柳田國男的「秘密集会」

──7月上旬まで「秘密集会」こと、今回のシングル「来たれ！暁の同志」のキャンペーンで全国を回ってましたよね（参照：すみぺ「来たれ！暁の同志」一部詳細＆過去最大の“秘密集会”）。いかがでした？ 秘密集会は。

スケジュールを聞いたときは「確かに『いろんな街の同志（ファン）に会いに行きたい』とは言ったものの、こんなに詰め込まなくても（笑）」って思ってたんですけど……。

──6月の第2土曜日なんて小倉、熊本、鹿児島と、1日で九州縦断してますもんね（笑）。

でも、どの集会にも「初めてなんです」っていう同志がたくさん来てくれた上に、皆さん、「ここまで来てくれてありがとう！」とものすごく喜んでくださったので、行ってよかったなと思いました。あとお渡し会で同志諸君とお話をさせてもらったんですけど、いろんな方言を聞くことができて、それも面白かったです。なんか柳田國男的な感じというか。

──上坂さんと同志諸君の集団「革命的ブロードウェイ主義者同盟」（革ブロ）の秘密集会の旅でありつつ、民俗学的フィールドワークの旅でもあった、と。

はい。ステッカーを配ることで、あわよくばCDを買ってもらおうと画策する旅ではあったんですけど（笑）、そういう楽しさもありました。

外国人講師に「生産！」「団結！」「反抑圧！」

──印象に残っている街ってあります？

いろいろあるんですけど、まず鹿児島は行ったこと自体初めてだったので印象的でした。同じ九州でも福岡とは言葉が全然違うし、見た目も南の人っぽいというか。肌がちょっと黒くて体力がありそうな方が多かった記憶がありますし、あと、仙台の秘密集会の前には地元の同志諸君から「仙台のアニメイトは磯の香りがするんですよ」っていうリプライが20～30件送られてきたのも印象に残ってます。

──1人、2人そう言ってるんだったら、その人の勘違いのような気もするけど、20～30人の言葉となると、けっこう信ぴょう性がありますね。

魚市場が隣接してるから風向きによってはその香りが届くらしいです。でも私は正面からではなくて通用口から出入りしたので、磯の香りを感じながらアニメショップに入るという貴重な経験はできなかったのですが。それも逆にいい思い出になっています。あとは今回から秘密集会でも「生産！」「団結！」「反抑圧！」っていう革ブロのスローガンを三唱することになって……。

──あっ、今までは三唱してなかったんですか？

そうなんです。ある同志が集会中に「三唱しよう」って提言をしてくださって今回からやることになったんです。その日は会場がアニメイトのイベントスペース、隔離された場所だったから気兼ねなく三唱できたんですけど、郡山ではテナントビルの中にあるアニメイトの店舗フロアの一角をお借りしていた上に、目の前のテナントには英会話教室が入っているという……。

──あはははは（笑）。新橋駅前（参照：上坂すみれ、白昼の新橋で“ゴツい車”が来るまで同志アジる）や東武百貨店の屋上（参照：上坂すみれ、春の陽気の百貨店屋上で“高度な遊び”に興ずる）よりもテナントビルの中でスローガンを叫ぶほうが勇気要ります？

新橋駅前みたいな屋外なら、私以外にもそういう行動をする方っていらっしゃいますよね？

──そうか。選挙前ともなれば時の総理大臣ですら街頭演説するわけだし。

だから周りの方の理解を得やすい気がするんですけど、その日の郡山は、100人くらいの同志諸君の周りにはアニメイトにお買い物に来ているほかのお客さんがいて、さらにお店の向こうにはその数よりも多い通行人と、そして外国人講師……。

──いいシチュエーションですねえ（笑）。

そんなテナントビルで叫ぶ人はまずいないのですごくドキドキしたし、我ながらかなり勇気のある行動だと思いました（笑）。