ドーナツくれたよね

──そして、4月からは約2カ月にわたって16公演が行われる海外ツアー「the GazettE WORLD TOUR16 DOGMATIC -TROIS-」が控えています（※取材は3月に実施）。

戒　実はこの海外ツアーも「DOGMA」リリースの段階ではもう決まっていたんですよ。

葵　2013年に海外ツアーに行ったときに「2年後ぐらいにまた来たいね」って話をしていたんですけど、タイミング的に今年になっちゃいましたね。

──海外からも人気の高いthe GazettEですが、海外公演はもう慣れましたか？

葵　移動はやっぱり好きになれないですね。10時間以上の移動が何回かあるので……。そのときはめちゃめちゃ機嫌悪くなる可能性があります（笑）。

REITA　しかも長時間移動のあとに空港で待ってるファンに囲まれちゃうから……（笑）。いつどこにファンがいるかわからないんですよ。海外の方だと、まったくthe GazettEを聴かなそうな見た目の方が実はファンということがけっこうあったりするんです。

RUKI　空港のドーナツ屋の店員から「ファンです」って言われたりね。

REITA　ね、ドーナツくれたよね（笑）。

──北米、カナダと上海での公演、ロシアでのワンマン公演は初になります。

RUKI　そろそろニューヨークの風を感じたいなと（笑）。

──どこも1000人以上を収容できる会場を回る大規模なツアーです。

葵　おかげ様で。前回同様、けっこう大きいところでやらせてもらいます。求められていることはすごくうれしいことだと思いますね。

──そして、帰国後は間を空けず、国内スタンディングツアーである「STANDING LIVE TOUR 2016 DOGMATIC - ANOTHER FATE -」が7月に始まるという。

RUKI　やりたかったんでね。2014年にファンクラブツアーでスタンディングはあったけど、ファンクラブに入っていないお客さんも来られるスタンディングのライブはひさしぶりなんですよね。

──スタンディングツアーはホールツアーと演出も変わると思うんですが、現段階で考えていることはありますか？

RUKI　距離感が近い分、よりライブ感のある表現を考えていけたらなと思います。終わったあとにスッキリするような、ライブハウスらしいステージができればいいなと思います。

──ちなみに福岡の会場がDRUM LOGOSですが、国内で1000人収容のライブハウスはいったい何年ぶりでしょうか？

RUKI　本当ですよね。でもLOGOSの楽屋はめちゃめちゃ覚えてます（笑）。あの落書きだらけな感じ。ライブもすごいことになりそうですよね。「やっぱライブハウスいいな」って思うか、「もう二度とやらん」と思うかのどちらかだろうな（笑）。

葵　（ステージに）機材乗るのかなあ。ホールツアーだと、ステージ上に何もないように見えてもフロアから見えない脇に置いてるんですよ。

RUKI　LOGOSにその「脇」はないからね（笑）。

バンドとしての幸せな形

──2015年3月以降「PROJECT：DARK AGE」を発表して、「DOGMA」というアルバムを軸に動いてきたわけですが、このプロジェクトもスタンディングツアー、そして代々木でフリーライブの開催という最後のトピックが追加され（参照：the GazettE「DARK AGE」新章でスタンディングツアー＆フリーライブ）、ようやく最終章まで発表されました。

RUKI　「PROJECT：DARK AGE」ではファンにとってのサプライズを起こしたかったんですよ（笑）。それを起こしたゆえに大変だったけど、勉強になりました。いろんな面でスキルが上がって、厳しい期間だったな（笑）。

REITA　正直こんなに忙しくなるとは思わなかった（笑）。でも学ぶことも多かったし、充実してましたね。そう簡単にできる企画じゃないから、次はスケジュールをちゃんと練って、楽しくバンドをやりたいです（笑）。

葵　昨年はバンド史上一番濃い年だったかもしれないですね。今後はこの経験を通してもっと自分の思っているものをダイレクトに表現していけるんじゃないかな。

麗　大変でしたけど、これでよかったなって思える1年でしたね。

戒　大変なのは当たり前なんですよ。予定通りにいかないことも、我々らしさなのかな。これから2年後3年後のことはまだ正直想像できないですけど、それでもいいと思うし。RUKIの歌詞の話じゃないですけど、そのとき感じたことをその都度、表現としてぶつけていければ。常に新しいものを求めているから前と同じやり方ではやらない。愚痴を言い合いつつも、ワイワイ楽しくチャレンジしていけるのが、バンドとしての幸せな形なのかなと感じる期間でしたね。