ハイスタの「STAY GOLD」みたいな曲が欲しかった

──そしてカップリングの「Rolling!!」も攻めのファストチューンですが、メタリックな「MISSING」とはまたタイプが違います。どちらかというとメロコアのような作風というか。

武瑠　そうですね。この曲はもう単純に、ハイスタの「STAY GOLD」みたいな曲が欲しかっただけです（笑）。

──ああ、バンドにとってアンセムになるような？

武瑠　そうですね。気軽にバーンと演奏して、お客さんがバーンって盛り上がって終わり、みたいな。あと……サークルモッシュができたら面白いなと。そのサークルモッシュの「サークル」を別の表現に変えて「Rolling!!」にしたんですけどね（笑）。

──これは偶然なのかわからないですけど、「MISSING」と「Rolling!!」って2曲ともタイトルが現在進行形なんですよね。

武瑠　確かに。なんでかなあ……まあでも深層心理に「今」を切り取って打ち出したいという思いがあったんでしょうね。

yuji　新曲のリリースがひさしぶりだから、やっぱり自分たちの「今」を出したかったのかな。

武瑠　しかも「MISSING」「Rolling!!」「0 song」って、全部語尾が「NG」だし（笑）。

「0 song」は復活してから続きを作りたかった

──その「0 song」も、ついにCDに収録されることになりましたね。

武瑠　言ったら3、4年前からあった曲なんで。

yuji　まあデモ自体はそれくらい前からあったよね。

武瑠　仮タイトルが「柳原可奈子」っていう。

──えっ？（笑）

武瑠　ずっと「『柳原可奈子』出してえ」って言ってた（笑）。とは言っても、彼女に捧げた曲ではないんですけど。ただなんとなく、そういう仮タイトルだったというだけで（笑）。

──ファンの人たちがこの曲を初めて耳にしたのは一昨年の代々木ライブのエンディングでしたが、あの時点ではまだ完成版ではなかったんですよね？

yuji　そうです。ずっと1コーラスだけのデモがあって、それをみんなで自腹でスタジオを押さえて、ちゃんとした形でレコーディングして流したんです。だからあの時点ではまだ1コーラスのみ。

──それは活動休止前最後のライブに間に合わせたかったから、1コーラスしかできてないものを早くレコーディングしたんでしょうか？

yuji　間に合わせたかったからというよりは……復活してから続きを作ろうみたいな感じで（笑）。

──でも活動休止に入る時点では、本当にSuGが復活するのかもわからなかったわけですよね。下手をしたらそのまま解散して、完全版が世に出なかった可能性もあるわけで。

武瑠　そうですね。解散してたら幻の曲になってたかもしれない……この曲だけはどうしてもSuGとして出したかったから……だから活動再開した際には、活動休止前と今をつなぐ橋渡し的な曲として続きを今の気持ちで書こうと思ってたんです。

──ああ、なるほど。1コーラス目では活動休止前の思いがつづられていて、それ以降は復活が決まってからの思いが詰め込まれていると。じゃあ昨年末のライブはこの曲からスタートさせようというのは、曲ができたときから決まっていた？

yuji　はい。復活ライブを活動休止前のライブと同じ会場でやることになったとき、前回との違いをどう見せようかと考えたんですけど、「0 song」が完成した時点で「これは1曲目にやってやろう！」と思いましたね。

これが今年1年間のプロジェクトの象徴になる

──今回のシングルは「新しいSuGが始まる」という期待感を煽るのにピッタリな1枚に仕上がったと思います。

yuji　そうですね。かなりの期待感を持たせてしまったんじゃないかな（笑）。そこはもうこれから先、プレッシャーとなって返ってくる感じですね（笑）。

──武瑠くんに浮気者のインタビューをしたとき（参照：浮気者「I 狂 U」特集）、SuGの次のテーマについて話を聞きましたが、「MISSING」や「Rolling!!」はそのテーマの導入になる楽曲ということなんですか？

武瑠　そうです。楽曲だけでなくてビジュアルやライブも含めて、これが今年1年間のプロジェクトの象徴になると思います。

──ここからどういう広がりを見せていくのかがすごく気になります。きっと全容が見えたときに、またさらにビックリさせられるんでしょうね。

yuji　そうですね。次のアルバムは、またすごい広がりがあると思います。

武瑠　めっちゃいいアルバムになると思いますよ。

──アルバムよりまず先になりますが、5月には野音でのワンマンライブもあります。

武瑠　いやあ……野音は今までずっと避けてきた場所なんですけど。

──そうなんですか？

武瑠　なんか演出面を含め、苦手意識がすごい強くて。

yuji　ワンマンで野外っていうと、やっぱり明るいときに始まるから現実感が出ちゃって難しいんですよ。でも今はその状況を生かすにはどうすればいいのか考えてるところで。

武瑠　逆に野外だったら何がOKなんだろう、何ができるんだろうっていう。そこから考えてます。