音楽ナタリー Power Push - UNLIMITS
原点回帰を経て遂げた進化
石島が作る艶っぽい「プリズム&ブルース」
──9曲目「プリズム&ブルース」は石島さんが作詞作曲を担当しています。サウンドは激しいけど、乗っているボーカルは優しめというバランスがすごくいいなと思いました。
清水 そうですね。艶っぽいメロディだったので、ガーッと攻める感じではなく、ちょっと余裕のある感じを意識しました。
石島 僕が作るメロディって「ボーダーライン」とかと同じような方向性ではあると思うんですけど、艶っぽさが出るみたい。意識してないんですけど。
清水 ジマさん、優しい人だからね。優しさが出るんだと思う。
──歌詞も石島さんが書いていますが、内容や世界観は清水さんや郡島さんが書くものとかけ離れてないですよね。
石島 「ジマさんなりに書いて」とは言われるんですけど、2人の書く詞が好きなので、意識はしますね。だからあんまりかけ離れないのかな。この曲では「光と闇」をテーマにしていて、それを「リズム&ブルース」にかけました。
アルバムを締めくくるバラード「いまのこと」
──そして最後を飾る「いまのこと」はバラードです。この曲は「6秒前には戻れなくて 6秒後にも行けなくて」という歌詞から始まります。この6秒っていうのは何を意味してるんでしょうか?
郡島 数年前に「今から6秒経ったら、その今は過去になる」という内容の本を読んだんです。「自分がいる今があって、6秒前は過去で6秒後が未来。その12秒の真ん中に私たちはいて、そこから前にも後ろにも行けない」っていう。それを読んでからずっと「今ってなんなんだろう」って考えて、いつかこれをネタに歌詞を書きたいと思っていたんです。
──そしてようやく曲にできたと。
郡島 はい。今っていう場所からは絶対に抜け出せなくて、じゃあ今、一番大切なことはなんだろう、と考えて、今一番近くにいる大切な人を守る、そうすれば未来にも今がつながっていくんじゃないかっていうことにたどり着きました。例えば誰かが亡くなったとして、でもそれは生きていれば絶対に避けられないことで。悲しんでいる人がいたら慰めつつも、自分の生活も守らなきゃいけないんですよね。つまり、日々はずっと流れていて、その中で私たちは生きていかなきゃいけないんだと。
──ドロドロした恋愛から始まったアルバムの最後に、ライフソングを持ってきたのはどうしてでしょうか?
郡島 生活の中でいろんなことがあるけど、いつも通り日々は流れていて、私たちは生きていく、ということが伝えられればと思っています。
──「いまのこと」の最後、アカペラで終わるのも印象的です。余韻が残りますね。
郡島 最後に現実に引き戻される感じにしたいなと思って、アカペラにしました。
未来を見据えた半セルフタイトル︎
──この多彩な11曲をまとめたアルバムに「U」というタイトルを付けた理由を教えてください。
郡島 これはUNLIMITSの「U」です。
──つまりセルフタイトルということ?
郡島 半セルフタイトルと捉えていただければ。まだ未来を見据えたセルフタイトルというか。バンドとして15年、今のメンバーで10年、前作での原点回帰を経て、さらにレベルアップして、すごくいいアルバムができたと思っているんですけど、まだまだこれからも進化していきたいという気持ちを込めて。
──なるほど。
郡島 あと「あなた」という意味の「YOU」と音が一緒なので、“君と僕”とか“あなたと私”というUNLIMITSのテーマにも合ってるなと思って付けました。
──このアルバムを引っさげて、7月末から長いツアーが始まります。
大月 ライブで演奏するようになってようやくその曲が自分たちに馴染んでくるし、ツアーで曲が育っていく部分もあると思うので、「こういうツアーにしたい」という気持ちはあんまり強く持ち過ぎないようにしてます。新曲のあるツアーはちょうど2年ぶりなので、どうなるんだろうなっていう期待と不安の両方がありますね。
──前作で原点回帰をして、今作では新しいことにも挑戦して進化を遂げたわけですけど、今後の展望などはありますか?
清水 どうなるんでしょうか。でも、まだまだやってみたいことはあるし、見たい景色もあるし、もう上を向いて進んでいくしかないですね。
──楽しみにしています。
清水 歌詞カードを見ながらじっくり聴いていただくと、より世界に浸れるのでぜひCDを手に取ってもらいたいですね。さらにライブに来ると、また曲の聴き方とか見え方も変わってくると思うので、ぜひライブにも。
収録曲
- ボーダーライン
- ラストダンス
- ロンリーブルー
- tonight tonight tonight
- 最終列車
- シャーベット
- ナイトクルーズ
- あなたへの月
- プリズム&ブルース
- 最後の言葉
- いまのこと
UNLIMITS "with「U」tour 2016"
- 2016年7月30日(土)東京都 Shibuya eggman
<出演者> UNLIMITS / Amelie - 2016年8月3日(水)京都府 KYOTO MUSE
<出演者> UNLIMITS / bacho - 2016年8月4日(木)香川県 DIME
<出演者> UNLIMITS / bacho - 2016年8月7日(日)石川県 vanvanV4
<出演者> UNLIMITS / MEANING - 2016年8月10日(水)群馬県 高崎club FLEEZ
<出演者> UNLIMITS / Northern19 - 2016年8月11日(木・祝)東京都 八王子Match Vox
<出演者> UNLIMITS / rem time rem time / RIDDLE - 2016年8月25日(木)神奈川県 F.A.D YOKOHAMA
<出演者> UNLIMITS / ねごと - 2016年9月2日(金)岡山県 CRAZY MAMA 2nd Room
<出演者> UNLIMITS / BUZZ THE BEARS - 2016年9月3日(土)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
<出演者> UNLIMITS / and more - 2016年9月9日(金)秋田県 秋田LIVE SPOT 2000
<出演者> UNLIMITS / and more - 2016年9月10日(土)青森県 八戸ROXX
<出演者> UNLIMITS / The Winking Owl / rhyrhyrhythm - 2016年9月11日(日)岩手県 the five morioka
<出演者> UNLIMITS / The Winking Owl - 2016年9月19日(月・祝)千葉県 千葉LOOK
<出演者> UNLIMITS / ROTTENGRAFFTY - 2016年9月20日(火)茨城県 mito LIGHT HOUSE
<出演者> UNLIMITS / and more - 2016年10月1日(土)北海道 CASINO DRIVE
<出演者> UNLIMITS / snatch - 2016年10月2日(日)北海道 Crazy Monkey
<出演者> UNLIMITS / snatch - 2016年10月8日(土)福岡県 Queblick ※ワンマンライブ
<出演者> UNLIMITS - 2016年10月10日(月・祝)愛媛県 Double-u studio ※ワンマンライブ
<出演者> UNLIMITS - 2016年10月16日(日)宮城県 仙台MACANA ※ワンマンライブ
<出演者> UNLIMITS - 2016年10月22日(土)愛知県 APOLLO BASE ※ワンマンライブ
<出演者> UNLIMITS - 2016年10月23日(日)大阪府 LIVE HOUSE OSAKA BRONZE ※ワンマンライブ
<出演者> UNLIMITS - 2016年11月5日(土)東京都 TSUTAYA O-WEST ※ワンマンライブ
<出演者> UNLIMITS
UNLIMITS(アンリミッツ)
2002年に結成後、メンバーチェンジを経て2006年8月に現在の清水葉子(Vo, G)、郡島陽子(Dr, Vo)、石島直和(B, Cho)、大月義隆(G, Cho)の4人編成となる。2005年に初の音源となるミニアルバム「七色の記憶」をリリース。清水、郡島の女性ツインボーカルが織りなすハーモニーと日本語の響きを重視した歌詞、力強く情熱的なサウンドで人気を集め、2008年にはSum 41の来日公演オープニングアクトを務めたことでも話題を呼んだ。2010年8月4日リリースのミニアルバム「蒼-アオイ-」でSony Music Recordsに移籍。精力的なライブ活動を続け、2011年2月にメジャー初のフルアルバム「トランキライザー」をリリース。同年9月リリースのシングル「ハルカカナタ」は、テレビアニメ「BLEACH」のエンディングテーマに採用された。2014年4月発売のアルバム「アメジスト」でPIZZA OF DEATH RECORDS内Jun Gray Recordsに移籍。2016年7月、フルアルバム「U」をリリースした。