ザ・リーサルウェポンズ特集|Blu-ray 16作、一挙発売!収録される全ライブを振り返る (3/3)

LIVE IN KAWASAKI 2023

2023年9月24日に神奈川・ラ チッタデッラ中央噴水広場で行われたアルバム「OKシンセサイザー」発売記念フリーライブ。

アイキッド この会場は180°お客さんに囲まれる、コロッセオみたいな作りになっていて。どこを見てライブをしていいかわからなかった(笑)。

ジョー あの会場、めっちゃ楽しい。

アイキッド 客席を見上げるから首が疲れたね。初めてじゃない? お客さんより低いところに我々がいるという構図は。

ジョー ちょっと恥ずかしかったね。私たちのことを全然知らない人も観ていて。

アイキッド 普通の通行人ね。でも「きみマザ」のイントロがかかると、「あ~!」って顔をしてました。たぶん、MVを観たことがあったんでしょうね。「きみマザ」は一般層というか、SNSの民には浸透していますから。このバンドはまず見た目のインパクトがあるし、ほかにもコールやチャントが入る曲が多くて、わりと年齢層高めのお客さんが“怒号”を飛ばしてるし、通行人はたいだい一瞬は足を止めてくれます。

ザ・リーサルウェポンズ

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LIVE IN OSAKA 2023

2023年10月7日に大阪・OSAKA MUSEで行われたライブイベント「MINAMI WHEEL 2023」出演時の映像。

アイキッド これもある意味で思い出深いですね。ライブ中、私はふらっふらで(※アイキッドはこの2日後の10月9日、内耳性めまいを発症して病院に搬送された)。すでにめまいの症状があって、視界がぼやけてました。本能でギターはなんとか弾いてましたけど、ほとんど覚えてないですね。控室では「ジョーくん、今日は無理だからMC全部やってくれ」と話してました。

ジョー ライブでそれを忘れてて、「先生、元気ですか!」って言っちゃった(笑)。

アイキッド 全然元気じゃないし、返事もできない(笑)。病院に搬送された日は「イナズマロック フェス」に出演する予定だったんですけど、私は欠席して、ジョーくんが1人で出演しました。ジョーくんに「がんばってくれ!」と連絡したら、絶句したのか、既読スルーされました(笑)。

ジョー めっちゃ緊張したけど、西川(貴教)さんがちゃんと説明してくれてよかった。

アイキッド 「本当はザ・リーサルウェポンズは2人組なんだけど、ギターが緊急搬送されちゃって」という話をステージでしてくれたんだよね。

ジョー ポンザーのみんながサポートしてくれました。

アイキッド 映像を観たら、皆さん普段の1.5倍くらい声量が出ていて感動しました。

地獄の国技館バトルロイヤル 2023

2023年11月11日に東京・両国国技館で開催されたライブイベント。2021年の「新宿バトルロイヤル」と同様にバトルロイヤル形式で行われた。

アイキッド これは「イナズマロック フェス」の1カ月後ですね。搬送された2週間後には普通に歩けるようになったんですけど、たまにグラッとくる瞬間があって。スタッフさんには「無理だったら中止しましょう」と言われましたが、「出ます!」と答えました。リングで死ねたら本望だなと。でも、結果としては何事もなく終わりました。このライブもいろんな方が出てくれたね。

ジョー そうね。スーパー・ササダンゴ・マシンさんとか。

アイキッド リハーサルのとき、ササダンゴ・マシンさんがけっこう強めのチョップをしてきて。「本番もこの強さでくるのか……?」とビビッてたら、本番はちゃんとバラエティ向けのチョップでした(笑)。ジョーくんは偽ーサルウェポンズの偽アイキッドに、顔面にヘッドバットされたね。ヘルメットの硬い部分が頭に当たって悶絶してるシーンがBlu-rayに映ってると思います(笑)。

ジョー サングラスが落ちそうになってヤバかった。

アイキッド 素人がプロレスをやるとそういうことが起きるという(笑)。あとはShinnosuke(ex. SOUL'd OUT)さんと、放送作家の岐部さんとともに“ショルキー三銃士“を結成したり、我々2人が「ウェザーリポート」でデュエットしたりしたも見どころですね。「キングオブポップ」の演出もよかったです。昔一緒に演劇とかに出ていた近所の仲間に参加してもらいました。2021年の新宿FACEと同じように、このイベントは曲のブロック分けがなく、全部がつながってるのでかなり覚悟が必要なんですけど、リングコーナーに登ってギターソロを弾けたし、プロレス好きのミュージシャンとしては本懐を遂げたような気持ちでした。

ジョー リングの上でプロレスできたのはうれしかった。ミュージック、レスリング……夢があってよかった。不思議だね、人生は。

アイキッド それと、「さよならロックスター」はスタジアムロックを意識して作った曲だから、国技館の規模で披露できてよかったですね。この曲ではハリウッドザコシショウさんに参加してもらいましたが、タイガーステップやシューティング合宿での佐山聡のモノマネをやってくれたり、プロレスに精通していてキャラが立っている方は演出しやすくて本当に助かります。

ザ・リーサルウェポンズ「地獄の国技館バトルロイヤル 2023」の様子。(提供:ソニー・ミュージックレーベルズ)

ザ・リーサルウェポンズ「地獄の国技館バトルロイヤル 2023」の様子。(提供:ソニー・ミュージックレーベルズ)

HAPPY NEW YEAR TOUR 2024 IN TOKYO

2024年1月20日に東京・LIQUIDROOMで開催された東名阪ツアー初日公演。

アイキッド 「HAPPY NEW YEAR TOUR」の初日なのに、1月の後半という(笑)。LIQUIDROOMでは何回もライブをやって慣れてきましたけど、初心を忘れちゃいけないですね。

ジョー でも、やっぱりちょっと慣れたね。

アイキッド ハハハ。でも慣れすぎはよくない。「LIQUIDROOMでライブができるのは当たり前じゃないんだ」と毎回気を引き締めてます。

ジョー このとき、ジャンケン大会で勝った人にTシャツを投げたんだけど、お客さんが取れないところに投げちゃって。「ブー!」って言われて、「何これ……!」ってなった。

アイキッド 若干、本気でダメージ食らってたよね。

ジョー 「帰りたい……!」って。

アイキッド 彼はステージで思わぬ展開があると、すぐに逃げようとするんです(笑)。まあ、LIQUIDROOMの規模でジャンケン大会するのは、なかなか難しいね。

ジョー あと「仮想通貨サンバ」を初めてやって、それはめっちゃよかった。

アイキッド この曲はギターがないので、私はやることがないんですけど。一応ミュージシャンだからマラカスだけ持ってましたが、私は楽屋で休憩しててもいいんじゃないかな(笑)。そうそう、ジョーくんは仮想通貨をやっていて、今絶好調なんですよ。ダメだった期間が2年くらいあって、そのときの落ち込み方はすごかったですけど。

ジョー ハハハ。このライブの時期、仮想通貨の値段がめっちゃ上がってめっちゃうれしかった。マジのノリノリで歌いました。

ザ・リーサルウェポンズ

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Behind the scenes

ポンズの2人がアイキッドの地元・群馬を巡るスペシャル映像。

アイキッド 私の地元にある敷島公園に2人で行った映像がBlu-ray1枚に収められてます。私が子供の頃に所属していたリトルリーグの練習場にジョーを連れて行って。その練習場の用具入れには、少年野球用なのか軟式用なのかわからない、誰も使わない中途半端なバットが昔あったんですよ。それが当時の私にはちょうどよくて、みんなが使いにくいと思うものでも私にはジャストフィットした。何事にも相性があるという話で、それはこのバンドでも同じですね。細かい言葉が通じないボーカルと組みたがる人はなかなかいないだろうし、逆になんでも仕切りたがる私みたいな人と普通は一緒にやりたくないと思うんです。ポンズはかなり奇跡の相性なんですよ。私は前のバンドでも全部自分でやりたがっていたし、もともと人と一緒に何かをできるタイプじゃないんです。そんな中、ジョーくんはよくやってると思います。

ジョー ハハハ。

アイキッド 「こっちが仕切る代わりに君は何もしなくていい。有名にしてやるから」という話を最初からしていました。

ジョー 私、先生のバットですか。

アイキッド そうね。でも、私はジョーくんにとってのバットでもあるから。お互いを野球におけるバットにしてるのがポンズですよ。

ジョー 最初はきつかった。先生を見て「こういう人間いるのか……!」って。でもこのバンドで最初に作った「なんでやねん」という曲を聴いて、「やっぱりこの人、センスめっちゃいいな。活動楽しそう」と思いました。こういうビジネスマインドを持ってる人を知らなかったから怖かったけど、先生はいつでもthat's rightだから「ついていきます!」って。

アイキッド 私としては「こんなにいいやついるのか」とジョーくんに対して思いましたね。それまでは私から相手にいろいろ言ってバンドが破綻するパターンが多かったので。ジョーくんは何も考えてないだけかもしれないけど(笑)、全部に対して「OK!」って返してくれる。

ジョー もう慣れたね。「はい、わかりました。やります!」って。最初は個人へのアタックだと思ったけど違った。ちゃんといいものを作りたいんだとわかりました。うん。慣れた。

アイキッド (笑)。慣れで言うと、先ほどMCのシステムの話が出ましたが、我々はトークがかなりうまくなってるんですよ。ここ1、2年で普通にフリートークができるようになった。私は当初、ただ立っているだけのつもりだったけど、お客さんからも「先生」と呼ばれてその気になってきたし、ジョーくんも日本語がうまくなって。お客さんとジョーくんをシームレスにつなげるようなMCができていると思います。

ジョー 私、もっと日本語勉強したかったけど、先生に「いや、しなくていい」と言われて、どうしようと。

アイキッド チャド・マレーンというオーストラリア人の芸人さんは、カタコトでしゃべっていた時代が一番ウケていたらしくて。それってきっと真理で、面白外国人タレントの旬はカタコトで話しているときなんですよね。だからジョーくんには「あまり日本語を覚えなくていい」と言っていたんですけど、日本語が自然とうまくなって、ちゃんとフリートークができるようになったらこれはこれで成立してきたなと。だから、もう普通に日本語勉強していいよ。今日から解禁。

ジョー ああ、そうか。難しいなあ……。

アイキッド あと「Behind the scenes」の最後には今後の目標も話していて。ジョーくんはなんて言ったんだっけ。

ジョー ワールドツアー、やりたいです……!

アイキッド こうは言ってるものの、本当は地味で落ち着いた生活をしたい人なんですよ、この人は。

ジョー はいはい(笑)。

アイキッド 「ワールドツアーに行きたいです!」と派手に言わせて、そのあとに私が「現状維持で」と続けるのがお決まりの流れです。

ジョー 本当は家から出たくない(笑)。

ザ・リーサルウェポンズ

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公演情報

ザ・リーサルウェポンズ「OKシンセサイザー全国ツアー」

  • 2024年5月12日(日)神奈川県 F.A.D YOKOHAMA
  • 2024年5月17日(金)北海道 cube garden
  • 2024年5月24日(金)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
  • 2024年6月2日(日)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
  • 2024年6月月7日(金)埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
  • 2024年6月15日(土)千葉県 KASHIWA PALOOZA
  • 2024年6月22日(土)福岡県 DRUM Be-1

プロフィール

ザ・リーサルウェポンズ

アメリカ生まれのサイボーグジョー、ももいろクローバーZや上坂すみれへ楽曲提供した経歴を持つ作詞家 / 作曲家のアイキッドからなる2人組ユニット。2019年1月に活動を開始し、4月に1stアルバム「Back To The 80's」を配信およびライブ会場、通販限定で発表。1980~90年代のポップス、パンク、ディスコ、プログレ、シンセウェイブを取り入れ、その時代のエンタテインメントをオマージュした楽曲群と、アイキッドが自ら監督を務めるミュージックビデオで話題を集める。中でも「きみはマザーファッカー」のMVはインターネット上で大きな注目を浴びた。2021年8月にシングル「半額タイムセール」でメジャーデビュー。2022年2月にメジャー1stアルバム「アイキッドとサイボーグジョー」をリリースし、9月に東京・中野サンプラザホールでのワンマンライブを成功させた。2023年9月にはメジャー2ndアルバム「OKシンセサイザー」を発表。11月に東京・両国国技館で音楽ライブとプロレスのバトルロイヤルを融合させたイベント「地獄の国技館バトルロイヤル」を開催した。2024年5月にBlu-ray作品16作を同時リリース。5月から6月にかけて全国ツアー「OKシンセサイザー全国ツアー」を行う。