音楽ナタリー Power Push - 東京パフォーマンスドール

見えない壁を突き破る「逆光×礼賛」

これを乗り越えたとき、自分たちはまた変わることができる

──今年2月には「ダンスサミット ネイキッド」公演の集大成となる「東京パフォーマンスドール ダンスサミットネイキッドSP2016 ~R・G・B~」がZepp DiverCity TOKYOで2日間にわたって3公演開催されました。それぞれがまったく異なる演出とセットリストということでしたが、圧巻のステージでしたね(参照:TPD、さらなる進化を見せたZepp3公演で怒涛の76曲熱唱)。

 さすがに頭がパンクしそうになりました(笑)。

高嶋 こればかりは曲数も多いし演出も異なるので3公演ぶんのセットリストが頭にまったく入ってこなくて。いつもピンチだって言ってても本番3日前にはだいたい頭に入ってるんですよ。通し稽古をする頃には全部入っているんですけど、本当にセットリストが入らなくて……。

浜崎 壁にセットリストを貼りまくってましたもん。至るところに。

小林 初日の「RED」公演が終わった直後も楽屋にみんな残って次の日の「GREEN」「BLUE」の最終確認をして。

──「RED」公演のあとに、休む間もなく翌日の2公演の最終確認をしてたんですね。

高嶋 「RED」の直前は「RED」のことしか考えられないじゃないですか。だから終わった直後に次の2公演に頭が切り替わって、すぐに確認しないとマズイってなって。

小林 「BLUE」公演はリハーサルもできなかったんですよ。

──じゃあ会場で場当たり的なことしかできなかったと。それかなりのピンチですよね。

高嶋 だからセトリの紙にそれぞれ自分たちがやることを書き殴って必死に覚えてました。

神宮沙紀

神宮 「このタイミングで1回死にそうになる」とか、演出と関係ないことも書きました(笑)。

──それ、なんかリアルですね(笑)。

神宮 コンセプトが3公演で全部違う分、いつものTPDの公演でやってることの延長じゃ終われないというか。これを乗り越えたとき、自分たちはまた進化できるかなって思って。

高嶋 「GREEN」公演のオープニングでドール風の衣装をお披露目したんですけど、幕が開いた瞬間に皆さんがざわついて「よっしゃ!」って思いました。今まで見せたことのないビジュアルとか、そういう意表を突くような演出も、いろいろな経験を積んできた今の私たちだからできるというか。

飯田 ノンストップで畳みかけていく中で疲れが見えたりパフォーマンスが中途半端にならないようにするのがけっこう大変でした。どの曲も前回披露したときよりパワーアップしたものを届けることが目標だったので。

高嶋 例えば「TIME」っていう曲は3公演すべてやっているんですけど、それぞれの公演のコンセプトによって表情を変えているんですよ。公演ごとに熱い気持ちを込めたり優しい笑顔を見せたりと。

 「TIME」ってサビで全員が前を向いて歌うものではないんですけど、表情を見せたいのに最初はそれで大丈夫なのかなって思って。疑問はあったんですけど、次第にそれが面白い振りだなって思うようになりました。表情だけじゃなくて背中で伝えることも必要なんだって、その大切さにも気付きました。

小林晏夕

──「TIME」だけじゃなくて「SURVIVAL!!」や「逆光×礼賛」もそうですけど、皆さんが言っていた見えない壁を突破できそうな曲が増えてきたのも、今回の公演の成功につながっていたのかなって感じました。皆さんは3公演やりきってどう思いましたか?

小林 新たなことに挑戦して自分たちの今まで見せたことのない一面を見せることができたんじゃないかなって思います。あれだけ必死になってがんばったのに1回しかやらないなんてすごい儚いですけどね。

3周年ライブは満足感のあるものにしたい

──6月19日には東京・品川ステラボールで結成3周年のイベントが開催されますね。

高嶋 もう3周年なんですよね。まだ結成してからそんなに時間が経ってないような感じはあります。

小林 1周年記念ライブもついこの間くらいにやった記憶があるのにね。

──3年前の自分に何か伝えたいことはありますか?

橘二葉

 これから楽しいことがたくさん待ち受けてるよって言いたいです。

飯田 とりあえずがんばれって言いたい。当時の私は何もかも初めてでビクビクしてばかりだったので。

 それでもみんな希望に満ちあふれていて常にワクワクしてました。不安もあったとは思うけど、とりあえずやるべきことをやろうって感じで。

浜崎 負けるなって言いたい、私は(笑)。

──3周年公演に向けて何か考えていることはありますか?

高嶋 まずは、ファンの皆さんに感謝の気持ちをしっかり届けたいって思っています。

小林 私はライブで披露してきた曲を全部やりたいです!

一同 うわあああ(笑)。

高嶋 みんながやりたいことを詰め込んだプロデュース公演とかもいいよね。自分たちの記念のライブなんだから「3周年迎えた!」って満足感のあるものにしたいです。それと、その前のゴールデンウィークに初めてのメンバープロデュースによるダンスサミット公演に挑戦することになりました。私たちの個の力をもっともっと磨いて、次の扉を開けられるようにしたいです。

ニューシングル「逆光×礼賛」 / 2016年3月23日発売 / EPICレコードジャパン
初回限定盤A [CD+DVD] / 1800円 / ESCL-4604~5
初回限定盤B [CD] / 1000円 / ESCL-4606
初回限定盤C [CD] / 1000円 / ESCL-4607
初回限定盤D [CD] / 1000円 / ESCL-4608
通常盤 [CD] / 1000円 / ESCL-4609
期間生産限定盤 [CD] / 500円 / ESCL-4610
初回限定盤A CD収録曲
  1. 逆光×礼賛
  2. 十代に罪はない -Rearranged ver.-
  3. 逆光×礼賛 (KARAOKE)
  4. 十代に罪はない -Rearranged ver.- (KARAOKE)
初回限定盤A DVD収録内容
  • 逆光×礼賛 -Music Video-
  • TPD DOCUMENTARY vol.4 (2015.3-2015.11)
初回限定盤B収録曲
  1. 逆光×礼賛
  2. HEART WAVES
  3. HEART WAVES (KARAOKE)
初回限定盤C収録曲
  1. 逆光×礼賛
  2. SURVIVAL!!
  3. SURVIVAL!! (KARAOKE)
初回限定盤D収録曲
  1. 逆光×礼賛
  2. TIME
  3. TIME (KARAOKE)
通常盤収録曲
  1. 逆光×礼賛
  2. FIRE –Rearranged ver.-
  3. FIRE –Rearranged ver.- (KARAOKE)
期間生産限定盤
  1. 逆光×礼賛
東京パフォーマンスドール(トウキョウパフォーマンスドール)
東京パフォーマンスドール

1996年に活動休止した東京パフォーマンスドールが2013年6月に新生・東京パフォーマンスドールとして新メンバーで始動。高嶋菜七、上西星来、櫻井紗季、浜崎香帆、脇あかり、飯田桜子、神宮沙紀、小林晏夕、橘二葉の9人がメンバーとして活動している。2013年8月から12月まで東京・CBGKシブゲキ!!にて演劇とライブが融合した「PLAY×LIVE『1×0』」を上演し2014年にはニューバージョンで再演。ライブでは先代TPDから受け継いだ、MCなしで歌とダンスをノンストップで繰り広げる「ダンスサミット」を展開し注目を集める。2014年6月にデビューシングル「BRAND NEW STORY」をリリースし、同年8月には初の東名阪単独ツアーを実施。さらに同年11月と2015年4月にはZeppツアーに挑戦し、「1×0」を冠したシリーズを完結させた。2016年2月には東京・Zepp DiverCity TOKYOにて「ダンスサミット ネイキッド」と銘打った新公演を2日間にわたって繰り広げた。同年3月には浅倉大介が手がけた4thシングル「逆光×礼賛」を発表。