます。

江口 じゃあこれに曲を入れようと思ったらどうしたらいいんですか?

──パソコンと接続すれば、ドラッグ&ドロップの作業のみで楽曲データを伝送・保存することができます。

江口 (水野に向かって)制作の帰りに聴けるやつだね。

水野 我々の業界だと曲作りの帰りに聴けるって大事ですからね(笑)。制作中の音源をリラックスした状態で聴くっていう。これは普段から音楽を聴く人にとってもうれしい機能だと思います。ちなみにこのヘッドホンはソニー・ミュージックスタジオ(東京・赤坂にある録音スタジオ)にあるものを参考にしていたりするんですか?

──基本的に音作りについては原音に忠実というところにこだわっていて、変に味付けしないところがポイントです。ヘッドホンはソニー・ミュージックスタジオのものと比べるとどうですか?

江口 有線の「MDR-1AM2」はスタジオのものに似てるかもしれません。最終形が見えやすいというか「ここまでローが出てるのか」「このぐらいシンバルが出てもいいかな」みたいなのがわかる。

水野 へえ。ちなみにリスナーにどう聴かれているかってどのくらいまで意識しているんですか?

江口 聞こえ方で言うと最終的にはアレンジよりもマスタリングのほうが大事だったりもするので、そういう意味で言うとなるべく余白を持って作るようにしているよ。

──余白を持って?

江口 僕はマスタリングに出したときに「ここはこのくらい伸びるだろう」とか「ここは音量差を圧縮するかな?」とか思いながら作っているんですよ。その感覚をマスタリングエンジニアに伝えて、完成した音源を聴くのがこの「MDR-1AM2」だとしたらきっとそれが過不足なく受け取ってもらえると思うので、作り手としてはありがたいです。

ストリーミングでハイレゾ高音質を

──次にご紹介するハイエンドストリーミングウォークマン®の「NW-ZX507」は通常の3.5mmステレオポートに加え、4.4mmバランスケーブルのポートが用意されています。こちらはソニーの最高峰Signature Seriesのインイヤーイヤホン「IER-Z1R」、ステージモニター(イヤモニ)という位置付けの「IER-M7」で試していただければと思います。また高音質ストリーミングサービス「mora qualitas」(*3)を使えばハイレゾ音源をダウンロードせず、ストリーミングでも高音質で聴くことができます。

(*3)96kHz/24bit までのハイレゾ音源およびCD音質の楽曲をストリーミングで提供するサブスクリプションサービス。ロスレス圧縮 (FLACフォーマット)を採用しており、アーティストやエンジニアのこだわりが詰まった楽曲が音質を損なうことなく楽しむことができる。2020年2月現在、700万曲以上を配信中。ハイレゾ音質で再生するには、ウォークマン®の本体Ver2.00以降で設定から「ハイレゾストリーミングの使用」をONにし、ハイレゾに対応したヘッドホン / スピーカーで有線接続する必要あり。

江口 「mora qualitas」、めっちゃ音いいですね!(笑) この「mora qualitas」には先程おっしゃっていた補正は加わっているんですか?

──いえ、「mora qualitas」はもともとハイレゾ音源なので補正は加えていません。ただウォークマン®の音質設定アプリからイコライザーをかけることは可能です。

江口 へえ、ちなみに月額いくらなんですか?

左から水野良樹(いきものがかり)、江口亮。

──月額料金は税込2178円です。

江口 その値段でこのクオリティの音楽を楽しめるなら全然ありですね(笑)。

──「mora qualitas」では700万曲以上を楽しむことができて、新曲も続々と配信されます。ちなみに通常音源と比べると音質に違いはありましたか?

江口 スタジオで聴いてるくらい音の輪郭がはっきりしてますね。何かを挟んだ感じがまったくしないというか。

水野 違和感がないですよね。スタジオで聴いた音のまんまな印象です。

──ファンとしては、アーティストの制作環境に近いクオリティで楽曲を楽しめるのはうれしいですよね。

江口 音ってプレスの工程や再生機器やらさまざまな要因で変わっていくんですよね。でも「mora qualitas」ならそれがないということなので、本当にスタジオで聴く環境に近いかもしれません。

──ちなみに江口さんはどの楽曲を試聴してみましたか?

江口 僕は「帰りたくなったよ」を聴きました。

水野 僕も「帰りたくなったよ」でした(笑)。この曲ってイントロに鍵盤のダンパーペダルを踏む音が入っていて。そこらへんの音を拾えるかどうかが実は大事なんですよ。

江口 生々しさね。

水野 そう、生々しいかどうかって1つの基準なんです。単純にメロディだけが聴こえてればいいという話ではないというか、エンジニアさんもその空気感を捉えるためにマイクを立てたりするので、それが聴こえてきたのはうれしかったですね。

江口 レコーディング時の楽器の距離感もわかるよね。「mora qualitas」はちょっと別格かもしれない。

水野 きっとこのイヤホンもすごいんでしょうね。

──「IER-Z1R」というモデルなんですけど、これは空気感を再現することを目標に作られました。

江口 じゃあこれで宅録音源とか聴いたら、その部屋の空気感までわかるかもしれませんね(笑)。

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ウォークマン®の進化