3分の青春パンク曲

──では、話をシングルに戻して、カップリング曲「サマータイマー」のお話を伺いましょう。これはどういうイメージで作った楽曲なんでしょうか？

表題曲にタイアップが付いているときは、カップリング曲に関してもその作品から何かモチーフを持ってきて作ることが僕は多くて。今回はウルトラマンだったので、タイトルからおわかりのように“カラータイマー”をイメージすることにしました。そこから派生して、「じゃあ3分の曲にしよう」ってことになり、さらに今回のウルトラマンはタイガ、タイタス、フーマの3体だから、3人の仲間が繰り広げる青春ストーリーにしようと。で、それを大人になった今振り返って仲間の大切さをあらためて実感する、みたいなメッセージを込めて歌詞を書いていきましたね。

──だからサウンドもパンクになったわけですね。“青春パンク”なイメージから。

そうそう、まさに。作曲とアレンジを手がけてくれたR・O・Nさんも、その雰囲気をすごく意識して打ち出してくれて。オケのレコーディングはめちゃくちゃ楽しく盛り上がったらしいですよ（笑）。

──寺島さんの歌声も、サウンドの疾走感に合わせて気持ちよく響いていますね。

この曲はめっちゃ気持ちよく歌えました。流れに乗って、ポンポンと跳ねていけるような、普段あまりしないような言葉選びをしたので、歌でもいいノリが出せた気がします。わりと勢いがあるから、ライブで歌うのは大変そうですけど（笑）。これまで季節を全面に押し出した曲はそんなに書いたことがなかったんですが、今回はリリースタイミングに合わせて思い切り夏を感じられる曲にも仕上がったので、ぜひ楽しんでください！

K-POPを意識したメロディ

──カップリングの3曲目は「MONSTER」です。

最近のシングルの3曲目は、スタッフからのアイデアをもとに、今までやってないことにチャレンジしてみるっていう流れになっていて。今回はK-POPイメージの楽曲を歌うことになりました。曲とアレンジは、K-POPにばりばりハマっているというクラムボンのミトさんにお願いしたんですけど、信じられないくらい作り込まれたトラックが上がってきてびっくりしましたね（笑）。

──ラブソングとして書かれている歌詞は、ちょっとセクシーな雰囲気もありますね。

そうですね。セクシーさは楽曲全体を通してイメージしていたところではありました。ウルトラマンと言えば“怪獣＝MONSTER”ですけど、この曲では恋愛感情をモンスターに例えているんですよ。相手の恋愛感情をいたずら半分に目覚めさせていたら、いつの間にか逆に自分がそのモンスターに支配され、夢中になってしまっていた。そんなストーリーですね。K-POPを意識したメロディに日本語の歌詞を乗せるのはめっちゃ大変でしたけど（笑）。

──この曲にはいろんな声色の寺島さんが登場しているので、K-POPアーティストのユニット感があります。

そうなんですよ！ メインボーカル担当もいれば、それを支えるサブのボーカルもいるし、ラップ担当のちょっとピーキーな人、グッと低音を利かせる人なんかもいたりして。K-POPのグループはメンバーがたくさんいても、それぞれが主役になる瞬間が1曲の中で必ず用意されているじゃないですか。そこに面白さを感じたので、この曲ではそれを寺島1人でやってみようと（笑）。レコーディングはかなり楽しかったです。

──本作のリリース後、9月8日には東京ドームシティ ラクーアガーデンステージでリリースイベントの開催も決定していますね。

はい。実は僕、今までリリースイベントで歌ったことが一度もないんですよ。ライブとトークを分けないとうまくできないっていう思いが自分の中にあるので、リリースイベントではトークだけにして、歌詞に込めた思いなんかをお話しながら、皆さんとゆったりした時間を過ごしてきたんですよね。で、ライブをやるときはライブだけをガンガンにやるという。そんな住み分けをしてきたわけです。

──今回はライブもトークも両方やるみたいですが。

そうなんですよね。今回はオープンスペースでのイベントだし、東京ドームシティって特撮ヒーローの本場感みたいな感じがあるじゃないですか（笑）。だったらやるしかないよな、と。逆にこの機会を逃したらそんな素敵な場所で歌う機会は一生ないかもしれないですし。なので、「ウルトラマンタイガ」の力を借りて、オープンスペースでパフォーマンスさせていただくことを決めました。僕にとっては初めての試みなので若干の不安もありますけど、全力で挑みます。

──そして12月14、15日に開催される円谷プロダクションの祭典「TSUBURAYA CONVENTION 2019」への出演も決定したんですよね。

「え、こんなすごいイベントに出るの、俺？」って、めちゃくちゃびっくりしました。ウルトラマンの世界においては一番の新参者だし、俳優さんやシンガーの方々がたくさんいらっしゃる中で、僕はある種、異質な存在でもありますからね。今から緊張して、ものすごくビクビクしています（笑）。でも「ウルトラマンタイガ」という作品を背負って出演させていただく以上、タイガらしさをしっかりアピールできればいいなと。皆さんに「ウルトラマンタイガ」、そして「Buddy, steady, go!」という楽曲をいっぱい楽しんでいただけるようにがんばります！