ナタリー PowerPush - TOTALFAT

日本語詞を極めた新曲で新たな地平を切り開く

「Attack Or Die」を聴いてバンドを始めさせるのが理想

──カップリングにはハード路線の象徴といえる「Attack Or Die」が収録されてます。

Kuboty  2年くらい前、「OVER DRIVE」の頃に作った曲なんです。

インタビュー風景

Jose 「Good Bye, Good Luck」ができたとき、うちの母親から「すごく聴きやすくなった」って褒められたのに、次に「Attack Or Die」を聴かせたら「なんでここで戻るの?」って言われて(笑)。でも、ポップな曲だけだったらつまんないし、そういうことは俺らじゃなくてもできるじゃんって答えたら、「そうだけど、この曲は難しいわ」ってずっと言ってましたね。

Kuboty ちょっとJoseの母には届かなかったみたいだけど、このシングルを手にした中高生が「Attack Or Die」を聴いて「なんだこりゃーっ!?」ってビビッて、楽器を手にしてバンドを始めさせるのが俺らの理想で。

Bunta(Dr) 夜遊びもできずクラブにも入れなくて、ゲーセンからも早めに閉め出されちゃう、それこそ条例に引っかかる世代に突き刺さってほしいよね。

Shun 僕らもHi-STANDARDで同じような経験をしたわけだし、今度はTOTALFATがそういう存在になれたらうれしいですね。

Kuboty この曲を聴いてギターを始めた奴がいたら、俺ら的には正解。そのためのツインリード始まりですから(笑)。

Buntaの声が入って俺らが楽しんでる感じが出た

──1曲目に新機軸の「Good Bye, Good Luck」があることで、「Attack Or Die」がより映えたんじゃないかと思います。

Jose 「Attack Or Die」は今までの曲の中でも、よりキツめで激しくて。ギターソロもアレンジを重ねるごとに、どんどん長くなっていったんです

Bunta アー写撮影のときにちょうど昔のハードロックをたくさん聴いていて、そこからかなりインスパイアされて。

Kuboty 90年代のジャーマンメタルとか、80年代のLAメタルとかジャパメタとかを聴いてたんです。

インタビュー風景

Bunta 最初はドラムフレーズが今とは全然違ったんですけど、あえてDEEP PURPLEのイアン・ペイス(Dr)みたいなスネアロールをイントロに入れてみて。ある意味ギャグみたいなものですけども、これからもこういうプレイは増やしていきたいなと思ってます。

Kuboty イントロのドラムパートを聴いて、「うわー俺、ドラムやりてえ!」って思う奴、絶対にいると思うよ。

Jose で、その後に聴こえるあの声はなんなんだろうってね(笑)。

──冒頭のブレイクパートで聴こえる「あーっ!」って声のことですよね。

Jose あれは最初にBuntaがミスったときの「あーっ!」って声が入っちゃってたんです。

Bunta 6連で叩くのがちょっと間に合わなくて、悔しくて「あーっ!」っ声に出したのがそのまま活かされたという(笑)。

Kuboty ドラムパートはNGテイクなんですけど、声だけはOKテイクとして採用しました。

──あの声が入ってくることで、臨場感というかライブ感が増したと思います。

Bunta こういうのは削ってしまうことが多いんでしょうけど、そこを残すのがTOTALFATらしいなと。ああいうアホっぽい感じはどんどん出していきたいですね(笑)。

Jose あの声が入ることで、俺らが楽しんでる感じが出たかなと思っていて。でも、曲自体は超ガチに演奏してるので、その対比が面白いんじゃないかな。

Kuboty ちょっとシリアスなメタルっぽく捉えられそうな気がしたので、肩の力を抜いてやってる感をあの声で表現しました。

ニューシングル「Good Bye, Good Luck」 / 2012年1月18日発売 / Ki/oon Records

  • 初回生産限定盤 [CD+DVD] 1575円(税込) / KSCL-1910/1 / Amazon.co.jp
  • 通常盤 [CD] 1223円(税込) / KSCL-1912 / Amazon.co.jp
CD収録曲
  1. Good Bye, Good Luck
  2. Attack Or Die
  3. Place toTry -Featuring Atsushi Suemitsu Version-
  4. Good Bye, Good Luck -NARUTO-ナルト-Opening Version-
  5. Good Bye, Good Luck -Instrumental-
DVD収録内容
  • Good Bye, Good Luck (Music Clip)
  • Livin’ for The Future(Live) *September 18th, 2011 SHIBUYA-AX,TOKYO
  • Across The Chance (Live) *September 18th, 2011 SHIBUYA-AX,TOKYO
TOTALFAT(とーたるふぁっと)

2000年、同じ高校のメンバーにより八王子で結成。都内のライブハウスを中心に、精力的なライブ活動を展開する。2002年から全国ツアーを敢行。ライブバンドとしてその頭角を現す。2003年に1stアルバム「End on Introduction」をリリース。2004年、ギタリストのKubotyが正式メンバーとして加入し、Shun(Vo, B)、Jose(Vo, G)、Bunta(Dr)、Kuboty(G)の4人でパワフルな活動を継続中。数々のコンピレーションアルバムへの参加を経て、2005年にミニアルバム「Get It Better」を発表。2007年にはミニアルバム「Hello & Goodnight」をリリースし、GOOD CHARLOTTEの来日公演オープニングアクトに出演した。 2008年には「PUNKSPRING 08」に初出演を果たし、アルバム「ALL THE DREAMER,LIGHT THE DREAM」を発表。THE OFFSPRINGのジャパンツアーで日本人最多の7公演のオープニングアクトを務めた。2009年にはアルバム「FOR WHOM THE ROCK ROLLS」をリリース。「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2009」「SUMMER SONIC 2009」といった夏フェスに出演し、好評を博した。

2010年6月にKi/oon Recordsからメジャー1stアルバム「OVER DRIVE」を発表。翌2011年5月には井上ジョーをフィーチャーした日本語詞のシングル「World of Glory with JOE INOUE」をリリースし、話題を集めた。続けて同月末にメジャー2ndアルバム「DAMN HERO」を発表。9月には全国ツアーのファイナル公演として、SHIBUYA-AXでワンマンライブを実施し大成功を収めた。同年11月に2ndシングル「Place to Try」を発売。2012年1月には早くも3rdシングル「Good Bye, Good Luck」をリリースした。