東京カランコロン「東京カランコロン01」 PR

東京カランコロン|再起動した“男女ツインボーカルバンド”が歌うポップミュージック

東京カランコロンが10月4日におよそ1年9カ月ぶりとなるニューアルバム「東京カランコロン01」をリリースする。

2016年4月に東京・日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブを終えてから、一度立ち止まり、話し合いを重ねていたと言う東京カランコロン。彼らはその後2017年にレーベルをエイベックスからTALTOに移籍し、「東京再起動」と題したプロジェクトの一環として2枚のワンコインシングルをリリースしたり、野外イベントを含む東名阪ツアーを行ったりと精力的に活動している。そのプロジェクトの締めくくりと位置付けられる今回のアルバムには、シングル曲を含む全12曲が収録される。

音楽ナタリーではメンバー5人にインタビューを実施し、昨年の日比谷野音公演から「東京再起動」プロジェクトに至るまでの経緯や、約1年9カ月ぶりとなるニューアルバムに込めた思いを語ってもらった。さらに特集の後半には、5人によるアルバム全収録曲の解説と各曲の試聴映像を掲載する。

取材・文 / 石橋果奈 撮影 / 草場雄介

東京カランコロン「東京カランコロン01」
2017年10月4日発売 / TALTO
東京カランコロン「東京カランコロン01」

[CD]
3000円 / TALTO-006

Amazon.co.jp

収録曲
  1. トーキョーダイブ
  2. どういたしまして
  3. ラブソング
  4. ハッピーエンディング
  5. AWESOME FRIDAYS
  6. 321で
  7. ビビディバビディ
  1. シークレットランド
  2. かさぶた
  3. アンサンブル
  4. つよがリズム
  5. 走り出せロンリー

ボーナストラック

  • 中華そば

「東京カランコロン01」インタビュー

これからどうやっていくのか

──2016年4月に東京・日比谷野外大音楽堂で行われたワンマンライブのあと、「ここからどう進んでいくのか」という話し合いの期間があったそうですね(参照:東京カランコロン野音で2534日を振り返る、在日ファンクホーンズと共演も)。

いちろー(Vo, G)

いちろー(Vo, G) そのライブには「今までの自分たちの音楽を総括する」という意味合いがあったので、終わったあとにこの先の音楽的な方向性を考えました。あと野音をやる時点で「別のところに移籍しよう」っていう思いも固めていて。メンバーとスタッフで、このあとどこでどういう形でリリースをするかっていうことを話し合いましたね。

──そこで現在の所属レーベルの名前が上がったんですか?

いちろー はい。エッグマンがTALTOっていう新しいレーベルを作るって話が出てきたんです。すごくバンド思いの会社だと聞いていたし、僕らのことを気に入ってくれてる人もいたので。新しい場所だったら自分たちのカラーをストレートに出せると思うし、そこで新しいスタッフとリスタートを切れたら一番いいんじゃないかと(参照:東京カランコロン、ワンコインシングル&ツアーで東京再起動)。

──振り返ると、メジャーレーベルでの活動はどのようなものでしたか。

いちろー 「こういうことをさせられて嫌だった」みたいなことも全然なくて、関係は良好でしたね。変な言い方ですけど……僕らみたいなバンドに「売れるだろう」って期待してお金をかけてくれて、すごくありがたかったです。でもそのぶん僕らが数字で結果を出さないと、僕たちのことを好きでエイベックスに連れて来てくれた人たちと一緒に仕事ができなくなっちゃうんですよ。結局会社なので。だから数字的なことも含めてその人たちの期待に応えることに関しては、無理をするぐらいがんばってたと思います。

せんせい(Vo, Key)

せんせい(Vo, Key) 私の中では周りがどうとかじゃなくて、制作、リリース、ツアー、制作、リリース、ツアーのサイクルで隙間がなくて、常に走ってる感覚がありました。走って走って、とにかく「次はあそこ」「その次はあっち」って、「ここに行くためにこうする」っていうふうに目的がもう決まっちゃってて、そこに行く意味を考えずに突っ走っていました。だからメンバー5人やカランコロンっていうものに関して、向き合う時間がまずなかった。

──そうだったんですね。

せんせい あと、自分たちが何もしなくても、エイベックスの人が連れて来た関係者が周りにいてくれて。極端に言うと……その関係者の人たちの先頭に立って「よし行こう!」って前を向いていたはずだったけど、パッと後ろを見たら実は誰もいなかった、みたいな。それで自分たちがその人たちを引っ張って来たんじゃなくて、その人たちが「いてくれてた」状況やったことに気付いて。だから改めて5人がどうしたいのか、5人でどうするのか、これから東京カランコロンはどうやっていくのかを話し合いました。

おいたん(G, Cho) 例えば自分たちのもともと持ってる服があったとしますよね。でもメジャーで活動していくにつれて、「この服も似合うんじゃない?」「この服も似合うんじゃない?」って着させられてるうちに、どの服が似合うかわかんなくなっちゃったんですよね。

せんせい そのときはたぶん、今までやってきたことに対して「でも、自分たちはこれがやりたかったから!」って自信を持って言えなかった。もちろんその都度「これが正しい」と考えて選んできたけど、時が経ってみたら「もっとこうできたかな?」っていう後悔のような思いもあって。だからメジャーを離れたときには“服を着させられてる”ってならないように、自分たちが着たい服を着ていかないとって思いました。

みんなでやるなら、みんなで責任を取れるほうがいい

──これまではいちろーさんとせんせいが基本的に意見を言う立場でしたけど、野音が終わってからはほかの3人も話し合いに積極的に参加するようになったそうですね。

おいたん 意見を言うようになってしばらく経ったから、前がどうだったか忘れちゃったっていうのが正直なところなんですけど……前そんなに黙ってたかな?(笑)

せんせい (頷く)

いちろー せんせいと俺の意見が折り合わないぐらいに違っちゃってたっていうことが大きいかも。

おいたん あー、なるほど。

かみむー氏(Dr)

いちろー もうほかのメンバーに意見を求めざるを得ない状況に追い詰められて「あなたたちも意見ちょうだいよ」って。それで3人の意見が引っ張り出されて、わりとそれが今常態化してると言うか。

かみむー氏(Dr) 正直、個人的には「意見を言うのをやめよう」っていう気持ちもあったんですよね。メンバー5人いるし、みんな意見が違うこともあるし。とりあえず、俺と佐藤(全部 / B)さんよりも先にバンドにいたいちろー、おいたん、せんせいが思ってることがあるなら、それをまずやってみようっていうスタンスだったんです。でも、去年立ち止まって話し合って「もう一回やり直そうよ」ってなったときに、今までは思ってても言わなかったこともなるべく言ってったほうがいいんじゃないかなと思い直して。

──佐藤さんはどうですか?

佐藤全部(B) ……まったく同じです。

かみむー氏 あはは(笑)。

佐藤全部(B)

佐藤 僕はかみむー氏と一緒にバンドに入ったから、やっぱ似てるんですよね!

いちろー でもさあ、あとから入ったって言うけど、2人共もう8年ぐらいいるよね?(笑)

せんせい ふふふふ(笑)。

かみむー氏 遅かったんだよね、話し合ったほうがいいことに気付くの(笑)。

佐藤 動かしてくれる人に乗っかるのは楽だったし、円滑に行くんであればいいって思ってた。

いちろー それが円滑に行かなくなっちゃったから変わったんだろうね。

佐藤 うん。自分のケツは自分で拭くじゃないけど、やっぱ言ったからにはやるしかないじゃないですか。言わなかったら後出しジャンケンができるし。今はみんなでやってるから、みんなで責任を取れるほうがいいんじゃないかなと思ってます。

“レーベル移籍”じゃ片付けられないから“東京再起動”

──2月にはTALTOの第1弾作品として、ワンコインシングル「トーキョーダイブ」をリリースしました(参照:東京カランコロン、ワンコインシングル&ツアーで東京再起動)。

いちろー 移籍後初の作品だったので、曲も歌詞もみんなですごく悩みました。歌詞は僕とせんせいがそれぞれ書いてみたんですけど、どっちもメンバーとスタッフにしっくり来なかったんですよ。それでメンバーに「この言葉どうかな」って相談しまくっていたら、結果的にメンバーの言葉がどんどん歌詞に入って来たんです。

おいたん(G, Cho)

おいたん 大喜利大会みたいになって(笑)。

いちろー 歌詞のパートによっては俺がメインで書いたところもあるし、せんせいがメインで書いたところもあるんですけど、結局あちこちにみんなで出し合った言葉が入ってるので「これはもうみんなで作ったな」って。だから作詞も東京カランコロン名義にしました。

──なるほど。

いちろー その「トーキョーダイブ」の仮タイトルが「東京再起動」だったんですよ。それで「なんかそのワードいいね」ってなって、プロジェクト名にしたんです。“東京再起動プロジェクト”って旗掲げてますけど、すんごい平たく言ったら“レーベル移籍”じゃないですか(笑)。

──あははは(笑)。

いちろー ただ僕らとしては、“レーベル移籍”で済ませられないぐらいいろいろあったんですよ……まあほかのバンドもいろいろあるんだろうけど。でもそのドラマを詳細に説明していくと、ちょっといろんなところに角が立つ可能性もあるので(笑)。

──だったらもう「東京再起動」という言葉に思いを込めようと。

いちろー はい。自分たちが去年一旦悩んで止まって、いろいろ考えた末に「もう一回電源を入れ直して、リスタートします」っていう思いを詰め込みました。

──その話を聞くと「トーキョーダイブ」の歌詞により重みを感じます。「君ともう一度ワクワクしたいんだ」とか「すがってきたものを 手放して進め」とか。

東京カランコロン

いちろー 去年は重たかったですねえ。今年に入っても、揉めたり話し合ったりすることは多々あるんですけど、「これをやりたくない」とかじゃなくて「こうやったほうがバンドのためにいいんじゃない?」っていう揉め方なので、前に進んでる感があります。去年はただ、出口のない洞窟の中で立ち止まってみんなで揉めてるみたいな感じでしたから(笑)。でも今はちゃんと出口が見えてる洞窟で、「こっちに行ったらいいんじゃないか?」「この方法で進んだらいいんじゃないか?」っていうことをちゃんと話し合えているので。

──揉めるってことは、それだけ各々にこだわりがあるとも言えますもんね。

いちろー そうなんですけどね……めんどくさいですよね(笑)。ワンマンバンドのほうが話は早いと思います。

おいたん この間も30分のライブのセットリスト決めるのに3時間かかりましたからね(笑)。

いちろー でも「なんとなくこれでいいんじゃん?」でみんなが済ませられなくなってるっていうのは、ある意味前向きでいいんじゃないかなと思いますね。「ちゃんとやらないと伝わらないでしょ」って、各々が思ってるってことだから。

東京カランコロン(トウキョウカランコロン)
東京カランコロン
いちろー(Vo, G)、せんせい(Vo, Key)、おいたん(G, Cho)、佐藤全部(B)、かみむー氏(Dr)からなる5人組バンド。2009年5月に現メンバー編成での活動を開始した。2010年6月にdiskunionで自主制作盤「2ndデモCD」が発売され、インディーズチャートで1位を獲得。10月には初の全国流通盤となるアルバム「東京カランコロンe.t.」をリリースした。2012年8月にエイベックスよりメジャーデビュー盤となるミニアルバム「ゆらめき☆ロマンティック」を発表し、その後もコンスタントにリリースを重ねていく。2017年にエッグマン内のレーベルTALTOに移籍。「東京再起動」と題したプロジェクトの一環として2月に「トーキョーダイブ」、5月に「ビビディバビディ」と2枚のワンコインシングルをリリースした。10月には移籍後初となるニューアルバム「東京カランコロン01」を発売。リリース前の8月にはアルバム全曲を披露するフリーライブを大阪と東京で開催して話題を集めた。