KANA-BOONとオーディオブランドTechnicsによるコラボオンラインライブ「Technics presents “Connect” Online Live」が11月16日に音楽ナタリーのYouTube公式チャンネルで無料生配信される。当日はKANA-BOONが約40分にわたって、代表曲から新曲までを惜しみなくパフォーマンスする予定だ。
音楽ナタリーではKANA-BOONにTechnicsのワイヤレスイヤフォン「EAH-AZ60」を試してもらいながら、普段のリスニングの環境、イヤフォンへのこだわり、そしてオンラインライブについて話を聞いた。また4月に遠藤昌巳(B)の加入で新体制になった現在のバンドの状況や、11月2日にリリースされたニューシングル「きらりらり」についても語ってもらっている。
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取材・文 / 森朋之撮影 / 須田卓馬
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Technics「EAH-AZ60」
TechnicsがHi-Fiオーディオ機器の開発で長年培われた音響技術の粋を注いだ完全ワイヤレスイヤフォン。音楽が持つ表現や豊かな空間を再現する高音質を実現させた。ハイレゾ音質の伝送が可能なLDACに対応することで、ワイヤレスでありながらハイレゾ音質が楽しめる。
Technics presents “Connect” Online Live × KANA-BOON
2022年11月16日(水)19:00~19:40
音楽ナタリー公式YouTubeチャンネルにて生配信
イヤフォンにはこだわったほうがいい
──KANA-BOONのメンバーの中で、イヤフォンに一番こだわっているのは?
谷口鮪(Vo, G) 僕ですね。こだわりとしては、まず、ある一定の音質をクリアしていること。レコーディングしたばかりの自分たちの曲をイヤフォンで確認するんですが、原曲に対して、どれくらいイヤフォンの特性が加わるのかも気になります。
──できるだけ原曲に忠実な音で聴きたい、と。
谷口 はい。どれだけ曲がよくても、いい音で録っても、音楽を聴く機器が一定のレベルを超えていないと楽しめないと思うんですよ。楽曲本来のよさを味わってもらうためにはイヤフォンにもこだわりたいし、ファンの皆さんにも「こだわったほうがいいよ」って言ったりしますね。
──今回はTechnicsのワイヤレスイヤフォン「EAH-AZ60」を試していただきました。まず、皆さんの中にTechnicsに対するブランドイメージはこれまでありましたか?
遠藤昌巳(B) 父親がオーディオ好きで、実家にオーディオルームがあるんですけど、レコードプレイヤーはずっとTechnicsですね。この前「最近、また買うたぞ」って言ってました(笑)。僕は演奏するほうに興味があったけど、10代の頃から「いい音だな」と思っていたし、Technicsは音を追求しているイメージがありますね。
谷口 うん、しっかりした堅牢な音響のメーカーという印象があって。
古賀隼斗(G) このイヤフォンからも、音楽愛を感じました。
──実際にイヤフォンを使用してみていかがでしたか?
谷口 めちゃくちゃいいですね。まず、音の解像度が高くて、すべての音がしっかり聞こえる。音楽の作り手としてもうれしいイヤフォンだなと。専用アプリを使ってイコライジングもできるんですよ。例えばクラブミュージックを聴くときは低音を上げたり、女性ボーカルの楽曲の場合は高い音域を強調したり。そういうカスタマイズが簡単にできるんですよね。あらかじめプリセットされているイコライザー機能もあるので、音の調整に慣れてない人も楽しめると思います。
遠藤 音質もすごくいいし、演奏のニュアンスまで聴き取ることができました。ベーシストなのでどうしてもベースの音が気になるんですが、バンドの音楽を聴くと、ベースの弦を手でミュートする瞬間もわかるんですよ。全体の迫力もすごいし、いろんなパートの音のニュアンスまで聴けるのはうれしいですね。
古賀 ギターの音域を目立たせるようにもできるし、好みに合うようにチューニングできるんですよね。イコライザーのフェーダーの上げ下げもそうですけど、操作性もすごくよくて。ユーザーの立場になって作ったんやなって思いました。
小泉貴裕(Dr) ドラムのキックの音もきれいに聞こえますね。いろんな音楽に対応しているのもいいなと思うし、ノイズキャンセリングの効き具合を自分で調整できるのも便利だと思います。部屋にいるときはマックスにして完全に周りの音を遮断したり、外出中はある程度、周囲の音を確認できる設定にできるので。
谷口 ノイズキャンセルって、ほとんどのイヤフォンはオンとオフしかないからな。あと、ノイキャンの機能って人によっては圧迫感を感じることがあると思うんですけど、それがこのイヤフォンは全然ないんですよ。
遠藤 うん。今日も電車の中でこのイヤフォンを使ってたんですけど、騒音も人の話し声もしっかり遮断できて、音楽に集中できましたね。
古賀 「JustMyVoice」(自分の声だけをクリアに相手に届ける、独自の通話音声処理技術)の機能もすごい。通話してる最中に周りのノイズを減らして、自分の声を聴き取りやすくする機能なんですけど、オンラインミーティングとかにもぴったりやなって。
谷口 確かに僕らだったらオンラインでのバンドミーティングとか、あとはラジオのリモート収録のときにも使えそう。
遠藤 風切り音対策もいいですよね。外で電話してて、風の音で聴きづらいことってけっこうあるんで。あとは「マルチポイント」機能。例えばiPhoneとiPadに同時に接続できるんです。僕はiPhoneで音楽を聴きながらiPadを使うことがけっこうあるんですけど、普通はiPadで動画を観ようと思ったら、iPhoneからiPadにイヤフォンの接続を切り替える必要があって。それがかなり面倒だったんですけど、マルチポイント機能があれば、自動で切り替わるんですよ。
谷口 それ、めっちゃ便利やな。ちょっとサービスしすぎやろ(笑)。
古賀 これ以上の機能、見つけるの難しくない?
小泉 (笑)。装着したときのフィット感もいいし。
──イヤーピースのサイズも7種類ありますからね。
谷口 それは本当にありがたくて。大体のイヤフォンはS、M、Lの3種類くらいなんですけど、僕は耳の穴がちょっと小さくて、うまく合わないことも多いんですよ。「EAH-AZ60」はXS、S、M、L、XLに加えて、高さ違いのXS2とS2もあって。イヤフォンってしっかりフィットしてないと、長時間着けられないから、「たくさん種類があって助かる」って人も多いんじゃないかな。
遠藤 ぴったりのサイズじゃないと、聴こえ方が変わってきますからね。
谷口 デザインもシンプルでいいですよね。サイズもコンパクトで軽いし、ホルダーに入れたときのマグネットの装着感もよくて。落とすこともなさそう。
──イヤフォンを紛失したときにアプリを使って捜索できる機能もあるんですよ。イヤフォンから音を鳴らすことができるんです。
古賀 すごい!
遠藤 たまに車の座席の下にイヤフォンを落としちゃうときがあって。そういうときに便利ですね。
今僕らがやりたいことを観てもらいたい
──どんな人に「EAH-AZ60」を薦めたいですか?
谷口 音楽が好きな人、全員に薦めたいですね。最初にも言いましたけど、リスニング環境はすごく大事だと思うんですよ。僕らはとにかくいい曲を作って、いい音で録ることに時間をかけてやってますけど、リスナーがどういう機材で聴くかには関与できない。なるべく原曲に近い状態で聴いてもらいたいし、これくらいハイクオリティのイヤフォンだったら、感動や興奮もさらに深くなると思うんです。ワイヤレス、ノイズキャンセル付きのイヤフォンとしてはめちゃくちゃ高いわけではないし、この価格帯で、こんなにいい音だったら絶対にいいと思う。できれば10代の若いうちから、いい音で聴いてほしいですね。
──「EAH-AZ60」でKANA-BOONの曲を聴くとしたら、どれがいいですか?
谷口 それはもう新曲の「きらりらり」ですね! 僕らはずっと音にこだわってきて、前回のアルバム「Honey & Darling」(2022年3月発売)でさらに追求していて(参照:KANA-BOON「Honey & Darling」インタビュー)。「きらりらり」もすごくいい音に仕上がってるので、このイヤフォンで聴けば、今のバンドの熱、楽曲のエネルギーが伝わるんじゃないかなと。自分でもチェックしましたけど、めちゃくちゃよかった(笑)。ストリングス、シンセなどのバンド以外の音もしっかり聴こえるんですよ。ギターもかなり重ねてるんですけど、ゴチャゴチャした感じにならず、すべての音をしっかり感じてもらえると思いますね。
──11月16日にはTechnicsとKANA-BOONのコラボオンラインライブ「Technics presents “Connect” Online Live」がYouTubeで無料生配信されます。
谷口 楽しみですね。最近はずっとライブが続いていて、ライブへのモチベーションも高くて。配信ライブはちょっとひさびさなので、どういう選曲にするかを含めて、今僕らがやりたいことを観てもらいたいですね。もしかしたら初めてKANA-BOONのライブを観る人もいるかもしれないし、僕らを知ってもらうきっかけの1つになったらうれしいです。
KANA-BOONの1/4になりたい
──遠藤さんが正式加入して、約6カ月が経ちました。ここまでの活動を通して、どんなことを感じていますか?
遠藤 2020年1月からサポートメンバーとして参加していたんですが、正式に加入してからは「KANA-BOONの1/4になりたい」という意識が強くなりましたね。これまでも「しっかりKANA-BOONの音を届けたい」という気持ちはもちろんあったんですけど、さらに一歩踏み込んで表現できるようになりたいと思うようになって。
──インタビューで話すことも、その1つかもしれないですね。
遠藤 そうですね。まだ慣れないですけど。
谷口 これが3回目のインタビュー?
遠藤 そう(笑)。
谷口 普段はこういう会話をしないので、「マーシー(遠藤)にとってKANA-BOONはどういう存在なんだろう」「どういう感覚でバンドにいるんだろう」ということを本人の言葉で聞けるのはうれしいですね。
古賀 今言っていた「KANA-BOONの1/4になりたい」という言葉には、マーシーのすべてが詰まってますね。もうすでに1/4以上の力を与えてくれてるんだけど、マーシーの謙虚さ、真面目さ、KANA-BOONへのリスペクトが出ている言葉だなって。音楽に対して「これは違う」と思えばしっかり指摘してくれるのも、すごくいいところだと思ってます。
小泉 すごく心強いですね。ライブでもマーシーのリズムに引っ張られることがあるし、KANA-BOONを外から見て、「こうしたほうがいい」という提案もくれて。すでにバンドの音楽が変わり始めているし、一緒にリズム隊を組んでいる僕自身も変化してきてますね。ライブで演奏していても楽しいです(笑)。
谷口 素晴らしい。いいことしかないですね。
遠藤 よかった(笑)。
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大事なものを守り抜いたまま、ここまで来ることができた