音楽ナタリー Power Push - THE BEAT GARDEN
成長の夏を経て、可能性広がるニューシングル
3MC、1DJからなる4人組グループ・THE BEAT GARDENが2ndシングル「Promise you」をリリースした。
7月にリリースしたメジャーデビューシングル「Never End」を携え、この夏「RISING SUN ROCK FESTIVAL」や「SUMMER SONIC」といった大型フェスをはじめ、多くのイベントに出演したTHE BEAT GARDEN。彼らが今回発表する「Promise you」の制作にはその経験が大きく影響しているという。音楽ナタリーでは「Promise you」の制作やこれからの目標などをメンバーに聞いた。
取材・文 / 清本千尋 撮影 / 西槇太一
“音楽でつながる感覚”を手に入れた夏
──今年の7月にシングル「Never End」でメジャーデビューされて、そのときのインタビューでは夏のイベントが楽しみだと言っていましたね(参照:3VOCAL+1DJの新星THE BEAT GARDENメジャーデビュー記念インタビュー|新ジャンル“EDR”のススメ)。
MASATO 自分たちの音楽がどれくらいの人に楽しんでもらえるのかっていうのを試せたのが大きな経験になりましたね。
U メンバー全員ライブが大好きなので、夏はイベントにたくさん出させてもらって本当に楽しかったです。正直アウェイに感じるときも多々あったんですよ。お客さんが全然集まってこなかったり、「誰こいつら?」っていう視線をたくさん感じたりもしたので。でもそんなことよりも自分たちの歌を1人でも多くの人に聴いてもらえることや、自分たちの音楽でノッてくれる人がいることがとにかくうれしかったです。それにそういうアウェイな場所でライブをしたことで、1つわかったことがあって。
──それはどんなことですか?
U どれだけアウェイでも“音だけでつながれる瞬間がある”と気付いたんですよね。「TGC KITAKYUSHU 2016 by TOKYO GIRLS COLLECTION」(女性向けのファッションイベント)や「日テレハロウィンライブ2016」みたいな、僕らの音楽が合うかどうかわからないようなイベントでも、音楽でお客さんとつながることができた感覚があったんです。それはすごく自信になりましたし、もっと追求していきたい感覚だなと思いました。
REI 楽曲が「お客さんの心に響いたな」「あ、今音楽でつながることができたな」って感じられたことによって、逆にいろいろ改善点も見つかって。夏フェスを経ての楽曲制作は、そういう体験を反映したものになりました。今年の夏に得たものをどうやって自分たちの曲に還元していこうかと考えながら、今は制作に励んでますね。
SATORU あと、それぞれの意識とかも変わったなと思っていて。
──具体的にはどういうところが変わったんですか?
SATORU ライブ中によくも悪くも無駄なことをしなくなりましたね。僕だけのことで言うなら、周りを気にせずただ音を感じてノることができるようになったというか。「気持ちいいな! この曲!」って感覚で、自分が一番楽しむことで、それを観ているお客さんも楽しんでくれるんじゃないかなって。そういう意味でも本当に成長できた夏だなと改めて思います。
U 夏フェスって、ほかのライブイベントや自分たちのワンマンライブより音に対して素直なオーディエンスが多いんですよ。僕らの顔を見ていなくても音を聴きながらツーステップを踏む様子を見て、お客さんと音楽でつながっていることを強く感じて。そういう一体感は僕らが掲げる“エレクトリックダンスロック”に必要不可欠な要素ですから。
大切な人に聴かせてあげてほしい歌
──シングルについてもお話を聞かせてください。まずタイトルトラックの「Promise you」。作曲者にはREIさんと、Dream MonsterのAtsushi Haradaさんのお二人の名前がクレジットされています。
REI この曲はHaradaさんの曲の一節をヒントに僕が書き上げた曲なんです。サビ頭のワンフレーズだけ使わせてもらったというだけですね。
U ニュアンスをもらった感じだよね。Haradaさんにもらった元の曲からけっこう変わった気がする。
REI そうですね。この曲はトラックとメロディの両方が一緒にできあがった曲で。最初はシングル用に別の曲を制作していたんですけど、「Promise you」が形になってきてメンバーやスタッフに聴かせたらいいねって言ってもらえて、こっちをシングル曲にすることにしました。こういう泣き要素のある四つ打ちのミドルバラードみたいなものを作りたいと思っていて、使いたい音の素材をたくさん集めていたんです。それをいろいろと組み合わせてこういうサウンドになりました。
──アコギの音色、哀愁があっていいですよね。
REI アコギは生なんですよ。ほかは全部打ち込みで作りました。この曲には伝えたいメッセージがあったから、メロを特に重視して制作を進めていきました。歌モノであることを重視したかったのでコードの流れをすごく考えましたね。実は全員がレコーディングして、ミックスまで終えた段階でコード進行を変えたんです。
──そうなんですか。
REI はい。だからエンジニアさんにものすごく迷惑をかけちゃったんですよね。最初は歌詞の最後の言葉のメロディ部分が半音下がってたんですよ。僕がギターで作曲したときは違和感がなかったんですけど、Uさんが「最後さ、半音上がっているほうがメロディの流れとしてきれいなんじゃない?」って提案してくれて、「確かに」と思ってコード進行もガラッと変えて。結果明るい雰囲気になってよかった。よりメロディが引き立つ曲になりましたね。
──Uさん、歌詞はどういうイメージで書かれたんですか?
U テーマは「約束と幸せ」です。このテーマがなぜできたかと言うと、カラオケに僕らの曲が入ったのを知って、1人で歌いに行ったんですよ。カラオケってヒットチャートの履歴があるじゃないですか。そのときにヒット曲を歌ってみて、誰かに歌ってあげたくなる、聞かせてあげたくなる歌詞を書きたいなと思ったんです。家族だったり友達だったり恋人だったり、その人が誰よりも一番幸せであってほしいと願うことを約束するよっていう内容の歌詞になりました。そういうあったかい歌詞とエレクトロなサウンドが合わさったら面白いなと思って。
──歌詞は一見ラブソングですけど、恋人だけじゃなくてもっと広い範囲に向けて歌ってるというか。ある種ファンへの気持ちなのかなとも思いました。
U 応援してくれているファンの人への思いは込めてますね。ファンの方には大切な人にこの曲をぜひ聴かせてあげてほしいです。
次のページ » 可能性を広げてくれた「Sky's The Limit」
- メジャー2ndシングル「Promise you」2016年11月30日発売 / UNIVERSAL SIGMA
- 初回限定盤A [CD+DVD] 1944円 / UMCK-9880
- 初回限定盤B [CD+DVD](特製Tattooシール付き)1728円 / UMCK-9881
- 通常盤 [CD] 1296円 / UMCK-5617
CD収録曲
- Promise you
- Guilty pleasure
- Sky's The Limit
- Promise you (Instrumental)
- Guilty pleasure (Instrumental)
- Sky's The Limit (Instrumental)
初回限定盤A DVD収録内容
- ―Live Air 2016― at AKASAKA BLITZ (Live + Documentary) Vol.2
初回限定盤B DVD収録内容
- Documentary of Summer Fes 2016
- Documentary of "Promise you" (Recording, Photo Shoot & Music Video)
THE BEAT GARDEN(ビートガーデン)
大阪の専門学校で知り合ったU、MASATO、REIの3ボーカルに、Uの旧友であるDJのSATORUを加えた4人組グループ。「エレクトリックダンスロック」という音楽スタイルを掲げ、都内を中心に活動している。2015年に1stフルアルバム「WILL」、2016年2月にミニアルバム「Air」を発表。3月に東京・赤坂BLITZにてワンマンライブを行い、大成功に収める。7月にユニバーサルシグマよりシングル「Never End」でメジャーデビュー。夏には「SUMMER SONIC」や「RISING SUN ROCK FESTIVAL」など大型フェスやイベントに多数出演した。11月に2ndシングル「Promise you」をリリースする。