SPYAIR|東京ドームを照準に奏でる“デカいロック”

バラードはロックバンドの典型

──「Don't Look Back」のようなミクスチャーロック系のサウンドもSPYAIRの一貫した特徴ですよね。

UZ ミクスチャーロック、ヘヴィロックを聴いてバンドを始めたし、自分の中では普遍的なものなので。今は1周回って「カッコいい」ってことになってるかもしれないけど、「懐かしいね」って思われる時期もあったじゃないですか。

IKE うん。ロックバンドがラップをするのは当たり前っていうときもあったけど、いつの間にか誰もやらなくなって。

UZ 自分たちはずっとやってますからね(笑)。そういうことがやれるっていうのも、バンドとしてはいいことだと思うし。

──「BRING IT ON ~Battle of Rap~」など、UZさんのラップをフィーチャーした曲も目立ってますよね。

UZ 楽しいんですよ、ラップ。ギターは10年以上やってるし、「ここがやれてない」という余白もどんどん狭くなっていて。ラップはそうじゃなくて、練習すればするだけ吸収できるので。なんでもそうですけどね、新しく始めたことは。例えばサーフィンにしても、やればやるほどうまくなるのがわかるし。ラップもそういう状態ですね、今は。

IKE ミクスチャーの基本だからね。あと、サビの前にラップが入るとボーカルとしても助かるし(笑)。

KENTA え、そういう理由?(笑)

IKE UZがラップしてる間にグッと集中力を高めて、「よし、サビだ!」という気持ちで歌に向かえると言うか。そういうバランスも必要ですからね。

UZ お客さんの視線が変わるのもいいよね。どうしても声を出してるほうを見るじゃないですか。俺がラップをやってるときは、みんなこっちを見てるし。

IKE で、サビになるとこっちを見て。そういう変化があると飽きないと思うんですよ。同じ声でずっと歌ってたら、どうしても飽きちゃいますからね。2時間ずっと同じではなくて、落差があったほうが心も震えると思うし。

UZ それはアルバムの制作も同じで。同じボーカリストが一定のテンションで歌ってたら、12曲続けて聴くのは大変ですからね。だから俺はLinkin Parkが好きだったんですよ。1曲1曲のテイストが全然違っていて、ポップで聴きやすくて、ギターのリフはやさぐれていて。すごくバランスが取れているし、実は計算され尽くされているんですよね。

──「KINGDOM」の収録曲もバラエティに富んでますからね。「君がいた夏」のようなバラードもあるし。

UZ もちろん。ロックバンドのバラードは個人的にも好きだし、アルバムに1、2曲は入れたいので。

IKE バラードはロックバンドの典型だと思ってるんですよ。

UZ Extremeの「More Than Words」とかね。バラードで売れたバンドも多いし。

IKE そうそう。しかも普遍的な曲ばっかりだからね。

──今は「アルバムには必ずグッとくるバラードが欲しい」と思ってるバンドも少ない気がします。

KENTA あ、そうかも。

UZ 確かにね。当たり前にやってたから、考えたことなかったけど。

IKE ロックバンドのバラードっていうものが、いつの間にかみんなの頭から消えてたのかもね。俺らはずっとやってますけど(笑)。

「KINGDOM」というタイトルは「デカそうでいい」

──オーソドックなロックバンドのスタイルをいい意味で踏襲していると言うか。「KINGDOM」というタイトルのスケールの大きさも、ロックバンドらしいですよね。

UZ タイトルはこのアルバムを作り始める前に決めたんですけど、すげえ迷ったんですよ。「4」のツアーが終わってから「次はどういう音楽をやっていこうか?」といろいろ考えて……「KINGDOM」という言葉が浮かんできたときは、意味よりも単純に「デカそうでいいな」って感じだったんですけどね(笑)。スケールの大きさが気に入って。タイトルが決まったことで次に見据えるステージも明確になったし、この単語に助けられたところもあります。アルバムの楽曲も「KINGDOM」というワードに沿って作ったので。

──「デカそうでいいな」っていう発想自体がSPYAIRらしいですよね。

UZ そうですね(笑)。ヘンに細々したことを考えると失敗することが多いんですよ。もっとザックリ「これがいいよね」という感じで進んでいくほうが俺たちに合ってると言うか。

KENTA(Dr)

KENTA 確かに細かいことを言い出すとよくない方向に行きがちだよね。今回のアルバムタイトルにしても、「KINGDOM」以外は考えてなかったし。

UZ ほかの候補もなかったからね(笑)。

KENTA 「『KINGDOM』、いいね! ドンと行こう!」って。

IKE 「ドーン! パーン!」だよね(笑)。

──(笑)。リズムがめまぐるしく変わる「MIDNIGHT」のようなテクニカルな曲もありますけどね。

KENTA そうですね(笑)。

UZ 制作中はいろいろと考えながらやってますからね、もちろん。実はけっこう緻密なこともやってるんだけど、そこが目立つのは違うと言うか。

KENTA うん。ライブを観てくれた人が「IKEが両手を広げたところがカッコよかった」って言ってくれるとうれしいからね。

IKE それが一番いいよね。「実はテクニカルなこともやってるよね」って言われたい気持ちもあるけど(笑)。

──2018年1月には「KINGDOM」を引っ提げた全国ツアーがスタートします。今回はホールが中心ですね。

IKE 初日が中野サンプラザホールなんですけど、今回は今まで行ってなかったところもけっこう多いんですよ。タイトルは「KINGDOM」ですけど、もっと細かく、いろんな場所でライブをしたいなって。

MOMIKEN SPYAIRを知ってくれていても、まだライブを観たことがない人もたくさんいると思うし。

──東京ドームでライブをやるときは、全国から来てもらいたいですからね。

IKE そうなんですよ。そのためには、もっともっとたくさんの人に観てもらわないと。やらなくちゃいけないことはたくさんありますね。

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PHOTO GALLERY

SPYAIR「KINGDOM」
2017年10月11日発売 / Sony Music Associated Records
SPYAIR「KINGDOM」初回限定盤A

初回限定盤A [CD+DVD]
3990円 / AICL-3411~2

Amazon.co.jp

SPYAIR「KINGDOM」初回限定盤B

初回限定盤B [2CD]
3700円 / AICL-3413~4

Amazon.co.jp

SPYAIR「KINGDOM」通常盤

通常盤 [CD]
2800円 / AICL-3415

Amazon.co.jp

CD収録曲
  1. THE WORLD IS MINE
  2. RAGE OF DUST
  3. MIDNIGHT
  4. スクランブル
  5. 君がいた夏
  6. THIS IS HOW WE ROCK
  7. BRING IT ON ~Battle of Rap~
  8. Don't Look Back
  9. Brand New Days
  10. C!RCUS
  11. Goldship
  12. Be with
初回限定盤A DVD収録内容

Music Video

  • THIS IS HOW WE ROCK
  • RAGE OF DUST
  • Be with
  • MIDNIGHT
  • THE WORLD IS MINE

Making of Music Video

  • THIS IS HOW WE ROCK
  • RAGE OF DUST
  • MIDNIGHT

Live

  • 君がいた夏
    Live at Fuji-Q Highland Conifer Forest 2016.7.30
  • Brand New Days
    Live at Yoyogi National Stadium First Gymnasium 2017.1.21
初回限定盤B CD収録曲

Acoustic Sessions

  • サムライハート(Some Like It Hot!!)
  • RAGE OF DUST
  • Be with
  • Supersonic
  • Stand by me

収録曲「スクランブル」がPlayStation®4 / PlayStation®Vitaサムライ乱戦アクションゲーム「銀魂乱舞」テーマソングに決定!

Music Video「スクランブル -銀魂乱舞 編-」

ツアー情報

SPYAIR TOUR 2018 -KINGDOM-
  • 2018年1月26日(金)東京都 中野サンプラザホール
  • 2018年1月28日(日)静岡県 沼津市民文化センター
  • 2018年1月30日(火)埼玉県 大宮ソニックシティ
  • 2018年2月3日(土)宮城県 東京エレクトロンホール宮城
  • 2018年2月4日(日)千葉県 浦安市文化会館
  • 2018年2月8日(木)神奈川県 川崎市スポーツ・文化総合センター
  • 2018年2月12日(月)兵庫県 神戸国際会館
  • 2018年2月17日(土)新潟県 新潟テルサ
  • 2018年2月18日(日)福島県 郡山市民文化センター 中ホール
  • 2018年2月25日(日)群馬県 桐生市市民文化会館
  • 2018年3月11日(日)神奈川県 厚木市文化会館
  • 2018年3月17日(土)北海道 わくわくホリデーホール (札幌市民ホール)
  • 2018年3月21日(水・祝)石川県 本多の森ホール
  • 2018年3月23日(金)岐阜県 長良川国際会議場
  • 2018年3月25日(日)京都府 ロームシアター京都 メインホール
  • 2018年3月31日(土)広島県 広島文化学園HBGホール
  • 2018年4月1日(日)岡山県 岡山市民会館
  • 2018年4月5日(木)福岡県 福岡サンパレスホテル&ホール
  • 2018年4月7日(土)香川県 レクザムホール
  • 2018年4月8日(日)愛媛県 松山市総合コミュニティセンター キャメリアホール
  • 2018年4月12日(木)大阪府 フェスティバルホール
  • 2018年4月14日(土)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
SPYAIR(スパイエアー)
SPYAIR
IKE(Vo)、UZ(G, Programming)、MOMIKEN(B)、KENTA(Dr)の4人からなるバンド。全員が愛知出身で、2005年に結成される。地元名古屋の野外ライブでキャリアを重ね、デビュー前の2010年6月に行った100本目の野外ライブでは2000人の観客を集める。同年8月、シングル「LIAR」でメジャーデビュー。その後も8枚のシングルを発表し、並行して精力的なライブ活動を展開する。同年12月に初の日本武道館ワンマンライブを開催。2014年5月の全国ツアー開催中、IKEの喉のトラブルによりツアーを中断し約半年間、活動を停止する。12月に東京・Zepp DiverCity TOKYOにて開催したワンマンライブで本格的に活動を再開した。2015年11月に約2年ぶりのフルアルバム「4」をリリースし、12月には初のアリーナツアーを実施。2016年1月からは全国ホールツアーを、2016年12月には東名阪アリーナツアー5公演を行った。今年7月には3回目となる山梨・富士急ハイランドコニファーフォレストでの恒例野外ライブ「JUST LIKE THIS 2017」を開催し、約1万5000人を動員。10月に約2年ぶりのニューアルバム「KINGDOM」を発表し、2018年1月からは全国ホールツアー「SPYAIR TOUR 2018 -KINGDOM-」を行う。