音楽ナタリー Power Push - スティーヴィー・ホアン×Da-iCE

1つの曲が育んだ2組の新しい絆

イギリスのシンガーソングライター、スティーヴィー・ホアンが11月4日にニューアルバム「FOREVER」をリリースする。3年ぶり6枚目となる本作にはDa-iCEをフィーチャーした英語詞曲「FLY AWAY」が収録される。一方Da-iCEも同日に新作シングル「HELLO」を発売。本作のカップリングにはスティーヴィーをゲストに迎え、日本語詞を交えたDa-iCE版の「FLY AWAY」が収められる。

この一連のコラボレーションは、メンバー全員がスティーヴィーのファンだというDa-iCEのラブコールによって実現したもの。音楽ナタリーでは両作品のリリースを記念して、前日に「FLY AWAY」のレコーディングを終えたばかりの2組の対談を実施し、共作の感想を語ってもらった。

取材・文 / 鵜飼亮次 撮影 / 小坂茂雄 通訳 / 松田京子

コラボレーションは不思議体験

──まずはレコーディングを終えたばかりということで、感想を聞かせてください。

スティーヴィー・ホアン すごく雰囲気がよかったです。メンバーの皆さんと楽しくセッションできたし、レコーディングもうまくいきましたね。

大野雄大(Da-iCE) 僕らが昔から聴いていたスティーヴィーにディレクションしていただき、一緒に歌って音源を作るっていう。不思議で仕方ない体験でした! 自分と想太の声がスティーヴィーの声と一緒に流れるのは変な感じっていうか、なんかの間違いかなあって(笑)。

花村想太(Da-iCE) 最初デモをいただいたときにもう「この曲は完璧だ」と思ってたから、自分たちの声が邪魔をしないかどうかすごく心配だったんです。でも細かく親身にディレクションしていただいたおかげで、実際に録音したものを聴いたら「あ、よかった」って安心できるものになりました。

左からスティーヴィー・ホアン、Da-iCE。

スティーヴィー 2人の声は本当に美しかったし、何よりお互いの声がすごくマッチしてましたね。おかげで、もともと自分のために書いたこの曲が新しい境地に辿り着けた気がします。

雄大 うれしい限りです。ホント「お邪魔します」って人の家に上がるような気持ちでレコーディングに臨んだのに、そんなふうに言っていただけるなんて。

岩岡徹(Da-iCE) 5人ともDa-iCE結成前からスティーヴィーの曲を聴いてたので、こうやってコラボレーションできたっていうのは本当に光栄です。

工藤大輝(Da-iCE) まず目の前にいること自体リアリティがなかったね。ミュージックビデオとかCDのジャケでしか見たことがなかったから。

和田颯(Da-iCE) うん。僕も中学生ぐらいからずっと聴いてたし、ダンスの先生が彼の曲を使ってたので昨日初めて会って「本物だ! スティーヴィー・ホアンだ!」って。

スティーヴィー ああ……中学から聴いてるっていうのを聞くと、年取ったって感じがするなあ。

一同 あははは(笑)。

雄大 でも実際どこのクラブに行ってもかかってました。

 ダンスでは誰もが使ってて。

想太 知らない人、いないですよね。

スティーヴィー・ホアン

スティーヴィー うれしいです。

 これから僕は「うちのボーカル、スティーヴィーと歌ってるんだぞ!」って自慢していくと思います。

雄大 僕も「スティーヴィーと歌ったよ!」って自慢します。

スティーヴィー こちらこそ。今後Da-iCEはさらに大スターになっていくだろうから、そのときは自分が「彼らと一緒に仕事したんだ」って友達に自慢できるなあって(笑)。

Da-iCE一同 いやいやいや!

2者を近付けたYouTubeと納豆

──お互いのコミュニケーションはどのように?

スティーヴィー まずはレコーディングを始める前にYouTubeの動画を一緒に観て笑うとか、そういったことで一体感を作っていった気がします。

想太 “ジャパニーズビヨンセ”(渡辺直美によるモノマネ)の動画とかね。

岩岡徹(Da-iCE)

雄大 ああ、観てた! スティーヴィーはアレを観てしばらく「頭から離れない」って言ってましたね。

スティーヴィー 数時間ぐらいずーっと“ジャパニーズビヨンセ”にやられちゃってたなあ(笑)。

 ははは(笑)。でも本当にスティーヴィーはすごく気さくでフレンドリー。僕らが薦めた納豆も初めて食べてくれたんです、嫌な顔せずに。

スティーヴィー 今まで食べた日本食は全部おいしかったので、何も心配してなかったはずだったんだけどね……(笑)。

夢物語が現実に

──そもそも今回の共演はどういうきっかけで?

想太 これからのDa-iCEのことを考える中で、自分たちの色以外のものを出すにはコラボレーションがいいかもって話が出たんです。それで1年前ぐらいからみんなで「スティーヴィーと一緒にできたらうれしいな」って言ってて。

工藤大輝(Da-iCE)

大輝 はい。でもそのときのノリは「言うだけ言っておこう」っていう夢物語みたいなものでしたね。

雄大 「言うだけタダ!」というか。

──「いつか東京ドームでライブしたいな」って話をするみたいな?

大輝 まさにそのレベルです。実現するなんて……。

──スティーヴィーさんにはどういった形でお話が?

スティーヴィー 東京のスタッフがロンドンに来てくれたときに、「こういうグループがいるんだけどコラボレーションしてみない?」って誘われました。男性ソロアーティストが男性グループと一緒にやることってあまりないと思ったので「それ面白いね」って興味を持って。そのあとYouTubeの映像を観て即座に「この声は素晴らしいな」と思ったし、グループの方向性もいいと思ったので、ぜひやってみたいって返事をしたんです。

想太 そうだったんですか! うれしい! なんか鳥肌立ちました、今。

スティーヴィー・ホアン ニューアルバム「FOREVER」 / 2015年11月4日発売 / 2592円 / avex trax / AVCD-93196
「FOREVER」
収録曲
  1. CRAZY LOVE
  2. FLY AWAY(feat. Da-iCE)
  3. MY LOVE
  4. DON'T WANNA FALL
  5. MUSIC FOR LOVE
  6. ONE LAST TIME(Mumzy Stranger and Andrea Galaxy)
  7. BEFORE SHE GOES
  8. 17
  9. SHADOW
  10. ONE LAST CRY
  11. THINKING OF YOU
  12. SUMMER FOREVER
  13. GIRL LIKE YOU
  14. SOMEBODY'S GIRL
  15. IN LOVE ALONE
  16. THE WAY THAT I LOVED YOU
<ボーナストラック>
  1. ALL NIGHT LONG(Christmas Acoustic Version)
Da-iCE ニューシングル「HELLO」 / 2015年11月4日発売 / UNIVERSAL SIGMA
初回限定盤A [CD+DVD] 1620円 / UMCK-9776
初回限定盤B [CD+DVD] 1620円 / UMCK-9777
通常盤 [CD] 1080円 / UMCK-5586
初回限定盤A、B CD収録曲
  1. HELLO
  2. FLY AWAY casts Stevie Hoang
初回限定盤A DVD収録内容
  • HELLO Music Video
  • The making of HELLO
初回限定盤B DVD収録内容
  • TOKI -acoustic ver.-
  • The making of TOKI -acoustic ver.-
通常盤 CD収録曲
  1. HELLO
  2. FLY AWAY casts Stevie Hoang
  3. HELLO -English ver.-
スティーヴィー・ホアン
スティーヴィー・ホアン

イギリス出身のR&Bシンガーソングライター、音楽プロデューサー。2006年にMyspace上に楽曲をアップロードし、のべ2000万回以上の再生数を記録。2007年12月にイギリスで1stアルバム「this is me」を発表した。2009年9月にはavex traxから2ndアルバム「All Night Long」をリリース。5日間で11カ所のクラブを回る来日ツアーを実施した。2013年1月にはベストアルバム「BEST OF STEVIE HOANG」をリリース。2015年11月に6thアルバム「FOREVER」を発表。本作の収録曲「FLY AWAY」にはDa-iCEがゲスト参加している。

Da-iCE(ダイス)
Da-iCE

2011年に結成された、ボーカリストの大野雄大、花村想太、パフォーマーの工藤大輝、岩岡徹、和田颯の5人からなるダンス&ボーカルユニット。クラブやライブハウスを主な活動の場として年間100本を超えるライブを行い、2012年にはAAAのツアーのオープニングアクトに抜擢された。同年12月にミニアルバム「Da-iCE」でインディーズデビューする。2013年にメジャーデビューが発表され、2014年1月にユニバーサルシグマからメジャー1stシングル「SHOUT IT OUT」をリリース。同年4月に2ndシングル「TOKI」、8月に「ハッシュ ハッシュ」と短いスパンで作品を発表する。10月には1stアルバム「FIGHT BACK」をリリース。2015年11月には7枚目のシングル「HELLO」をリリースする。