すみぺが教える「2.11 第一回革ブロ総決起集会」の作り方

──ここからは「来たれ！暁の同志」と同時発売されたライブBlu-ray / DVD「実録・2.11 第一回革ブロ総決起集会」について伺いたいんですけど、まず、オーディオコメンタリー聴きました。上坂さんとプロデューサーさん曰く「ナタリーの決起集会のレポートは見出しがことごとくおかしい」と（笑）。

すみません……。

──我々にしてみたら最高のホメ言葉です！ なのでそのおかしなライブレポート（参照：上坂すみれ、涙の“聖地”興行で「キン肉マン」第20巻を配る）を引用しつつ、当日の裏話や上坂さんの決起集会観、ライブ観をうかがえればと思ってます。

はい！

──ではまずは開演前から。

スネークマンショー「咲坂と桃内のごきげんいかがワン・ツゥ・スリー」、真鍋ちえみ「ねらわれた少女」、映画「Mr.BOO!」の主題歌であるサミュエル・ホイ「半斤八両」、ゲーム「パックマン」のプレイ中の音声などが開場SEとして流れるサンプラザに集まった、上坂ファン、通称“同志”は2200人。

──決起集会を特徴付けるものの1つに開場SEがあると思うんです。実際レポート記事をリツイートする同志の中にはSEについて言及する人も少なくないですし。

あれは全部私のイチオシ曲、iPodの中でもトップレートに設定していたり、再生回数が多かったりする曲ですね。

──ステラボールでの決起集会（参照：上坂すみれ、血の海と化したステラボールで東京音頭を踊る）のときに流していたモールス信号や鶴田浩二版の「同期の桜」も？

あのとき流していたのは私のiPodの曲ではないんですけど、やっぱり「こういうのがいいです」っていうリクエストはしています。

──となると、気になるのが“上坂すみれの開場SE観”なんですけど、なぜああいう選曲に？

選曲の意味はまったくないんですけど（笑）、なんていうんだろう？ 他人のiPodって面白いですよね。非日常というか。

──「非日常」？

イヤホンやヘッドホンをして自分のiPodの曲を聴いているときって、そこがどこであれパーソナルなエリアにいるような気分になれると思うんです。だから同志諸君の多くは自分のエリア、自分のスペースを守りながら決起集会に向かってきていると思うんですけど、会場に入ってイヤホンを外した瞬間、他人である私のiPodの曲が流れていると、いつもの自分のエリアとは別の場所に来た気分になれるし、しかも「なんかよくわかんない曲が流れてる！」ってビックリしてくれるんじゃないかなっていう気はしています。

──「決起集会＝上坂すみれの世界にようこそ」っていう意味がある？

カッコよく言うとそういうことなんだと思います（笑）。

ステージ最前のスクリーンに投影された煽り映像とともに「無窮なり趣味者集団」が流れたのち、そのスクリーンが取り払われると、そこにはアルバム「革命的ブロードウェイ主義者同盟」表題曲のアニメPVとうり二つの出で立ちの上坂が。開演前の囲み取材で「ここ最近は『中野』という単語を聞くだけで緊張していた」と語っていた彼女だが、いざイントロが流れ出すと「ここが聖地だ！ 同志諸君」と堂々とシャウト。エモーショナルに同曲を叩き込み「総決起集会」をスタートさせた。

──実はここで読んでもらいたいのは、その後の展開について何も書いていないことなんです。というのもこの日の上坂さんはストロングスタイル。6曲目の「すみれコード」まで、MCもそこそこに新曲を中心に一気に曲を叩き込みましたよね。だからいい意味で特筆すべきがなかった。ただただカッコよく歌っていたから。

こういうセットリストにしたのはデビュー発表から1周年の総決起集会だったからなんです。まずはきちんと「革ブロ」とはなんなのか？をハッキリとさせたかった。「革ブロ」はやっぱり音楽の上に成り立っている集団ですから、体力のあるうちに初めて歌う新曲をたくさん披露したかったっていう思いは大いにありました。

──初披露の曲をライブ序盤から歌うことに対する緊張は？

むしろやらなきゃいけないことや緊張するようなことは早く終わらせたいタイプなので、やりやすかったです。こういうセットリストになったのは「緊張するよりも早く新曲をやってやろう」という魂胆もあってのことなので（笑）。

──昔からそういうタイプでした？ 「うえさかさん」っていう出席番号の早そうな名字ですけど。

そうなんですよ。だいたいいつも出席番号は5番くらいだったんですけど、ちょうどよかったですね。予防接種や身体測定なんかも最初はイヤなんですけど、なるべく早く済ませたかったので。まずは“安藤さん”や“井上さん”に斥候として出撃してもらって、その様子を窺いつつ保健室に入る感じがすごくよかったです（笑）。