俺らは楽しく生きているけど、それだけじゃない
──今回のアルバム「WOKE」からもバンドの仲のよさは伝わってくるし、何より作品全体が温かいですよね。ツービートの激しい曲やどんなラウドな音を鳴らしても、胸に残るのは温かさでした。
JESSE そうですよね。なんか不思議ですよね、本当に。
T$UYO$HI 攻撃的じゃないですよね。
JESSE でも決して弱くないって言うか、ちゃんと根が張ってるバンドになれた。それは本当に誇りですね。あと、すごくリアルなんでしょうね。人生の裏も表も見えるのがThe BONEZだし、それを全部ひっくるめて最終的に“温かい”って言われることはすごくうれしい。切ないって言われたとしてもそれはそれでうれしいけど、「温かい」って言われるのは感無量ですね。
──リード曲として「SUNTOWN」を選んだことも作品の温かさを象徴していますよね。
JESSE それ、イッシーも言ってたよね。
T$UYO$HI これはもう一番世に出したい曲だったな。The BONEZはもちろんだけど、俺はJESSEという人間そのものを世の中に食らわしたいんですよね。例えば、Guns N' Rosesのアクセル・ローズってちょっと住む世界が違うと言うか、「この人って本当に存在するのかな?」みたいな感じだけど、カート・コバーンとかデイヴ・グロールみたいに「同じ街に住んでるちょっと話しかけづらい人」ぐらいの存在が俺にとっては一番リアルだし、カッコいいと思うんですよ。俺からするとJESSEはそういう人間だと思うし、もっとお茶の間に投下したいんですよね。
JESSE こんな俺を(笑)。
T$UYO$HI そう。お茶の間でちょっととんがっている人って言うか。アンダーグラウンドのヒーローじゃなくてね。俺の中でJESSEっていうのは明るい人なんですよ、圧倒的に。彼のそういう要素が「SUNTOWN」でうまく出せたと言うか。楽曲的にもキャッチーなんだけど、それだけじゃなくて、最後のサビ前の展開でちょっとグッとくるパートがあるのがまたThe BONEZっぽい。俺らは楽しく生きているけど、それだけじゃないよっていう。
JESSE どんなに楽しくても、1日は絶対に終わってしまうからね。
T$UYO$HI そうそう。ミュージックビデオの内容も、The BONEZを知らない人が見てもバンドが持つ雰囲気が伝わるものになってると思う。ハチャメチャに見えるんだけどハッピー、みたいな。それがキャピコアです(笑)。
ゼロから始められたからこそ見えたもの
──確かに、あのビデオは一見悪そうに見えるけど、酒を飲んで暴れるような人はいないし、子供もいるし、すごくピースフルですよね。ああいう雰囲気ってなかなか出せるものじゃないと思います。The BONEZはサウンドの表層的な部分だけを見たら単純にラウドにくくられるかもしれないけど、さらに内側へ踏み込むともっと深い世界が広がってる。
JESSE そうだね。でも、それはバンド次第だと思うし、俺らみたいな味を出したいと思わないバンドもいっぱいいるだろうから。
T$UYO$HI うん、そうだね。
JESSE ステージ上で演奏する瞬間まで、メンバーの入り待ちをしてるようなファンにも一切姿を見せないで、いきなりステージにバーンと現れて盛り上げるタイプのバンドもいれば、自分たちで車を運転して全国のライブハウスを回って、楽器を降ろして、物販の検品をして、っていう俺たちみたいなバンドもいる。俺ら、最初の頃は13枚だけTシャツを刷ってたんですけど、それすらちゃんと検品できなかったんですよ(笑)。
──(笑)。
JESSE でも、そうやってなんでも自分たちでやることで、「ああ、俺ら、今日もライブできるんだ」って気持ちになれるんですよね。RIZEは20年間それなりに続けてきてるから、スタッフを雇うことで会場への入り時間を遅めにして、その代わりメンバーは体調管理を完璧にしてライブに挑むことができる。でも、RIZEでそういう経験をしてるのに、The BONEZで弦を張り替えるのが面倒くさいなんて思ったことがない。The BONEZの最初の頃、朝10時に会場入りして機材搬入したのはつらかったけど、そういう時期があって本当によかったと思う。俺たちは演奏して表現するだけだけど、俺たちに照明を当ててくれる照明さんがいたり、PAさんがいたり、テックの人がいたり、現地のイベンターさんがいたり。そして、そういう人らとメシ食って、ああでもねえこうでもねえって話をすることが次のライブにつながっていく。
──本当にそうですね。
JESSE 楽屋のゴミも全部片付けたり、演奏云々の前に人として、チームとしてやれることはたくさんあって。もう一度ゼロからバンドを始められた俺らだからこそ、そういうことを大事にできてるんですよね。
T$UYO$HI 昔はわかってなかったもんね。
JESSE わかってなかった。だけど今は、「ああ、俺らはこういうことすら見えてなかったのか。じゃあ、これからは大事にしていこうね」ってやっていくことができてる。このバンドのそういう強さは、きっとファンの人にも伝わるんじゃないですかね。
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昔は一番大事なところでは心を開けなかった
- The BONEZ「WOKE」
- 2018年5月9日発売 / tensaibaka records
-
[CD]
2484円 / TBRD-0509
- 収録曲
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- Until you wake up
- Bird ~people with wings~
- Rude Boy
- One more
- SUNTOWN
- LIFE
- Kings work
- Code name
- Nice to meet you
- Anthem
- See you again
ライブ情報
- The BONEZ Tour「Woke」(※終了分は割愛)
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- 2018年6月3日(日)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
- 2018年6月7日(木)京都府 KYOTO MUSE
- 2018年6月8日(金)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
- 2018年6月10日(日)岐阜県 yanagase ants
- 2018年6月16日(土)長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX
- 2018年6月17日(日)新潟県 GOLDEN PIGS RED STAGE
- 2018年6月28日(木)広島県 広島セカンド・クラッチ
- 2018年6月30日(土)熊本県 熊本B.9 V1
- 2018年7月1日(日)鹿児島県 CAPARVO HALL
- 2018年7月8日(日)千葉県 KASHIWA PALOOZA
- 2018年7月15日(日)愛媛県 松山サロンキティ
- 2018年7月16日(月・祝)高知県 X-pt.
- 2018年7月20日(金)静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠
- 2018年7月22日(日)石川県 金沢EIGHT HALL
- 2018年9月2日(日)宮城県 Rensa
- 2018年9月15日(土)福岡県 DRUM LOGOS
- 2018年9月22日(土)愛知県 DIAMOND HALL
- 2018年9月24日(月・振休)大阪府 BIGCAT
- The BONEZ TOUR 「WOKE」 - ENCORE -
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- 2018年9月30日(日)東京都 Zepp Tokyo
- The BONEZ(ボーンズ)
- RIZEのフロントマンであるJESSE(G, Vo)のソロプロジェクト、BONEZから発展した4人組バンド。JESSEが参加したオーディション企画「Stand Up! Project」をきっかけに出会ったZUZU(G)と共に1stアルバム「Stand Up!」を制作し、2012年11月にリリースした。2013年1月には東京・下北沢SHELTERでワンマンライブを開催。このワンマンライブにPay money To my PainのT$UYO$HI(B)とZAX(Dr)がサポートメンバーとして参加した。この公演がきっかけとなり、The BONEZとして4人体制での活動をスタートさせた。2014年1月には2ndアルバム「Astronaut」を発表し国内と台湾にてライブツアーを開催。このツアーは新ギタリストのNAKAと共に回る。同年7月にNAKA加入後初の音源「Place of Fire」を発表し、年末に東名阪でワンマンツアー「Astro Tour "ONE MAN SHOW"」を行った。2016年3月にはニューアルバム「To a person that may save someone」をリリースし、5月より全国ツアーを開催した。2018年5月に約2年ぶりとなるアルバム「WOKE」を発表。同月よりツアーを開催しており、9月にツアーファイナルで初の東京・Zepp Tokyo公演を行う。