Task have Funが12月14日にニューシングル「ぎぷす」をリリースする。
「人生は課題(Task)だらけ、だったらそんなTaskを楽しみながらクリアしちゃおう!」がコンセプトの3人組アイドルユニット・Task have Fun。2016年5月にステージデビューした彼女たちは、ビジュアルレベルや熱量の高いライブパフォーマンスですぐに注目を浴び、翌2017年に発表したキラーチューン「3WD」でアイドルシーンの中での知名度を確かなものに。2020年から今年にかけては、つんく♂とのコラボレーションプロジェクト「つん♂タス♀」でも話題を集めた。
そんなTask have Funの最新シングルには、ピノキオピーがプロデュースした「ぎぷす」「ケルベロス」の2曲を収録。表題曲「ぎぷす」は戦いで負ったケガが徐々に治っていく様を描いた応援ソングで、カップリング曲「ケルベロス」ではメンバーがギリシャ神話に登場する3つの頭を持った犬“ケルベロス”となり、獰猛さとかわいらしさを兼ね備えながら奮闘する様が描かれている。音楽ナタリーではメンバー3人にインタビューし、2021年の振り返りや結成から今日に至るまでの変化を聞きつつ、新曲2曲の聴きどころを語ってもらった。また、特集の最後にはピノキオピーによるコメントも掲載する。
取材・文 / 近藤隼人撮影 / 塚原孝顕
アイドルであることを思い出した2021年
──2021年はTask have Funにとってどんな1年でしたか? 昨年に引き続きコロナ禍の影響が大きい年だったと思いますが。
白岡今日花 去年はギリギリ11月にZepp DiverCity(TOKYO)でワンマンをできてうれしかったけど、それ以外自粛したことが多くて。ツアーもできなかったし、アイドル業界全体としても夏フェスが開催できない状態でした。でもそれと比べると、今年はできることがたくさん増えたなと感じました。コロナ禍の前のようには戻れていないけど、お客さんと一緒に今の時代に合った楽しみ方を見つけて、新しい形を作れてきたのかなって。
──去年と比べるとモチベーションも安定していました?
白岡 そうですね。自分がアイドルであることを思い出しました(笑)。去年は1、2カ月、丸々家にいることもあって、「私って何なんだっけ……?」と思うときもありました。ひさしぶりに配信の仕事があっても「これがどれだけの人に届いてるんだろう……」と、人に観てもらえている実感がなかったです。
──コロナ禍の前、Task have Funはライブの本数がかなり多いイメージでした。その分、反動が大きかったんですかね。
里仲菜月 2年前くらいに出したシングル「星フルWISH」のリリイベ中、急に翌日からの予定がなくなっちゃったんですよ。別の世界に放り込まれたような気分で、「この先どうなっちゃうんだろう…‥?」と不安でした。
熊澤風花 仕事がなくてずっと家で過ごすという時間がそれまで何年もなかったので、「何から始めたらいいんだろう」と焦りましたね。
里仲 配信ライブを始めたときも、それまではお客さんが目の前にいる環境が当たり前だったから、どうやってテンションを上げたり、盛り上げたりしたらいいかわからなかったです。でも、1年くらい配信ライブを続けてきたので、カメラに対する見せ方は成長しました。
熊澤 「このパートは絶対仕留めるぞ!」みたいな(笑)。自分のおいしいパートがあると数十秒前からずっと狙って、「絶対こっち抜いてくれよ!」という熱い目線をカメラに送ってました。
──そういったオンラインでの活動がメインだった時期を経て、里仲さん、熊澤さんも2021年は楽しく活動できたという印象ですか?
里仲 そうですね。ひさびさにツアーをやったらホントに楽しくて。1部2部ともにがっつりライブをやったし、次の日の肩の痛さや疲労感に対しても「これだ!」とうれしくなって、2年前の感覚を取り戻しました。ファンの皆さんと一緒に作っていくライブはすごく楽しいものだと改めて感じられたので、2021年はTaskとして充実していたと思います。
熊澤 私も2021年は楽しかったという印象が一番なんですけど、それと同時にグループとして成長できたと思います。お客さんが声を出せない中、煽り方など、どうやったら楽しんでもらえるか試行錯誤したり、クラップで盛り上がる曲を作ってもらったり。メンバー同士で仕事の話をすることも増えたので、少し大人になったのかなと感じています。
里仲 ライブを本格的に再開した頃は体力も落ちてたし、盛り上げ方もわからなくて、お客さんも戸惑ってたよね。2021年のすべてが順調だったかと言われると、そうでもなくて……Taskのことを忘れられてるんじゃないかと不安になることもありました。ステージングもわりとおとなしくなっちゃって。
熊澤 お客さんの顔がマスクで半分見えないので、楽しんでくれているのか、どう思ってくれているのかわからなくて、フェスで私たちのファン以外の方の前でパフォーマンスするときは特に不安でした。
仲よくなりました
──そんな中、Task have Funは今年で結成5周年を迎えましたが、活動初期と比べたときの成長についてはどう感じていますか? グループ全体で一番大きく変化したことはなんでしょう?
熊澤 仲よくなりました!(笑)
里仲 あはははは! それはある(笑)。
熊澤 デビュー当初はお泊りのレッスンをしてもお互いにいろいろと話すわけでもなく、必要事項を淡々と伝えてました。
里仲 お互いに興味がなかったよね。
白岡 それぞれ人と戯れるタイプじゃなくて。
熊澤 でも、それから5年半が経った今、「この子のこういうところがいいな」と思ったら楽屋とかで本人に伝えるようになりました。
里仲 そう……! 言うんですよ…‥!
白岡 最近は逆に気持ち悪いくらい(笑)。
里仲 デビュー前も含めるとメンバーとは6年くらい一緒にいて。家族に好きって言うのは照れくさいじゃないですか。それと同じというか、面と向かって褒めたり、好きって言ったりするのは恥ずかしいんですけど、ふうちゃん(熊澤)はけっこう言ってくるんですよ。それに「ありがとう」と返すのもなんだか恥ずかしいし、「気持ち悪っ!」って照れ隠しで返したりしてます。あと、ツアーの翌日にオフをもらって、3人で旅行するのも昔だったら絶対ありえないですね(笑)。なんか昔は仲よくなるのが怖かったんだよね。
白岡 友達みたいになっちゃうのが嫌で。幼いながら、仕事としての距離感を作りたかったんだと思います。
里仲 プライベートで遊ぶようになっても、ちゃんと仕事と切り替えられてるよね。でも、プライベートのときは仕事のことをあまり話したくないから「今日は仕事の話はやめよう」とか言うんですけど、気付いたら……。
白岡 この2人がすごいんですよ! 仕事の鬼。私は「2人みたいな仕事の仕方はできないよ」ってずっと言ってるんです。お風呂に入って戻ってくると、いつの間にか2人が反省会をしていて。私がいない隙を狙って仕事の話をしようとするんです。
里仲 自覚がなく、無意識に話を始めちゃってるのが怖いです(笑)。でも、こう言ってる今日花も、意外と仕事に対する熱い思いを語るんですよ。
──3人ともグループ愛が強いんですね。しかし、プライベートで一緒に旅行に行くほどの距離感なのは少し意外でした。3人とも芯が強くて戯れないタイプに見えるので、ステージ上ではもちろん一致団結しつつ、裏でベタベタ仲よくしてるイメージはなかったです。
白岡 初期の頃はまだ幼かったのもあって、自分が強すぎてほかの人を受け入れられなかったんだと思います。
里仲 自分のことで精一杯だったもんね。
白岡 今はリスペクトしながらお互いのことを見れるようになりました。
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3人それぞれの変化、成長