音楽ナタリー Power Push - スティーヴィー・ホアン×Da-iCE
1つの曲が育んだ2組の新しい絆
音楽との付き合い方
──スティーヴィーさんの今回のアルバムは原点回帰をテーマに作られた過去2枚のアルバムと同様に、メロディのよさと優しさを重視した内容の作品に仕上がっていますね。
スティーヴィー アルバム制作に入る前は「ちょっとクラブっぽいサウンドを」とかいろいろ考えていたんですが、最終的には自分の中から出てくるものがそのまま曲の形になって、自然と自分らしいサウンドになりました。このアルバムもホントに自分らしいナチュラルな感じで。
──自然体であるという一方で「MUSIC FOR LOVE」「THINKING OF YOU」みたいに、エッジィなサウンドがアクセントになっている曲もあります。
スティーヴィー 僕はもともと音楽が大好きなので、毎日いろんな曲を聴いて、その中で少しずつ影響を受けます。そこには旬のサウンドも当然含まれるから、自分らしい曲の中にスパイスとして新たな要素が入ることもあるんです。最後に再び自分らしくまとめるっていう流れを目指しているというか、自然とそういうふうになりますね。
──なるほど。そのトレンドとの距離感はDa-iCEとも共通する部分なのかなと思いました。Da-iCEの皆さんは前回のインタビューで「Da-iCEっぽさを持たない」、つまり今の自分たちに合わせてスタイルは柔軟に変わっていくという発言をしていましたよね(参照:Da-iCE「BILLION DREAMS」インタビュー)。
大輝 そうですね。トレンドというほど僕たち自身は意識しないかもしれませんが、「今これを僕らがやりたいかどうか」で判断することはあります。トラックの感じが今の自分たちと合ってるかどうかで良し悪しを決めることもよくあって。
雄大 そこは服を買いに行くような感覚でしょうか。「最近この系統の服着てないけど着てみようかな」「やっぱりここが好きだね」っていう気分で変わるというか。型にはめ込まない。
想太 でもグループとしてはまとまるんです。メンバーが5人いるわりに僕らは意見がそろうほうやなとは思ってますね。
大輝 「グループだったらこう表現したいから、ここはこういう曲でいきたい」って意見をみんなが言えるからブレないのかもしれません。
スティーヴィー なるほど。自分はソロアーティストなので、グループで仕事していくっていうのはすごく大変だろうなと想像するんですけど、やっぱり同じ方向性を見出さなきゃいけないのって大変そうだなと思います。でも5人を見た感じ、すごくグループとしての一体感があるし、目指してるものが1つだって伝わってくるんですね。だからそこが成功につながってるんでしょうね。一番大事なのはケミストリーだと思っていて、それがしっかりあるから間違いがないんじゃないかなって。
雄大 ありがとうございます。
スティーヴィー あとやっぱり5人だとすごく楽しそうだなと思いましたね。ソロは1人で、寂しいなって(笑)。ステージ上でお互いにエネルギーを出し合って1つの作品を作るっていうのがすごく楽しいだろうなって思いました。自分もグループだったらよかったのに。
一同 あはははは(笑)。
雄大 ただ楽屋だとホントみんなうるさいんですよ。
大輝 お前が一番うるさいんだよ(笑)。
ダンスにも期待
──この曲をDa-iCEはどう踊るんですか?
想太 うーん、どうなるんでしょう。でもスティーヴィーは「アフリカをイメージした曲」と教えてくれたので、みんなで楽しげなパフォーマンスになればって思ってます。
スティーヴィー 「ライオン・キング」的な。
雄大 そう(笑)。ディレクションのときに「『ライオン・キング』を想像して歌って」って言ってましたもんね。
想太 「今が楽しいぜ」って感じものものが出せればいいなと。
徹 振付に関しても僕らDa-iCEらしさというか見せ方があるので、それをちゃんと出したいですね。特に今回は今までのよさも出しつつ、スティーヴィーの声を引き立たせて、かつ英語の歌詞がわからなくても内容が伝わるようなダンスを見せたい。
スティーヴィー ダンスはお任せしますよ。
──ステージでの共演にも期待したいところです。
想太 ああ、したいですねー! できるのかなあ。
スティーヴィー でも皆さんはダンスがすごいからどうしようかな(笑)。自分がでくのぼうみたいになっちゃう。ステージの真ん中にイスを置いてもらってそこに座って歌うから、皆さん周りで踊ってくれませんか?
一同 あはははは(笑)。
雄大 そのときは僕も隣にイスを置いて座りますね。
大輝 なんでだよ(笑)。でも共演もしてみたいですけど、個人的にはまず僕たちと同じ世代のダンサーの友達とか、スティーヴィーの音楽をいっぱい聴いてきた人たちに「まさかのここか!」って言わせるために、曲を聴いてびっくりしてもらいたいです。
想太 ホントそうですね。うれしい……。
雄大 ……し、緊張します。僕らのファンだけじゃなくてスティーヴィーのファンの方にも聴いてもらうのは。
想太 そうだね。やっぱり一番心配なのは、スティーヴィーのファンの方がアルバムを買って、僕たちの声が入っていることを受け入れてくれるかどうか。
スティーヴィー そこは100%満足してくれるはず。いい曲になったと思うので、誰のファンが聴いてもすごくいいものだと認めるでしょう、絶対に。
雄大 あー、I think so!!
スティーヴィー ははは(笑)。新たなコラボレーションということで、お互いにとって新しい、今までとは違うタイプの人に聴いてもらえるきっかけになるといいですね。
またコラボしたい
──Da-iCEのシングル表題曲「HELLO」がどんな楽曲かについても教えてください。
想太 こっちはトラックがバキバキなんですけど、歌詞は「ハロー」も言い出せないような草食的な男性のストーリーで、でもちょっと内なる野獣が見え隠れしていて。そんな“ロールキャベツ男子”ふうの曲に仕上がってます。
──曲のキャッチコピーには「片思い卒業応援ソング」とありますね。
スティーヴィー そのテーマ、なんだか深そうですね。
大輝 卒業できるかどうかはわかんないですけど(笑)。
想太 まだハローしか言えてないピュアさですからね。僕らの楽曲の中で一番ピュアなんじゃないかな。
大輝 僕らの曲は別れの曲が多いんですよ。だから、この方向性はわりと新鮮ですね。
雄大 珍しいタイプの曲だよね。これまでメロディラインがさわやかだけどリリックはけっこうえげつないことや悲しいことを言ってる楽曲がけっこうあったのに、この曲は逆で。
想太 うん。ドラマチックなトラックに、さわやかさというかピュアな言葉が乗ってる。20代だからこそ歌える曲だなあと。
──スティーヴィーさんが「片思い卒業応援ソング」というテーマで曲を作るとしたらどんなタイプの曲に?
スティーヴィー うーん、そこはまず深く考えてみないといけないですね……。たいてい自分が書くのは恋に落ちた瞬間や別れの曲が多いんだけど、これはいつもとは違うパターンなので。
──もしその結果新曲が生まれたら、そこで2度目のコラボレーションにも期待したいです。
想太 ああ! 僕たちもまたコラボレーションしたいです!
雄大 ぜひキボンヌですよ!
スティーヴィー こちらこそぜひ。これからも提供させてください。
収録曲
- CRAZY LOVE
- FLY AWAY(feat. Da-iCE)
- MY LOVE
- DON'T WANNA FALL
- MUSIC FOR LOVE
- ONE LAST TIME(Mumzy Stranger and Andrea Galaxy)
- BEFORE SHE GOES
- 17
- SHADOW
- ONE LAST CRY
- THINKING OF YOU
- SUMMER FOREVER
- GIRL LIKE YOU
- SOMEBODY'S GIRL
- IN LOVE ALONE
- THE WAY THAT I LOVED YOU
<ボーナストラック>
- ALL NIGHT LONG(Christmas Acoustic Version)
- Da-iCE ニューシングル「HELLO」 / 2015年11月4日発売 / UNIVERSAL SIGMA
- 初回限定盤A [CD+DVD] 1620円 / UMCK-9776
- 初回限定盤B [CD+DVD] 1620円 / UMCK-9777
- 通常盤 [CD] 1080円 / UMCK-5586
初回限定盤A、B CD収録曲
- HELLO
- FLY AWAY casts Stevie Hoang
初回限定盤A DVD収録内容
- HELLO Music Video
- The making of HELLO
初回限定盤B DVD収録内容
- TOKI -acoustic ver.-
- The making of TOKI -acoustic ver.-
通常盤 CD収録曲
- HELLO
- FLY AWAY casts Stevie Hoang
- HELLO -English ver.-
スティーヴィー・ホアン
イギリス出身のR&Bシンガーソングライター、音楽プロデューサー。2006年にMyspace上に楽曲をアップロードし、のべ2000万回以上の再生数を記録。2007年12月にイギリスで1stアルバム「this is me」を発表した。2009年9月にはavex traxから2ndアルバム「All Night Long」をリリース。5日間で11カ所のクラブを回る来日ツアーを実施した。2013年1月にはベストアルバム「BEST OF STEVIE HOANG」をリリース。2015年11月に6thアルバム「FOREVER」を発表。本作の収録曲「FLY AWAY」にはDa-iCEがゲスト参加している。
Da-iCE(ダイス)
2011年に結成された、ボーカリストの大野雄大、花村想太、パフォーマーの工藤大輝、岩岡徹、和田颯の5人からなるダンス&ボーカルユニット。クラブやライブハウスを主な活動の場として年間100本を超えるライブを行い、2012年にはAAAのツアーのオープニングアクトに抜擢された。同年12月にミニアルバム「Da-iCE」でインディーズデビューする。2013年にメジャーデビューが発表され、2014年1月にユニバーサルシグマからメジャー1stシングル「SHOUT IT OUT」をリリース。同年4月に2ndシングル「TOKI」、8月に「ハッシュ ハッシュ」と短いスパンで作品を発表する。10月には1stアルバム「FIGHT BACK」をリリース。2015年11月には7枚目のシングル「HELLO」をリリースする。