野村さんの声がなければこういうアルバムを作ろうと思わなかった

──メインボーカルとなる越前ムラサキ役の野村麻衣子さんの歌声は圧巻ですよね。QOPを象徴する存在感がハンパないです。

本人にも周囲のスタッフにも言ってますけど、（野村）麻衣ちゃんの声がなければこういうアルバムをそもそも作ろうとは思わなかったんで。今回も相変わらず素晴らしいボーカルだったと思います。ただ、本人に確かめたわけではないですが、歌い方がちょっと変わったような気もしていて。QOPとしての音楽性がより明確になってきたから、彼女自身の中で意識的に変えたところがあったのかもしれないです。よりロックなボーカルになってません？

──そう思います。

「TRIGGER」とか「Fire and Rose」（共に2016年リリースのデビューシングル曲）の頃は、まだ今のようなロックっぽい歌い方じゃなかったんですけど、「Clash!!!」あたりからその兆しが見え始めたんだと思います。実は「Clash!!!」の歌録りはけっこう苦労して。「もっとシャウトしよう！」みたいなディレクションもあったんですよ。それを経て彼女の中のギアが一段上がったのかもしれないですね。まあとにかく本当に素敵な歌声ですよね。

──アルバムはソロ曲を経て、「Clash!!!」を挟み、ラストを飾る「I AM」「DAYS」でエンディングを迎えます。QOPが自分らしく生きていくこと、「誰でもない『僕』になること」を決意する「I AM」のあと、「DAYS」で「僕らの歌だよ」「聴こえてるだろう？」とファンに向かって投げかける流れが感動的で。

あははは（笑）。ありがとうございます。なんかね、そのあたりも自然にやった感じなんですよね。すべての曲がそうであるように、この2曲に関しても狙いとかは本当になくて。アルバムの全体像を考えると、並びも含めて「絶対こうあるべきだよな」という感じだっただけっていう。でも、そういった受け取り方をしていただけるのはうれしいです。うれしいけど、僕的には照れ臭いですが（笑）。

──「DAYS」は歌詞も曲もSATSUKI-UPDATE名義で手がけられていますね。

この曲の雰囲気をオーダーして、いくつかデモが上がってきたものもあったんだけど、どうも僕的にはハマらなかったんです。あんまり迷惑と時間をかけるのもアレなので、「じゃ、自分で書きます」って。そのほうが早いと思ったから。結果、健ちゃんと一緒にスタジオに入ったりして手伝ってもらいながらイメージ通りのものを作ることができたんで、すごく満足してますね。

──ライブではいい位置で披露されて、最高の景色を生み出してくれるであろう2曲だと思います。

そうですね（笑）。僕、「DAYS」に関しては、この曲のときだけはPA席から離れて、スタッフに見られない場所で気持ちよくなろうかなと思ってますけどね。そんなことできるのかわからないですけど（笑）。

──茂木さんも泣いちゃいますかね？

いやいやいや、どうですかね（笑）。ライブで「DAYS」を聴いたら思わずキてしまうんではないかなとは思ってますけど。今回はアルバム制作の段階で単独をやることが決まっていたから、それが楽曲に影響した部分もけっこうあって。「THUNDERBOLT」に「Hey Yo」というフレーズを入れたり、「Purple Raze」の「狂おしく叫ぶ 未来をRaze!!」の「Raze!!」で歌の厚みを足したりとか、今までだったらやってないこともけっこう盛り込みました。

──「DAYS」の「Wow Wow」パートもそうですよね。

そう。んー、でもなんでしょうね。そこは別に盛り上げたいとか、一体感を感じたいとかで狙ったわけではないんですよね。もしこの曲で言いたいことがあるなら、それが自然とこうなってるだけな気もします。なすがまま、作ったものなので。

QOP単独はお腹一杯になると思う

──そういったお話を聞くと、6月9日と14日に開催されるQOPのワンマンライブへの期待がより一層高まりますね。

単独はね、みんなが想像してる以上にボリュームいっぱいになると思います。具体的には言えないけど、お腹いっぱいになると思う。

──さらに7月13、14日には幕張メッセでナナシスの5thアニバーサリーライブも控えていますから。「4.0」以降の展開も含めて楽しみです。

ありがとうございます。今回のアニバーサリーライブもとても元気なものになると思います。ナナシス全体に関しては、ここから先も物語の針を進めることは一切止めないのは間違いないです。僕の中にあるナナシスの本質をしっかりお見せしながら進めていくので、そこは楽しみに待っていてもらえたらうれしいです。