ナタリー PowerPush - チームしゃちほこ
首都かえてみそ!名古屋に首都を移転すべき6つの理由
ムチャなことをやってもOKしてくれる
──では今回の新曲「そこそこプレミアム」は?
これはそのまんま「プレミアム」というテーマをもらって(笑)。プレミアムというところから考えて、ゴシックメタルみたいな要素を入れてみようかなあと。
──メタル的な要素は過去の曲にも随所に入ってますよね。それは単に好きだから?
いえ、全然メタラーってわけじゃないんです。この曲の場合は単純にゴシックメタル合うかなあって。結局これもやりたい、あれもやりたいみたいな感じで作っていくうちにどんどん入れちゃうんですよね。で、わりとムチャなことをやってもOKしてくれる(笑)。
──「こうしてほしい」「こういうテーマで」といった要望はあっても、「これはダメ」と言われることはほとんどない?
そうですね。僕に言われるのは「スタダサウンドにしてほしい」というのが第一で。
──そういう意味ではかなり的確に答えを出しているんじゃないでしょうか。ものすごく「スタダサウンド」ですよ。
ありがとうございます。たぶんスターダストさん以外の仕事を聴いてもらうと全然違う印象があると思います(笑)。
──NICO Touches the Wallsのサウンドプロデュースはまったく違いますし、同じ作詞・作曲・編曲を手がけている雪乃さんなんかも全然別モノですね。
NICOさんと雪乃さんは、真面目にやってますね(笑)。
アイドルソングは伝わりやすいキャッチーさが重要
──チームしゃちほこのメンバー6人の印象は?
いやあ、元気だなあっていう(笑)。今は個々の個性もだいぶわかってきたので、曲を作っているときからパート分けを考えたりしてます。「乙女受験戦争」はそうでしたね。
──初めからこのフレーズはこの子で、と。ちなみに先ほど過去のお話を聞いたときは一度も「アイドル」という言葉が出てきませんでしたけど、アイドルにハマッたことは?
ないんですよね。ずっとRADIOHEADとかオルタナ系の洋楽ばっかりだったので。モーニング娘。は「面白い音楽やってるなあ」と思ってましたけど、ハマることはなかったです。
──そうすると「歌のパート分け」みたいなアイドルソング特有の方法は、実践でコツをつかんでいった感じですか?
はい。声の特徴もありますけど、日常生活のキャラっぽいところも考えながら。
──それは何度か直接コミュニケーションを取ることで得た情報なんでしょうか。それとも……。
想像のほうが大きいですね(笑)。あとはUstreamとかをたまに見ていて「なるほどー」と。それぞれの関係性が見えてきたりするので。
──ライブでの彼女たちのパフォーマンス、歌はいかがですか?
メンバーよりまずファンの皆さんに感動しますね(笑)。本人たちのパワーもさることながら、ファンのパワーはすごいなと。
──自分が作った曲に盛大なコールが乗るわけですもんね(笑)。観客の反応を観ていて「あ、そこでコール入れるんだ」みたいな違和感はない?
あ、そこはわりと想像しながら作ってるので、違和感を感じたことはないですね。
──わりと狙い通り。実際目の当たりにすると、曲の作り方にも影響をおよぼしそうですね。
ライブでどう盛り上がるかは考えるようになりましたね。あとはわかりやすさ。ライブでは一発で伝わらないといけないから、シンプルでキャッチーなメロを目指して。
──作家としてはもっと複雑なもの、変則的なものを作ってみたいという欲求もあるんですか?
そういう欲もありますけど、アイドルソングでは伝わりやすいキャッチーさが重要だと思います。
「一緒にがんばりましょう」ぐらいの言葉しかない
──最近個人的に気に入っている音楽、もしくはシンパシーを感じた音楽はなんですか? 作家目線で見て「こんな方法があったのか」と驚いた曲など。
ごく最近だとDAFT PUNKですね。あとはなんだろうな……。あ、hy4_4yhはびっくりしました(笑)。
──ファンコットですね(笑)。
あれは感動しました。とにかく新しもの好きなので。
──浅野さんは打ち込み主体ながら、特徴的なベースラインやメタルっぽいギターなど、生演奏の要素も大きいですよね。これは昨今の1人ですべてを手がける作家さんの中では少ないほうだと思うんですけど、自分の特徴をどう捉えていますか?
ルーツがバンドサウンドなので、それは確かに特徴の1つかもしれないですね。あと昔から耳がよかったので、耳コピーはすぐにできるんです。音楽を聴くときはいつも勉強みたいな感じで。
──ちなみに編曲については独学?
はい。弦アレンジなんかも自分でやってるんですけど、事務所の社長に「できるよー」って言われてなんとなく(笑)。
──独学でこれってすごいですね……。浅野さんはおそらくこれからも、チームしゃちほこの主要作家の1人として参加することになると思いますけど、浅野さんからメンバーに望むことはありますか?
なんだろう。うーん……。
──きっと「業界の先輩」的な立場だったら先輩としての意見があるかもしれませんけど、どちらかというと一緒にデビューした、ちょっと歳の離れた妹たちぐらいの立場ですもんね(笑)。
そうなんですよ。同じぐらいのキャリアで歩んできてるんで「一緒にがんばりましょう」ぐらいの言葉しかないですね(笑)。
──では作家としての個人的な目標は?
とりあえず大学をちゃんと卒業したいなと(笑)。将来的な目標としては、1つのアーティストをちゃんとプロデュースできるようになりたいですね。
浅野尚志(あさのたかし)
1989年10月20日、石川県生まれのサウンドクリエイター。幼少時よりピアノとバイオリンを学び、中学生の頃には独学で作曲・編曲を始める。創作活動の中で、ドラム、ギター、ベースなどさまざまな楽器をすべて1人で演奏するスタイルを構築。現在は大学在学中ながら作曲家 / 編曲家 / 作詞家 / サウンドプロデューサーとして活躍し、チームしゃちほこをはじめ、AKB48、吉木りさ、鈴村健一、NICO Touches the Walls、雪乃、乙女新党ほか多くのアーティストの作品に参加している。
- メジャーデビューシングル「首都移転計画」/ 2013年6月19日発売 / unBORDE / Warner Music Japan
- ジャパニーズ・エディション / 1200円 / WPCL-11464
- ナゴヤ・エディション / 1200円 / WPCL-11465 / ※名古屋&会場限定
ジャパニーズ・エディション収録曲
- 首都移転計画
- そこそこプレミアム
- マジ感謝
- 首都移転計画(off vocal)
- そこそこプレミアム(off vocal)
- マジ感謝(off vocal)
ナゴヤ・エディション収録曲
- 首都移転計画
- そこそこプレミアム
- サマラバ
- 首都移転計画(off vocal)
- そこそこプレミアム(off vocal)
- サマラバ(off vocal)
チームしゃちほこ
スターダストプロモーション芸能3部「3Bjunior」から選ばれた、秋本帆華、咲良菜緒、安藤ゆず、大黒柚姫、坂本遥奈、伊藤千由李の6人からなるアイドルグループ。2011年9月より愛知・名古屋を拠点に活動をスタートさせ、2012年10月にはワーナーミュージック・ジャパンよりシングル「ザ・スターダストボウリング」を発表し“名古屋メジャーデビュー”を果たす。同年12月30日には愛知・名古屋CLUB QUATTROにて初のワンマンライブを行い、2013年5月には東名阪の3会場を回る「チームしゃちほこ World Premium Japan Tour 2013 ~見切り発車は蜜の味~」をいずれも大成功に収めた。2013年6月19日に“日本先行メジャーデビュー”シングル「首都移転計画」をリリース。