オーイシマサヨシ×Technicsコラボライブ開催記念特集|高機能イヤフォンで音楽、アニメ、ゲーム、配信ライブを楽しむ方法 (2/2)

犬で実感するノイキャン

──機能面についても触れさせてください。まず、「Technics Audio Connect」というアプリをスマホに入れることで、AZ60の細かい設定を調整できるようになります。イコライジングなどの音質設定であったり、ノイズキャンセリングや外音取り込みの度合いなどをけっこう細かくカスタマイズできるんですよ。

そこまでいじれてなかったなあ。それはぜひ使いこなしたいところですね。ノイズキャンセルは、デフォルトではマックスで効いているんですか?

Technics「EAH-AZ60」

Technics「EAH-AZ60」

──はい、最初は100%に設定されています。

なるほど。ということは、僕はずっとマックス状態で使っていたことになるわけですね。僕、今回試させてもらった中でノイキャン機能が一番すごいなと思ったんですよ。あまりにも自然だったから、最初はノイキャンがオンになってると気付かなかったんです。自分の部屋で音楽を聴いていたら、ふと気付くと飼っている犬が目の前でめちゃめちゃ吠えていて、でもその声が全然聞こえなかったから「もしかして、ノイキャン入ってんのかな?」と。

──なるほど、犬でノイキャンを実感したわけですね。

犬で実感するノイキャン(笑)。今まで使ったことのあるノイキャンって、オンにすると気圧が変わったみたいな違和感が絶対に生じていたんですよ。そりゃそうですよね、逆相をぶつけてるんだから。そういう違和感がこのAZ60ではまったく感じられなかったから……「まったく」と言い切っちゃうと記事的に問題あるかもしれませんが(笑)、それくらい自然だったので。自然ということは、たぶん長時間着けていてもあまりストレスにならないんじゃないかなと。

──それで言うと、物理的な着け心地に関してはいかがでした?

めちゃくちゃいいですね。ライブで使うイヤモニの感覚にちょっと近いというか、すごくフィットする。耳の中のこの部分……なんて言うのかな、関東平野みたいな部分あるじゃないですか(笑)。そこにぴったり張り付いてくれるから、ワイヤレスイヤフォンにありがちな「これ、落としたらどうしよう」みたいな心配をまったく感じさせないですよね。これを着けたまま踊ったりしても全然大丈夫そう。

──確かに、ダンスの練習にイヤフォンを使いたい人は一般の方でも一定数いるでしょうし。

ですよね。関東平野の使い方がめちゃくちゃうまい(笑)。しかもこれ、軽くないですか? これだけ音にも機能にもこだわりを詰め込んで、それでいて軽いって、もはや意味がわからないです(笑)。

──ちなみにAZ60にはイヤピースが7種類も付属するんですけど、イヤピースを変えてみたりは?

いや、変えてないです。ただ、さっき撮影のときに一番小さいイヤピに変えてみたんですけど、それが一番装着感がよかったんですよ。次からはこれにします。

──ということは、最適サイズではないイヤピースで試していた間も装着感には満足されていたということになりますよね。

全然違和感はなかったですね。そう考えるとすごいなー。

オーイシマサヨシ

オーイシマサヨシ

いい音で鑑賞するとアニメはまったく違ったものに見えてくる

──このAZ60は、どういう人にオススメできる製品だと思いますか?

これはすごくマルチだなと思いました。さっきも言いましたけど、音楽だけにとどまらない、とどめたくないなと。昨日もこれを使って「Apex Legends」のゲーム配信をけっこう長時間観ていたんですけど、もうゲームの中の世界にいるような、自分がレジェンド(Apex Legendsでの操作キャラクターの呼称)になったような感覚でした。右の方角から銃声が聞こえたり、左の方角から足音が聞こえたり……ほかのイヤフォンでそんなふうに感じたことなかったんで。具体的に何が違うかというのは、ちょっとまだ言語化できていないんですけど。

──まさにオーイシさんの重視する没入感が得られたわけですね。

はい。あと、ガンダムの最新シリーズで「機動戦士ガンダム 水星の魔女」というアニメがありまして。大間々昂さんの劇伴も含めて音響の素晴らしい作品なので、せっかくだからと思ってこれもAZ60を使って観てみたんですけども……正直ヤバかったですね。もはや自分がコックピットの中にいました。「最新ガンダムのコックピットに入れるんだ?」という感動がありましたね。やっぱりこのAZ60の没入感はすごいんだなと。

──かなりいろんなコンテンツで試していただいたんですね。

このイヤフォンが1個あるだけで、普段観ているアニメが違ったアニメに見えるんです。スマホの小さな画面で観ていても、画面が大きく思えるんですよ。それって、耳がすごくリッチな体験をしているからだと思うんです。音響をよくすることで、視覚情報までもがリッチなものに脳内変換されたのかなと。

──たぶんそれって一般的な感覚とは逆なのかなと思うんです。映像のリッチさを追求する人は一定数いる印象もあるんですが、それと比較すると音響にお金を使いたがる人は相対的に少ないような気がしていまして。

もったいないですよね。僕には持論があって、主題歌がいいアニメって売れるんですよ。作画のクオリティで勝負するタイプの作品ではなくても、音楽がよければ総合的に評価されて世の中に響きやすい。そういうことを、自分が関わった作品も含めて何度か経験させてもらっているので、音の要素を軽視するのは非常にもったいないことだと思います。映像作品は目と耳で楽しむものですし、絵と音がそれぞれ2分の1だと考えていいと思うんですよね。我々アニメに関わる音楽クリエイターはそのようなポリシーでやっているので、自信を持って言いたいです。いい音で鑑賞すると、アニメはまったく違ったものに見えてきます。

──いいテレビを買うと絵がきれいに見られることを想像できる人は多くても、いいオーディオを買って何が変わるのかを想像できる人が少ないのかもしれません。

ちょっと話が逸れるかもしれませんが……25年くらい前、僕が最初に買ったTechnics製品がターンテーブルだったんですよ。それまでアナログレコードというものをファッションアイテムのように思っていたというか、お部屋に飾るものとして買っていたんですね。それが、いざターンテーブルを買って初めて実際に回してみたとき、「レコードって、音が出るものなんだ!」と心底驚いたんです(笑)。

──あははは。

価値観が一変したんです。その瞬間にレコードは僕にとってただの飾りではなく、音楽を聴くためのツールになった。めちゃくちゃ宝を発見したような感覚に陥ったんですよね。それと似たような衝撃を、音響にこだわらずに生活している人たちも味わえる余地があると思います。ぜいたくな音で音楽やアニメ、映画などを体験してみたら、「こんなに違うんだ?」「今まで見えていなかった表現がこんなに隠れていたんだ?」というふうに、宝物を発見するような喜びをきっと感じられると思うんですよ。

──その人の歴史が変わるような。

それくらいのインパクトだと思いますね。AZ60のような高品質のオーディオ製品って、どうしても「マニア向けのデバイスなのかな」と誤解されがちなところもあると思うんですけど、その偏見をなくしたいなと思っていて。解像度や定位感がどうとかいう難しい話は置いといて、とにかく損をしないために、なるべく正しい形で作品を受け取ってもらいたいなと思いますね。

──作品から得られるはずの本来の喜びを享受しきれないという意味で、つまり損であると。その言い方はとてもわかりやすいですね。

ぜひ得してほしいなと思います。

いい音で音楽を聴くことは、満天の星空を見上げることに似ている

──では最後に11月8日に行われる無料生配信ライブ「Technics presents “Connect” Online Live」について伺います(取材はライブ配信前に実施)。どんなライブにしたいと考えていますか?

今回はちょっと趣向を変えてまして……配信をする場所が普段よくお世話になっているレコーディングスタジオになるということもあり、せっかくだから今回だけのプレミアムな内容でやってみようかなと。具体的には、アコースティック楽器を使ったバンド編成でのライブを考えています。CD音源とは違う、弾き語りともまた違うアコースティックアレンジがきっと楽しめると思いますので、ぜひたくさんの方にご覧いただきたいですね。

──配信ライブと通常の客入れライブでは、音の作り方も違ったりするんですか?

根本的に違いますね。まずエンジニアさんの種類が違います。配信ライブの場合はレコーディングエンジニアと呼ばれる、CD音源などの録音が専門のエンジニアさんに入ってもらうんですが、客入れライブの場合はPAと呼ばれる、大きな会場で大きな音を出すことに長けたエンジニアさんが入るんですよ。ライブ音響のほうがいい意味で大味なんですよね。お客さんに聴いてもらう音を出すだけじゃなく、ステージに立つ僕らも音を聴く必要があるので、ハウリングとの飽くなき戦いがあったりもします。その一方で配信ライブの場合は、演者がモニターする音とお客さんに届ける音を完全に分けて扱えるので、より繊細な音作りができると言いますか。

オーイシマサヨシ

オーイシマサヨシ

──そうなると、それこそAZ60を使ってバンドの息遣いまで感じてもらいたいですね。

本当にそうですね。生ピアノのタッチとか、ペダル音すらも聞こえてくると思うので、そのあたりの細かい音もぜひイヤフォンで拾っていただけたらと思います。配信ライブを再生する際にはスマホやタブレットを使う方がほとんどだと思うんですけど、モバイルデバイスに備え付けのスピーカーだとやっぱり低音域がほとんど出ないんで、ベースの音がかなり聞こえづらいんですよ。高音域もけっこうバッサリとカットされちゃうんで、生楽器のツヤ感などもだいぶ損なわれてしまう。ぜひこれを機に、いい音でいい音楽を聴く、しかもライブで聴くという体験を味わっていただけたらうれしいです。

──そういう細かい音が生々しく聞こえることが、オーイシさんが再三おっしゃっている“没入感”につながるわけですよね。

まさにそうで、「この音が聞こえた」「あの音が聞こえた」という喜びって、言ってみれば夜空にたくさんの星が見える喜びにも似ていると思うんです。都会の夜空を見上げても星なんて何個かしか見当たらないけど、都会を離れるとめちゃくちゃたくさんの星が大パノラマで見える、その感動ってあるじゃないですか。いい音で音楽を聴くということは、満天の星空を見上げることに似た体験のような気がするんですよね。

──本当はそこにあるのに、環境が悪いと見えなかったりするという。すごくいい例えですね。

一応、作詞をしているもので(笑)。

──スピーカー環境でそれを味わおうと思ったらシステムを組むのもなかなか大変ですけど、イヤフォンだったらこれだけで済みますし。

そうなんです。例えば僕のスタジオのモニタースピーカーは60万円くらいするんですけど、それに引けを取らないレベルと言えるくらいの音環境が、AZ60なら数万円程度で用意できてしまう。そう考えたらお得ですよね(笑)。

──50万円以上も得しますね。

ははは。しかも、ちゃんと無音の状況まで手に入るわけですし。

──防音室代も合わせて、500万円くらい得することになりますね。

そうかもしれない(笑)。お買い得だなあと思います。

オーイシマサヨシ

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ワイヤレスステレオインサイドホン EAH-AZ60

ワイヤレスステレオインサイドホン EAH-AZ60

Technics「EAH-AZ60」

TechnicsがHi-Fiオーディオ機器の開発で長年培われた音響技術の粋を注いだ完全ワイヤレスイヤフォン。音楽が持つ表現や豊かな空間を再現する高音質を実現させた。ハイレゾ音質の伝送が可能なLDACに対応することで、ワイヤレスでありながらハイレゾ音質が楽しめる。

オーイシマサヨシのサイン入りチェキが3名に当たる

オーイシマサヨシのサイン入りチェキが3名に当たる

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Technics特設ページ

Technics presents “Connect” Online Live × オーイシマサヨシ

2022年11月8日(火)19:00~
音楽ナタリー公式YouTubeチャンネルにて期間限定で公開中

特設サイト

視聴はこちら

ライブ情報

Technics presents “Connect” Online Live × オーイシマサヨシ

2022年11月8日(火)19:00~
音楽ナタリー公式YouTubeチャンネルにて期間限定で公開中

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大石昌良の弾き語りラボ2022

  • 2022年12月1日(木)北海道 札幌PENNY LANE24
  • 2022年12月4日(日)宮城県 Rensa
  • 2022年12月8日(木)愛知県 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
  • 2022年12月10日(土)福岡県 電気ビルみらいホール
  • 2022年12月11日(日)大阪府 NHK 大阪ホール
  • 2022年12月16日(金)広島県 広島CLUB QUATTRO
  • 2022年12月18日(日)石川県 金沢市アートホール
  • 2022年12月23日(金)東京都 中野サンプラザホール
  • 2022年12月25日(日)愛媛県 松前総合文化センター

プロフィール

大石昌良 / オーイシマサヨシ

愛媛県宇和島市出身のシンガーソングライター。1999年に結成した3ピースバンド・Sound Scheduleでボーカル&ギターを担当する。2008年にシングル「ほのかてらす」で、大石昌良としてソロデビュー。2014年よりアニソンシンガー・オーイシマサヨシ名義での活動をスタートさせ、多数の人気アニメの主題歌を担当し、楽曲提供も行っている。また2015年にサウンドプロデューサー・Tom-H@ckとのデジタルロックユニット・OxTを結成し、OxTとしてテレビアニメ「オーバーロード」「SSSS.GRIDMAN」などの主題歌を担当。2017年には作詞作編曲を担当したテレビアニメ「けものフレンズ」の主題歌「ようこそジャパリパークへ」が大ヒットを記録した。2022年6月には田村ゆかりをフィーチャリングゲストとして招いたシングル「恋はエクスプロージョン」をリリースした。

2022年12月19日更新