the GazettE|麗と戒が語る、周年記念ライブへの思いと流されないスタンス

事変、好きなんですよ

──the GazettEは現在ライブの準備や次作の制作期間真っ只中とのことですが、そういう時期はメディア露出やSNSの更新も少ない印象があります。ファンの方も何をしているのか気になっているのでは? 例えば最近よく聴いている音楽などはありますか?

 最近……うーん、これとか聴いてますね(iPhoneの画面を向ける)。

──Alle Farben & Justin Jessoの「As Far as Feelings Go」。

 外出したときに店内とかで流れているBGMが気になったら、曲を調べるアプリで確認することもありますね。

──新譜が発売されたらチェックするようなミュージシャンはいますか?

 Linkin Parkのマイク・シノダのソロとか……こういう質問、改めて聞かれると難しいですね。ゲームや映画のサントラとか、いろんなところから刺激を受けています。

 俺は基本的に“聴いていて心地いい音楽”と“やりたい音楽”というか、曲作りの期間に聴く音楽って少し違うんですよ。曲を作るとなると、the GazettEが土台になるわけで、そのためのインプットの音楽になります。最近だとBring Me The Horizonとか。そうじゃないときは東京事変とか聴いてますね。事変、好きなんですよ。DVDも全部持ってますし、復活が楽しみです(笑)。でも今はそういう趣味的な音楽を聴く余裕がないですけどね。

 それは作ってきた曲に反映されてないね。

 だから、インプットできてるかどうかは別ですけどね!

──なるほど。次作が楽しみです。

 でも、いつも自分の作る曲は自分の中では驚きがなくて。

──ご自身の中では意外性がないと。

 そうなんです。構成やフレーズも、みんなが選曲会で出してくるものを聴いていると「すげえ変わった構成多いなあ」って思うし。そういうのがないんですよ。

 意外とドラムが地味だよね。

 地味っていうか、自分の好きなフレーズから入るじゃないですか。そこに落ち着いちゃうんですよね。どうしてもハズしたくなくなっちゃう。でもみんなは堂々とハズしてくるから! RUKIのこないだ出してきた曲なんか、ドラムじゃなくてパーカッションでしたからね! パーカッションって別物なんですよ。スティックじゃなく手で扱うものだと、ライブでやるとなると話が変わってくるんですよ。

 あの曲はまだ未完成だったし、ドラムの部分はあったよ(笑)。

 メインはパーカッションだったよね? そういうハズし方をしてくるんです。選曲会はそういう意味で驚きがあって。それに、彼(麗)も意外性の塊だから(笑)。

 笑われてる。

 いや、笑うような曲じゃなかったよ。すげえなって思いましたもん。

戒(Dr)

ロックが廃れたとしても、影響されない位置にいる

──the GazettEは日本でも有数の海外人気の高いバンドでもあると思いますが、例えばアメリカのチャートを見ると、メインストリームはヒップホップにあるように思います。かつてロックバンドが担っていたものが現在はヒップホップに変わったという意見もあります。その中でバンドとしてどうあるかは考えたりするのでしょうか?

 要は“流行”ってことですよね。ロックが流行っていた時代であっても、僕らはそこに恩恵を受けたわけでもない。例えロックが廃れたとしても、影響されない位置にいると思っています。

 流行をインプットすること自体を拒むことはないんですけど、1回飲み込んで咀嚼したうえで、好きか嫌いかを判断するし。だから流行に左右されているかといえばそうではないし、波に乗っているつもりもないですし。

 周年ライブだったりで過去を振り返る機会はありますけど、そこで時代の流れに流されている楽曲が多いと、時代遅れなことをまたやらないきゃいけなくなるじゃないですか。やっぱりthe GazettEっていうジャンルを意識していったほうがいい。

 自分たちの軸はバンド、根本的な部分はずっと変わっていないと思います。

この4人以外とやりたくない

──それを言うと、近年は別のバンドやプロジェクト、ソロ活動やDJだったりをするミュージシャンも多いですが、the GazettEのメンバーは基本的にthe GazettE以外の活動をやっていないですよね。

 コラボアクセサリーくらいですかね。なんでだろう?

 俺は単にやりたくないだけです。バンドとして音楽をやるとなったときに、この4人以外とやりたくない。

 え? じゃあ、もしもオファー来たらどうするの?

 絶対やらない!

 これ(指でお金のマークを作る)がすごくても?(笑)

 やらない! そこまで困ってない!(笑)

 本当に?

 生きるか死ぬかみたいな状況なら、そりゃあ話は別だけどさ。

 それはしっかり覚えておくよ。絶対やるなよ(笑)。

 やらない(笑)。その考えがそもそもない。楽しくできない気がする。

──音楽性としても、人としても?

 そうですね。絶対楽しくできない(笑)。

 バンドとして求めるものを、the GazettE以外に求めていない。そのくらい、the GazettEというバンドをやるのは困難なことなんです。

 単純にこのバンドを、the GazettEをやっていくには、相当なエネルギーが必要なんですよ。

 例えば、何かほかの曲を覚えないといけない時間に、その時間を使ってthe GazettEのことをやりたいと思いますし。

 絶対にどこかでそういう考えになっちゃうよね。

 そこに価値を見出せたらやるのでは。そのくらい俺たちにとってthe GazettEの価値が高い。これはいいことだと思います。

──そう言い切れるのは、本当にすごいと思います。だからこそ「ほかのバンドではなく、the GazettEじゃなきゃ」というファンも多いのだと感じました。

 でもビクビクですよ。もし誰かが「(ほかの活動を)やりたい」って言い出したらどうしよう(笑)。

 そのメンバーはもしかしたら「the GazettEが面白くない」と思ってるのかな、そうじゃないとしても、深い事情があるかもしれないし……話し合うか見守るしかないですよ。

 いやあ、俺は「えー、the GazettEやろうぜ!」って言いたいけどね(笑)。

「the GazettE LIVE TOUR18-19 THE NINTH TOUR FINAL『第九』」の様子。

2020年2月27日更新