音楽ナタリー Power Push - 東京パフォーマンスドール
見えない壁を突き破る「逆光×礼賛」
見えない壁を破ることができた
──皆さんは2015年7、8月に「ダンスサミット ネイキッド」の第1~3クールを、12月から1月にかけて第4~5クールを行いました。演出を極力抑えてパフォーマンスを重視した内容になってましたが、短期間で新曲もかなり増えていて相当大変だったのでは?
浜崎 メンバーみんな口をそろえて言いますが、本当に大変でした(笑)。
上西 びっくりするくらい覚えることが多くて、大変で。
浜崎 新曲だけでも10曲以上覚えなきゃいけなかったし、第1クールから第3クールでは年末年始に行う第4クール以降に披露するかもしれない新曲もレッスンしていたんですよ。
──並行してやってたんですか?
高嶋 そうなんですよ。だからたくさん新しい振り付けを覚えなきゃいけなくて、もう頭も顔もパンパンで(笑)。
小林 さらに既存曲も演出が抑えられたことでパフォーマンスにもっと磨きをかける必要が出てきて、どう見せたら動きが際立つかとか自主練をたくさんしました。
──第1クールから第3クールではどんな反省点があって、それをどう第4クール以降に生かしました?
高嶋 最初の3クールは今までTPDがやってこなかったことをやってみようと思って、積極的に煽ることにチャレンジしたんです。「SURVIVAL!!」や「HEART WAVES」といった熱く盛り上がれる曲が増えたのでチャレンジしてみたり。いろいろやってみたんですけど、詰め込み過ぎちゃったかなと思うことはありました。ただファンの方たちからは新しいTPDの一面が見れたっていうご意見もいただけて。
小林 今までの私たちは白を基調としたさわやかなイメージがあったと思うんですけど、けっこう攻撃的なナンバーも増えたことで力強さが増したというか。それが自分たちにとっても殻を破れたって思えて。
櫻井 ただちょっと肉食系になり過ぎたというかね(笑)。
脇あかり うん。ちょっとガツガツし過ぎたところもあったね(笑)。
櫻井 でもそれも目的の1つではあったんですよ。どれだけやったら今のTPDにちょうどいいさじ加減になるかを計るには必要なチャレンジでした。
高嶋 なんかTPDってどうしても破れない壁があったんですよ。
──と言いますと?
高嶋 客席とステージの間に見えない壁があって、私たちが盛り上がっていてもお客さん側をそこまで巻き込めてないことがよくあって。「ダンスサミット ネイキッド」をやったことでどうやったらその壁を破れるのかが見えてきたというか。後半の第4クール以降、「逆光×礼賛」の勢いもあって徐々にですけどその壁を破れるようになってきたなって実感してます。
上西 今までのTPDってちょっと近寄りがたいイメージがあったのかもしれないです。でも「ダンスサミット ネイキッド」では例えばですがヘドバンをやったりコマネチをやったり、バラエティに富んだ振りがあって。不安もあったんですけど皆さんが楽しそうにしてくれたのを見て、やってよかったなって思いました。TPDはこうあらなきゃいけないっていう変な固定概念を取っぱらってもライブとして成立することがわかったのも収穫として大きかったです。
今のチームワークは最高です!
──第4クールではダンスアーティスト集団・WRECKING CREW ORCHESTRAの振り付けによる新たなダンスナンバー「G.I.F.T」が加わりました。かなりインパクトのあるダンスパフォーマンスですがいつものTPDのダンスとも異なってパワフルさが増した印象です。とても苦労されたのでは?
神宮 そもそも私たちがこれまでやっていたダンスとは動きがまったく違うので覚えるのが大変ということと、WRECKING CREW ORCHESTRAの先生があまりにも上手で、付いていくことに必死で。
橘二葉 先生が踊るのを見ながらゆっくりと覚えていったんですけど、とにかくステップが多くてみんなでそろえるというのが難しかったんです。
飯田 全体でのそろえ方は先生がスローモーションで教えてくださって、とても勉強になりました。
脇 「G.I.F.T」ってそもそもパフォーマンスだけの歌わない曲じゃないですか。だからどうやってお客さんを巻き込むかっていうことに対して苦労して。細かいですけど表情の部分での見せ方を工夫して、どうやったらお客さんと一緒に盛り上がれるかを意識しました。
──「逆光×礼賛」含めて新曲も増えましたしTPDにとってすごく幅が広がった公演でしたね。
浜崎 その通りだと思います。本当にチャレンジしてみてよかった。
橘 とにかく得たものが多かったです。時間のない中、よくここまでがんばれたなって思いますけど、自分たちでもよくわかんないうちに始まって終わってたというか(笑)。
櫻井 1週間前まで「ヤバい! どうしよう!」って焦ってるのに本番が始まると不思議とやれちゃいます。
上西 毎回言ってるよね(笑)。
──もうここまで困難なことに挑戦し続けていると何が来てもやれちゃうんですかね。メンバー同士の信頼感も上がっているし、同じ苦境を乗り越えてきた仲間というか。
飯田 演出も結成当初からずっと担当してくださっているウォーリー木下さんなので、メンバー以外のスタッフさんとの信頼関係も生まれてますし、ウォーリーさんが望んでいることを私たちも言われなくても理解できるようになってきていると思います。
高嶋 今はメンバー、スタッフさん含めてTPDのチームワークは最高だと思います!
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- ニューシングル「逆光×礼賛」 / 2016年3月23日発売 / EPICレコードジャパン
- 初回限定盤A [CD+DVD] / 1800円 / ESCL-4604~5
- 初回限定盤B [CD] / 1000円 / ESCL-4606
- 初回限定盤C [CD] / 1000円 / ESCL-4607
- 初回限定盤D [CD] / 1000円 / ESCL-4608
- 通常盤 [CD] / 1000円 / ESCL-4609
- 期間生産限定盤 [CD] / 500円 / ESCL-4610
初回限定盤A CD収録曲
- 逆光×礼賛
- 十代に罪はない -Rearranged ver.-
- 逆光×礼賛 (KARAOKE)
- 十代に罪はない -Rearranged ver.- (KARAOKE)
初回限定盤A DVD収録内容
- 逆光×礼賛 -Music Video-
- TPD DOCUMENTARY vol.4 (2015.3-2015.11)
初回限定盤B収録曲
- 逆光×礼賛
- HEART WAVES
- HEART WAVES (KARAOKE)
初回限定盤C収録曲
- 逆光×礼賛
- SURVIVAL!!
- SURVIVAL!! (KARAOKE)
初回限定盤D収録曲
- 逆光×礼賛
- TIME
- TIME (KARAOKE)
通常盤収録曲
- 逆光×礼賛
- FIRE –Rearranged ver.-
- FIRE –Rearranged ver.- (KARAOKE)
期間生産限定盤
- 逆光×礼賛
東京パフォーマンスドール(トウキョウパフォーマンスドール)
1996年に活動休止した東京パフォーマンスドールが2013年6月に新生・東京パフォーマンスドールとして新メンバーで始動。高嶋菜七、上西星来、櫻井紗季、浜崎香帆、脇あかり、飯田桜子、神宮沙紀、小林晏夕、橘二葉の9人がメンバーとして活動している。2013年8月から12月まで東京・CBGKシブゲキ!!にて演劇とライブが融合した「PLAY×LIVE『1×0』」を上演し2014年にはニューバージョンで再演。ライブでは先代TPDから受け継いだ、MCなしで歌とダンスをノンストップで繰り広げる「ダンスサミット」を展開し注目を集める。2014年6月にデビューシングル「BRAND NEW STORY」をリリースし、同年8月には初の東名阪単独ツアーを実施。さらに同年11月と2015年4月にはZeppツアーに挑戦し、「1×0」を冠したシリーズを完結させた。2016年2月には東京・Zepp DiverCity TOKYOにて「ダンスサミット ネイキッド」と銘打った新公演を2日間にわたって繰り広げた。同年3月には浅倉大介が手がけた4thシングル「逆光×礼賛」を発表。