音楽ナタリー PowerPush -The BONEZ

JESSEが語る、最高にポップな実験作「Beginning」

RIZEのフロントマンJESSE(Vo, G)率いるThe BONEZの1stミニアルバム「Beginning」がリリースされた。アルバムにはThe BONEZ史上最もラウドであり、JESSEいわく「キャリアの中でも最高にメロディアス」だという楽曲の数々がそろっている。

さらに本作は、ラップ&シャウトというボーカルスタイルで一世を風靡したJESSEがメロディアスな歌唱スタイルを披露していることもトピック。彼が進化を見せた背景には、The BONEZをスタートさせた際の葛藤、そして自身の表現への希求があった。そのすべてをJESSEに包み隠さず語ってもらった。

取材・文 / 伊藤大輔 撮影 / 雨宮透貴(本文中)

 
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自分の表現の模索と東日本大震災

JESSE(Vo, G)

──JESSEさんはナタリー初登場ですね。まずThe BONEZがどのようにして始まったのかを教えてもらえますか?

The BONEZって、2011年の11月11日から今の編成でスタートさせたんだけど、もとをたどれば2006年に始まったソロプロジェクトなんだ。

──最初はバンドではなかったんですね。

うん。もともとはThe BONEZって名前で、自分の「蛍 -HOTARU-」ってイベントでMCとDJでライブをやって。その頃は会場限定で3曲入りのCDを売ったりしていたよ。

──そもそもソロでやってみたいと思ったきっかけは?

RIZEの活動を中心にやっていたときは、周りから「JESSEはスゴイね」って言われたりしたこともあって自分でも「そうなんだ」と思ってしまうこともあったんだ。でもRIZEも個々のメンバーが忙しくなるにつれて音源制作があまりできなくなって。その頃から「RIZEじゃないJESSEって一体どんなもんだ?」って考え始めたんだけど、「まだまだ甘いな」って……自分の無力さを感じるようになっていった。それがBONEZを始めたきっかけだね。

──そうだったんですね。

そうやってアーティストとしての自分について考えているうちに、東日本大震災が起きて。震災後は毎月11日にYouTubeに被災者に対するメッセージをアップしたりしてた。そのあと少し状況がよくなってからは自分で作った曲もアップしたりして……それは俺にとって“自分起こし”みたいな意味合いもあったな。そして東北の人たちを助けたいと思って被災地にカバンを届けに行ったりもしたんだけど、そういう活動の中で自分の気持ちの整理ができてきたんだ。ソロプロジェクトを始めようって。

JESSE(Vo, G)

──そういえば、The BONEZをスタートさせたのも11日でしたね。

俺の作品はすべて素数に合わせていたりしてるんだ。俺、数字オタクで素数フェチなんだよ(笑)。誕生日も8月11日だし。

俺が1人でできることってなんだろう

──RIZEのメンバーとしてではなくて1人のアーティストとして何ができるかを考え、The BONEZを始動させたと。そしてその音楽性は、最初はヒップホップでした。

そう。さっきも話した通りKenKenもあっくん(金子ノブアキ)もRIZE以外のことをやっていて。じゃあ俺が1人でできることってなんだろうって考えたらヒップホップだと思ったんだよね。それでソロアルバムが作れるほどがむしゃらに曲を作って……50曲くらいストックしていたんだけど、正直それらをいつリリースしたらいいのかもわからなかったし、そもそも「本当にこれでリリースしていいのかな?」って思うところもあってさ。何年も発表しなかったんだ。

──はい。

JESSE(Vo, G)

で、そのくらいのタイミングで、俺のトラックを俺よりもカッコよく歌えるヤツとかリミックスできるヤツを募集する「Stand Up! Project」っていうオーディションをやる機会があったんだよ。そこでThe BONEZの前任ギタリストのZUZUが俺のヒップホップトラックをバンドアレンジして応募してきて。「ふざけんなよ(笑)。でもこれ面白いじゃん」って思って実際にZUZUと会ってみた。

──たくさんの応募者の中から、ZUZUさんと会ってみることにしたんですね。

うん。そしたら俺のスタジオに置いてある酒をこっそりと飲んだりするようなヤツでさ(笑)。内気で変わっていたけど基本的にいいヤツだったから俺も気に入って、2人で一緒に「Stand Up!」ってアルバムを作ったんだ。このアルバムはすべてバンドアレンジだったから、ライブでやるときにメンバーが必要になって。

──そのメンバーたちが、今の編成につながっていった。

うん。まずはリズム隊がいないとなって思った。そのときP.T.P.(Pay money To my Pain)のツアーがキャンセルになったって聞いて。それでT$UYO$HIとZAXに「ライブを手伝ってほしい」って声をかけたんだ。

──ZAXさんとT$UYO$HIさんを選んだ理由は?

うーん、KenKenとあっくん以外でリズム隊を考えたら、ZAXとT$UYO$HI。それしかなかったんだよね。っていうか俺、それまでRIZE以外のバンドやるとは思ってなかったから、こんなことを考えたこともなかったんだよ。一方でその頃P.T.P.はライブの客の動員が増えてきて、これからだって時期だった。そんな中ツアーがキャンセルになって……ZAXやT$UYO$HIもツアーに臨む気満々だったろうから、相当つらかったと思うよ。

──そうでしょうね。

JESSE(Vo, G)

そんなこともあって、2012年の10月末の朝6時4分に、2人に「そのツアーにかけようとしていた思いをそのままThe BONEZのライブにぶつけてくれないか?」ってメールしたんだ。それで1週間後に一緒にリハをして、翌月に初ライブをやって。そのあと2013年の1月11日にワンマンをライブやって、「次のライブまでみんなよろしくね」って言って別れた。そのときのメンバーが今も続いているんだよ。

──なるほど。

このワンマンって、2012年の12月30日にK(Pay money To my Pain / Vo)が亡くなって、その直後くらいにやったものだったんだ。明けた1月にライブの日程は決まったからね。その辺りの俺たちのライブって、たぶんP.T.P.のファンからしたら観たくないライブだったんじゃないかと思う。でも俺、そのときにライブをやりたいっていう気持ちを抑えられなかったんだよね。

The BONEZ(ボーンズ)

RIZEのフロントマンであるJESSE(G, Vo)のソロプロジェクト、BONEZから発展した4人組バンド。JESSEが参加したオーディション企画「Stand Up! Project」をきっかけに出会ったZUZU(G)とともに1stアルバム「Stand Up!」を制作し、2012年11月11日にリリースした。2013年1月11日には東京・下北沢SHELTERでワンマンライブを開催。このワンマンライブではPay money To my PainのT$UYO$HI(B)とZAX(Dr)をサポートメンバーとして招聘して行われた。この公演がきっかけとなり、The BONEZとして4人体制での活動をスタートさせた。2014年1月には2ndアルバム「Astronaut」を発表し国内21カ所+台湾にて全国ツアーを開催。このツアーは新ギタリストのNAKAとともに回る。同年7月にNAKA加入後初の音源「Place of Fire」を発表し、年末に東名阪でワンマンツアー「Astro Tour "ONE MAN SHOW”」を開催した。2015年3月にはミニアルバム「Beginning」を発売する。