01. トーキョーダイブ
作詞作曲:東京カランコロン
せんせい 初めておいたん、佐藤さん、むー氏がいろいろ意見してくれた曲やな。
おいたん みんなでスタジオの中で歌詞の話をしたけど、それでも時間がなくて、暑い中スタジオの外でも2時間ぐらい話したことをすごい覚えてる。
いちろー ホントに、ほとんどの部分をみんなで作った曲だよね。今後活動するうえでも、東京カランコロンというバンドにとってめちゃくちゃ大事な曲になったと思う。
おいたん この曲以降、書いてる本人以外のメンバーも歌詞について意見を出せるようになったことがデカいかもしれない。今まではオケをみんなで録って、歌入れするまでどんな歌詞なのかわからないときもあったりしたから。
いちろー それ以降、先に歌詞に込めた思いを共有するようになったね。あと移籍してから初めて発表した曲だけど、「この曲でバンドを知ってくれた人がいるんじゃないかな?」っていう雰囲気をなんとなく感じていて。それがすごくうれしいなと思う。
02. どういたしまして
作詞:いちろー / 作曲:東京カランコロン
おいたん いちろーが持ってきた仮の歌詞に「どういたしまして」っていう言葉はすでにあって。「ありがとう」をすっ飛ばして使ってるのがすごく斬新だなと思った(笑)。
いちろー この曲は「ありがとう」に対する「どういたしまして」っていう意味だけじゃなくて。例えば僕らが何かをやったときに喝采されることも、嘲笑されることもあると思うんだけど、どっちだとしても「どういたしまして」って言えちゃうぐらいの、今の自分たちのテンションを表しました。
おいたん 「さらばリメンバー」っていうフレーズが出てくるまで相当時間がかかったのを覚えてる。言葉があまりに強すぎると、それをタイトルにしたほうがいいじゃん」ってなっちゃうから。でも「どういたしまして」ってみんなで言いたいっていうのがあったから、ちょうどいい言葉を探してたよね。
かみむー氏 ドラムについては、今までと比べたら不安になるぐらいシンプルなことをやっていて。それが演奏しててもすごい気持ちいいし、歌詞とも合ってると思う。
03. ラブソング
作詞:いちろー / 作曲:東京カランコロン
いちろー 去年の野音で会場限定シングル「つよがリズム」をリリースしたけど、その候補曲としてたくさん曲を作っていた中の1曲だったよね。で、今回の「東京カランコロン01」に向けて会議室で昔のデモを聴いてたときに、満場一致で「これいいじゃん!」って反応した。
せんせい ふふふ(笑)。掘り返しとったね、そのとき。デモを聴いてイントロからもう「カッコいい!」って思った。
いちろー けっこう遊んだ曲だけど、デモの時点ではもっとカオスで。フレーズが山ほど入っていたのをかなり整理してシンプルにしていった。
せんせい これでシンプルなんやって感じやけどな(笑)。
佐藤 この曲疲れるんだよねー。なんかすごい難しい。すごい好きだけど、すごいつらい。
せんせい つらい(笑)。Kaossilatorも入ってて面白いよね。
いちろー この曲は「君が好き」みたいな王道ラブソングではなくて、ただ普段思ったことを書いただけで。だってうちらが「ラブソング」って言ってバラード書いたら絶対ダサいじゃん(笑)。でも音楽に対する愛や、人に対する愛……いろんな捉え方をしてもらえる曲だと思う。
04. ハッピーエンディング
作詞:せんせい / 作曲:東京カランコロン
せんせい これは「聴いてとにかく元気になってほしい!」っていう気持ちだけで歌詞を書きました。ライブを観に来てくれてる子の中にはお手紙を書いてくれる子もけっこういて、そこに「毎日こんなことで悩んだり、こういうことが嫌なんです。でもカランコロン聴いて元気出してます」みたいなことが書いてあって。そんな人たちに向けて「もうどんなんだったって、全然問題ないよ!」っていう気持ちで書きました。これを聴いて学校や会社に行くときに「よし!」って思ってもらえたらいいな。
いちろー 最初はThe Libertinesっぽいガレージロックにしようと思ってて。でもせんせいから歌詞とメロディが上がってきたときに「普通にポップでいい曲だな。せんせいの持ち味が出てるな」って感じたから、最終的にはシンプルにポップないい曲にしました。でもAメロではおいたんがめちゃくちゃ変なギターフレーズを弾いてたりとか、自分たちらしさはすごく出てるよね。
おいたん うん、アルバムの中でギターが一番難しい曲(笑)。
せんせい 弾き倒してる感じやもんな。
おいたん それもあって、ミックスが上がってきてから「あれ、めっちゃいい曲だな」って思った。アレンジが二転三転して大変な思い出があったから、もっとヘンテコな曲のイメージだったんだよね。
05. AWESOME FRYDAYS
作詞:せんせい / 作曲:東京カランコロン
いちろー 曲自体は勝手にGラヴをイメージして、ファンキーな感じとかサーフっぽいノリを入れて。でも振り切るんじゃなくて、サーフっぽいことをオルタナの人たちがちょっとやってみたって感じにした。ワンコインシングル「ビビディバビディ」にはアコースティックバージョンが入ってるけど、実はこのアルバムに収録されるバンドアレンジのほうが先で。間奏の爆音がめっちゃ気に入ってる。
おいたん アコースティックバージョンはインストアライブですでに披露してたっていうのもあって、アルバム全曲披露ライブでは「アコースティックを超える演奏をするしかない!」って気合いが入ってたな。
いちろー バンドアレンジに関しては、気を抜いてやるとすごいベタっとした演奏になるよね。
せんせい だから演奏前に、ドラム以外のメンバーは小躍りして体をほぐして(笑)。
いちろー そうそう。大阪公演のときは小躍りが大踊りぐらいになっちゃって「ちょっとあれ踊り過ぎじゃん?」っていう意見が出たので、東京ではわかんないぐらい小さく踊りました(笑)。
06. 321で
作詞:いちろー / 作曲:東京カランコロン
いちろー とにかくライブでやったときにみんなで盛り上がれて、お客さんの心をつかめる曲がほしくて作り始めた曲。途中、ボツになりかけてたからすごく考えてサビを作り直したんだけど、無事にできあがってよかった。「どういたしまして」もそうなんだけど、絵が浮かぶような曲にしたくて、主人公を想像しながら書きました。最終的にそれが「カランコロンのことでもあるんだろうな」って思ってもらえたらいいなって。あとレコーディングでは、むー氏が重いスティックでドラムを思いっきり叩いていたよね。
かみむー氏 そうそう。AxSxEさんから「ガッツをくれ!」って言われて、けっこう力を振り絞って叩いた記憶がある。
せんせい 普段持たない太さのスティックを使ってたからか、マメできてたよね。
かみむー氏 血マメできた(笑)。ライブだとうるさくてできないけど、音源では120%ぐらいの力で叩いてる。AxSxEさんの「ガッツをくれ!」ってヤツ、たまにあるんですよ。
おいたん あとこれ、実は「どういたしまして」とリード曲争いをしてた曲だからすごい思い入れがある。出だしでどれだけシンプルにうちらっぽく、かつノリがいい曲だとわかってもらえるかって考えていろいろ試したな。
07. ビビディバビディ
作詞:いちろー / 作曲:東京カランコロン
いちろー これは「トーキョーダイブ」と一緒に、移籍後最初のシングルの候補になってた曲。でも最終的にトリッキーな仕上がりになったから、2枚目のシングルにしようって。だから歌詞のテーマとしては基本的には「トーキョーダイブ」と同じ。ただノリ重視で演奏に面白みがあるから、「トーキョーダイブ」に比べて歌詞の言葉遊びも多めにしました。デモよりかなり引き算したけどこれだけトリッキーなんだから、デモのほうは今聴いたらとんでもなくトリッキーなんだろうね(笑)。
おいたん あとこれはチャレンジングな曲っていうイメージがあるかも。こういうリフもののオケで早口で歌う曲って、ここ何年かほかのバンドさんがよくやってる手法だから。そんな今さら感がある中で、これを出すのはちょっとチャレンジで。でもサビの歌詞にパンチがあるから「いいじゃん」って思った。あと「あんな好きなんて宇宙に無い!」って歌詞なのに、PVで宇宙に行くっていう(笑)。
いちろー ないのにね(笑)。しかも最後宇宙で爆発するっていう。あ、最後爆発して地球に帰るんだ。
せんせい 宇宙になかったから戻ってくるんや。
おいたん じゃあつじつまが合ってるね(笑)。
08. シークレットランド
作詞:いちろー / 作曲:東京カランコロン
いちろー これ、アリアナ・グランデを聴いて「こういう曲作りたいな」って思って。最終的には全然違う感じになっちゃったんだけど(笑)、ポップで乗れる曲を作りたいなって思って作りました。あと今話題の“海の向こうの国”のことについてどうしても気になるので、それをちょっと歌いたかったんです。
おいたん 全然気付かなくて、自分ってニュース見てないんだなあと思った……。
いちろー メンバー誰も気付かなかったからね。でも気付かなかったら気付かなかったでいいやって思ってさ。あとすごい私的なことで言うと、僕最近引っ越したばかりで、隣の人の騒音がすごく気になって。自分も家で歌ったりするから、そのときにもし隣でガコン!って音がしたら「聴こえてんのかな? 怒ってんのかな?」って思うじゃないですか。で、お互いにビビり合って、勝手にイラついていくって言うか。だから俺、菓子折り持って挨拶に行って。
せんせい あはは(笑)。えらい。
いちろー そしたら結果、一番音が響いてくる上の部屋の人と仲良くなって。これは部屋単位の話だけど、国単位で言っても同じだと思うんですよ。「あっち何やってんのかな?」とか、なんかわかんないじゃないですか。さらに何も知らないまま想像すると、どんどん悪いほうにいく可能性があって。でも隣の部屋の人の顔を知ってて「今日家でこういう作業をしてるから、うるさいよ」っていう事情がわかればムカつかないと思うんだよね。よくわかんないヤツがよくわかんない音を鳴らしてるとすげえ怖いしイライラするじゃないですか。だから、「KEYは“アイラブユー”」かなと。
かみむー氏 これも、ドラムはガッツ系。
いちろー AxSxEさん「ガッツをくれ」って言ってたね!
かみむー氏 だから華奢な日本人なんですけど、気持ちはゴツいアメリカ人みたいなテンションでレコーディングもライブも叩いてます。
09. かさぶた
作詞:いちろー / 作曲:東京カランコロン
いちろー せんせいがメインで歌う曲と、俺がメインで歌う曲を1曲ずつ入れたいなと思って作ったバラード。うちらバラードだとすごいリズムが重たくなるから、リズム自体は軽快だけど切ない曲を作ってみたくて書きました。
せんせい 生々しい曲やと思う。昔やってたいちろーさんのソロプロジェクトの曲を聴いたことがある人は、「なるほど」ってなるよね。
いちろー 俺、そんな感じだったっけ?
せんせい うん。ソロやとすごく生々しい感じがする。
おいたん いちろー覚えてないでしょ? 俺、いちろーのソロを最初に聴いたとき、ひと言で言うと「ホラー」だと思ったからね(笑)。
いちろー えっ(笑)。
せんせい すごくいちろーさんらしいし、私には絶対書かれへんと思う。そのいちろーさんらしさが生々しく出ていて、たぶんメンバーとかマネージャーとかにしたら「うん、いちろー節よね!」って感じ。
いちろー うーん……確かに今までの自分たちだと、こういう曲ができたときにもっとドラマチックなアレンジにしてたかも。俺もたぶんもっとドラマチックに歌ってたと思うんだけど、あえてそこに余分なものを入れずに完成させたから、歌としての純度が高くて余計に俺っぽさがすごく出てるんだと思う。ある意味アルバムの中では異彩を放ってるのかもしれない。
10. アンサンブル
作詞:せんせい / 作曲:東京カランコロン
せんせい これは私が自転車で環七を爆走してるときに見たり、感じたりしたものを歌詞にしていて。今回いちろーさんと「それぞれのパーソナルな部分を出した曲を持ってこよう」って話して、何曲か作ったうちの1つ。
おいたん これは1つの部屋にそれぞれのアンプを入れて音がかぶる状態で一発録りしたから、レコーディングで一番緊張感があったよね。間違えたら手を挙げろって(笑)。せんせいの体のリズムを感じながら弾きました。
佐藤 べースだけで言うと、アルバムの中で一番好きな音が出せている曲。
せんせい この曲のベースめちゃくちゃいいよね。
いちろー 隙間のあるアレンジだから、ベースの細かいニュアンスがすごい出てるよね。ピアノも生のピアノで録ってあるんで、柔らかい鳴りで。みんなでジャズバーで演奏しているみたいな空気感が出せたかなあと。そういう意味ではこの曲もアルバムの中で異彩を放ってると思います。
11. つよがリズム
作詞:いちろー、せんせい / 作曲:東京カランコロン
いちろー これは野音で販売した限定シングルの表題曲です。
せんせい 作詞は私といちろーさん名義で。
いちろー せんせいが最初に書いてたけど煮詰まって、俺が参加して、最後は2人で仕上げたんだよね。この曲はうちらのターニングポイントになった曲だと思っていて。余分なものを減らしながらも、自分たちの味を残すことを初めて考えながらて作った曲なんです。今回のアルバムの方向性はこの曲がきっかけになってるかも。楽器についてももみんなに見せ場がある曲。
おいたん この曲、今だったらやらないアレンジが入ってて「変な尖り方してたな俺」って思う(笑)。キーがDなのに、俺ずっとD#を弾いてるんだよね。でもシンプルな中でも1個だけこだわりを持って作るっていう意味では、今の制作につながっているのかも。
12. 走り出せロンリー
作詞:せんせい / 作曲:東京カランコロン
いちろー 「わなわな」言ってまーす。
せんせい ふふふ(笑)。歌詞の「わなわな」は、最後の最後に5人で決めた言葉で。この「わなわな」が入るだけで全体の歌詞がすごく柔らかい印象になるし、ちょっとおちゃらけて見える。歌詞で描いた悩んでいる状況をいい意味で笑い飛ばせるような感じもするし、明るく前向きな曲になったなあって思う。
いちろー この曲もリード曲の候補だったんだけど、ずっとAメロ、Bメロ、Cメロの繰り返しでどこがサビかわからないから、リードにするのはやめた。試聴映像ではド頭から「わなわな」までのワンブロックを聴けるんだけど、実は曲の最後のパートが一番エモくて。フルコーラスを聴かないと曲のストーリーが見えない曲だから、ぜひ全部聴いてほしいです。あとこの曲はベースソロがあるもんね。
佐藤 ね! アルバムの最後にハマってるよね。エモいし、“物語の最後”感あるなって。
せんせい この曲はおいたんもけっこう歌ってて、それがいいエッセンスになってるよね。
おいたん 俺、AxSxEさんがどこで歌を止めるかわかんなくて、どこで息吸っていいかわかんなくなって。ずっと歌ってたら最後血管がぶち切れるかと思った(笑)。
ボーナストラック 中華そば
いちろー これは聴いてみてのお楽しみで。あ、めちゃくちゃな演奏が入ってるんですけど、メンバー全員が通常のパートとは違う楽器を演奏したことはお知らせしたいです(笑)。俺がベース、全ちゃんがキーボード、おいたんがドラム、むー氏とせんせいがギターをやってて、下手じゃないと出せないグルーヴが出てると思う。
おいたん 下手に見せてるんじゃなくて、あれしかできないからね(笑)。
かみむー氏 でも一生懸命で、一応成り立ってるのがいいよね。
いちろー ボーナストラックだと知らずにCDを聴いた人はびっくりするだろうね、「さっきまでエモくなってたのに」って(笑)。でもやっぱそれがうちららしいよね。ただ真面目には終われないっていう。
- 東京カランコロン「東京カランコロン01」
- 2017年10月4日発売 / TALTO
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[CD]
3000円 / TALTO-006
- 収録曲
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- トーキョーダイブ
- どういたしまして
- ラブソング
- ハッピーエンディング
- AWESOME FRIDAYS
- 321で
- ビビディバビディ
- シークレットランド
- かさぶた
- アンサンブル
- つよがリズム
- 走り出せロンリー
ボーナストラック
- 中華そば
- 東京カランコロン01リリースツアー「久々の全国ツアーですけど、再起ん動?」
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- 2017年11月3日(金・祝)宮城県 enn 2nd(ワンマンライブ)出演者東京カランコロン
- 2017年11月5日(日)北海道 DUCE(ワンマンライブ)出演者東京カランコロン
- 2017年11月11日(土)福岡県 INSA(ワンマンライブ)出演者東京カランコロン
- 2017年11月12日(日)広島県 CAVE-BE(ワンマンライブ)出演者東京カランコロン
- 2017年11月18日(土)香川県 DIME出演者東京カランコロン / アカシック
- 2017年11月19日(日)大阪府 梅田CLUB QUATTRO(ワンマンライブ)出演者東京カランコロン
- 2017年11月23日(木・祝)愛知県 APOLLO BASE(ワンマンライブ)出演者東京カランコロン
- 2017年11月28日(火)石川県 vanvanV4出演者東京カランコロン / モーモールルギャバン
- 2017年11月29日(水)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2出演者東京カランコロン / ONIGAWARA
- 2017年12月6日(水)新潟県 GOLDEN PIGS RED STAGE出演者東京カランコロン / ONIGAWARA
- 2017年12月9日(土)東京都 WWW X(ワンマンライブ)出演者東京カランコロン
- 東京カランコロン(トウキョウカランコロン)
- いちろー(Vo, G)、せんせい(Vo, Key)、おいたん(G, Cho)、佐藤全部(B)、かみむー氏(Dr)からなる5人組バンド。2009年5月に現メンバー編成での活動を開始した。2010年6月にdiskunionで自主制作盤「2ndデモCD」が発売され、インディーズチャートで1位を獲得。10月には初の全国流通盤となるアルバム「東京カランコロンe.t.」をリリースした。2012年8月にエイベックスよりメジャーデビュー盤となるミニアルバム「ゆらめき☆ロマンティック」を発表し、その後もコンスタントにリリースを重ねていく。2017年にエッグマン内のレーベルTALTOに移籍。「東京再起動」と題したプロジェクトの一環として2月に「トーキョーダイブ」、5月に「ビビディバビディ」と2枚のワンコインシングルをリリースした。10月には移籍後初となるニューアルバム「東京カランコロン01」を発売。リリース前の8月にはアルバム全曲を披露するフリーライブを大阪と東京で開催して話題を集めた。